【メキシコ伝統産業体験】サポテコ織物の村が蘇らせた天然染料を使ったタペテ作り

ここオアハカの近くにある小さな村テオティトラン・デル・バジェという場所で一つ一つ手作業で作られている、"タペテ"という織物があるのをご存じでしょうか?

この"タペテ"はメキシコや、北米やヨーロッパでは割と有名なようですが、日本では知名度が低いのではないでしょうか。

私が現在滞在しているのは、この"タペテ"職人たちが暮らしている村テオティトラン・デル・バジェという場所です。メキシコのオアハカシティからバスで40分ほどの場所にある、サポテコ族の暮らすコミュニティで、毎朝開かれるマーケットに行ったり、村の中を歩いているとサポテコ語が聞こえてきて、今でも深い伝統の残る村の一つです。

この村では、一度廃れてしまった天然染料の伝統を26年ほど前に、蘇らせたという歴史があります。今回、全て天然染料で糸を染めている工房さんにお邪魔して、インタビューさせてもらいました。その時の模様をお伝えします。

目次

目の前でデモンストレーションを行ってくれる

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まずは、天然染料の説明をしてくれて、

  • どんな植物を使っているのか
  • どんな色になるのか
  • どのような工程を経て染料にするのか

といった内容を実際に見せてくれた。

"メタテ"と呼ばれる、少しカーブのついた石の上に染料になるものを乗せて、ゴリゴリと石の棒で擦ってパウダー状にしていく。

これは料理と似ているという理由から、女性の仕事なんだそう。

今回お邪魔した工房では、"染め"を中心に紹介してくれたが、他にも、羊から気をとって糸にする作業や、そしてもちろん"織り"の作業を見せてくれる工房もある。

自然の恵み(植物/虫/鉱石)を使った天然染料

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彼らが使っている天然染料の一部を見せてくれた。天然染料の種類も様々で、

  • 藍(詳しくは下記に)
  • コチニール(詳しくは下記に)
  • グラナダ(ざくろの皮)
  • ペリコン(黄色い色に)
  • マルシュ(こちらも美しい黄色い色を出す)

など、これらの染料を使い様々な色を出していく。

藍・インディゴ

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テオティトランから南東へ240kmほど行ったところの、イスモ地方に藍の生産者がいるらしく、そこから買い付けをしているそう。

1960年代から藍染は導入された。写真のように、カラカラに乾燥させられた石のような藍。

コチニール

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スペイン語だと、コチニージャと呼ばれている、サボテンの表面に寄生するダンゴムシのような虫。"サボテンの血"という名前が付くくらい、真っ赤なビビットな色を出す。

これを乾燥させ、粉状にしたものが染料になる。驚くほどの鮮明な真っ赤な色が出て、大変びっくりしました。

代々家族で守ってきた伝統の織物タペテ

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子供達はだいたい8歳頃になるとタペテの作り方を両親から教わり始めるそうだ。簡単な作業である糸作りなど基礎の基礎から始めて、数年かけて全ての工程を学んでいく。

特に幅広のタペテを織る工程は、だいたい男性の仕事のようだ。

家族みんなでひとつの商品を作る仕事をしているって、しかもそんな家族が村中にいる。というのは、とても興味深いことではないでしょうか。

タペテのワークショップを探したけれど見つからない理由

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テオティトランには、7週間ほどの滞在なのですが、せっかくなのでこの機会にタペテのワークショップでもあれば参加したいなと思っていました。

しかし、誰に聞いてもワークショップはしていない。という答えばかり。

これだけ観光客の多いエリアだし、天然染料や織物に興味を持つ人も少なくないだろう。私のように、自分で作ってみたいと思う人も必ずいるはず。そこに需要はあるのに、なぜやらないのか疑問だった。

そんな中、ある工房を訪ねた時に、

「コミュニティは、この技法を外国人や観光客に教えたくないんだよ。」

という話をしてくれた。だからワークショップをすることは、ルール違反になる。ということ。

伝統を自分達だけで、守り続けることを選んでいる。 残念な気持ちにはなったけれど、それはそれでひとつの考え方としてありだと思う。皆さんはどう思いますか?

最後に

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数回に渡り、メキシコ・オアハカの魅力を記事にしてきました。

そして一番楽しみなのが、10月31日から11月2日にかけて行われる"死者の日"が目の前です。この記事が公開される頃は、 もしかしたら死者の日は終わっているかもしれません。

このように魅力的なフェスティバルもたくさんあるし、伝統産業が残り続けるオアハカにハマり続けています。

今回お邪魔したタペテ工房さんはこちら。

気さくなご夫婦が迎えてくれますよ。他のお店に比べても、とてもクオリティーが高いので、ついついポーチを一つ買ってしまいました。

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それでは皆様、良い旅を!

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Ai Nishino

メキシコ大好きな旅するフォトブロガー。25歳の時に、青年海外協力隊としてタンザニアで2年間職業訓練校にて活動。そして、バックパッカーに。英語、スワヒリ語を話し、スペイン語を習得中です。ライター、デザイン、翻訳などをして海外ノマド旅中。AiWorld Exploreというサイトを運営。

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