スペインへの旅行費用はいくら?現地物価や節約情報をご紹介!

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<バルセロナ中心部のカタルーニャ広場。撮影:蓮池ヒロ>

様々な民族と文化が混じり合い、街ごとに多彩な個性を持つスペイン。首都マドリードにつぐ国際都市バルセロナは、日本からの直行便こそありませんが、芸術や独創的な文化の観点から、多くの日本人観光客が集まります。

スペインはEU(欧州連合)に加盟しているため、EU圏内の経済通貨であるユーロを導入していますが、他の加盟国と比べて物価も安めで、リーズナブルな旅行が楽しめるのが特徴です。

この記事ではバルセロナ在住経験者の筆者が、スペイン旅行の費用と現地の物価や節約情報をご紹介します。

※編集部註:当記事は公開時(2019年5月)の情報です。料金など最新情報は各公式サイトでご確認ください。

目次

1. スペイン(バルセロナ)旅行、大人一人の費用はいくらかかる?

飛行機やホテルをすべて自分で手配する「個人旅行」でスペインへ行く場合は、約15~25万円ほどがかかります。一方で、旅行代理店などのツアーを利用する場合は、約25~30万円ほどを見ておくとよいでしょう。

ここでは個人旅行を前提に、大人一人でスペイン旅行にいくらかかるのか解説していきます。

1_1. 航空券

バルセロナへの航空券は、シーズンで大きく変化します。日本からはバルセロナの直行便が出ていないため、乗り継ぎが必要です(※)。トランジットを適当に決めてしまうと、フライト時間が余計にかかってしまったり、待ち時間が増えたりと旅行に行く前から疲れてしまう可能性もあります。

インターネットで購入すれば発券手数料を支払わずに済むのですが、慣れていない方は、旅行会社などで乗り継ぎの良いフライトを相談してみるとよいでしょう。

オンシーズンの航空券の値段相場は、往復13万円前後と高め。スペインを含めたヨーロッパでは、7~8月の夏の時期が最も観光に適した人気シーズンとなるためです。特に夏場は、早めの予約を心掛けましょう。

一方、冬が厳しく観光客も減るヨーロッパ。ですが、バルセロナは比較的暖かい気候のため、オフシーズンを狙って観光するのもおすすめです。12月~2月のオフシーズンは、オンシーズンと比べると航空券価格も約半分ほど。往復7万円前後が相場です。とにかく安くバルセロナに行きたい場合は、冬場を検討してみると良いでしょう。

※編集部註:日本-マドリードの直行便は、イベリア航空で運行しています(2019年5月時点)。

1_2. 交通費

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<メトロではスリに要注意!写真:たびこふれ編集部>

バルセロナは交通網が発達しているため、バスや電車、地下鉄でほとんどの観光地へ容易にアクセスできます。電車を使えば首都マドリードや近隣の都市までも一本で行けますし、中心部から少し外れた場所へはトラムも走っています。

公共交通機関の料金はゾーン制。路線ごとではなく、エリアで料金が変化します。市内の主要な観光地はほぼ全てゾーン1でカバーできます。切符は全て共通で、同ゾーン内で1回2.20ユーロ。一回券は割高になるため、バルセロナに1泊以上される方は回数券を使うのがおすすめです。

10回券の「T-10」は10.20ユーロとお得ですので、一日乗車券を買うよりも、日付の制限もなく使いやすいでしょう。バルセロナに滞在する日数やプランをよく考えて切符を購入してください(※)。

そのほかに、タクシーやUberなどの配車サービスもありますが、市内中心部の移動ではほとんど必要ありません。ちなみにタクシーの初乗り料金は平日昼間で2.10ユーロと、日本よりも格段に安いため、荷物が多い場合などは検討してみても良いでしょう。

※編集部註:料金はライター執筆時のものです。変更される可能性もありますので、最新情報は公式サイト等をご確認ください。

1_3. ホテルの宿泊費用

観光都市でもあるバルセロナのホテルは、格安から高級ランクまでさまざまです。また近年では民泊サービスを使った宿泊方法もあります。一般的なホテルでは、1泊およそ1~2万円が相場。格安ホテルもありますが、清潔感やサービス、アクセスなどを考えると一般的なホテルがおすすめです。

5つ星クラスのホテルでは、1泊およそ3~5万円が相場です。多くの芸術家が生まれた芸術の街だけあって、高級ホテルの中にアートギャラリーがあり、芸術作品が展示されている場所も珍しくありません。

一方で民泊サービスでは、一泊3,000~4,000円で市内中心部にある個室の清潔な部屋が使えます。バスやトイレは共有で、宿泊者の部屋が専用の部屋になっている、というタイプが主流です。

おすすめのエリアは、観光に便利なカタルーニャ広場の周辺。カタルーニャ広場は「バルセロナのへそ」と呼ばれるほどの中心地で、ガウディの建築物にも近く、バスや地下鉄を使ってバルセロナのあらゆる場所へアクセスできます。

もしバルセロナ市内で迷ってしまっても、カタルーニャ広場に戻る方法が多数あるため、初めて訪れる方でも安心できます。

1_4. 食費

スペインの食費を日本と比べてみると、外食は高く、スーパーの食料品は少し安いという感じです。外食を控え、スーパーで買い物をして自炊をすれば、食費は抑えられます。

例えば500mlのミネラルウォーターであれば、20~40円で買うことができます。大きいパンでも60円程度。100円を超えることはほとんどありません。

レストランの相場としては、ランチが1,000~2,000円程度と少し日本よりも高め。地元の人が行かない観光客向けのレストランになるほど、値段は上がります。さらにディナーになれば、お酒を頼まなくても2,000~4,000円以上になることも。

スペイン名物のパエリアは、二人前で3,000~4,000円程度が一般的な価格(註:観光客向けレストランの価格がベース)。ですので、旅行中、毎日のように食べてしまうと大きな出費となります。

1_5. 観光地の入場料

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<バルセロナの公園でのんびりと。写真:たびこふれ編集部>

バルセロナには建築家のガウディが残したサグラダ・ファミリアやカサ・ミラなど芸術系の観光地が人気です。入場料が必要なことがほとんどですが、入場せずに外観やデザインを楽しむ方法もあります。けれどもせっかくスペインまで行くなら、ぜひ余すところなく楽しんでいただきたいものです!

曜日によっては無料で楽しめる方法もあり、サン・パウ病院やカタルーニャ美術館などは第一日曜日が無料開放日と設定されています。時間制限がある場合もありますので、事前に調べてから行くとよいでしょう。

バルセロナの街並みを見渡せるグエル公園も通常は有料ですが、なんと無料で入る方法が!それは「開園時間外に入場すること」。グエル公園の開園時間は午前8時から午後9時30分まで。(季節によって変動しますので公式サイトでご確認ください。)この時間前後に入った場合は、入場料を支払う必要はありません。

グエル公園は人気の観光地で日中は混雑しますから、朝の時間に余裕があれば、ぜひお得に楽しんでみてください!

1_6. お土産代

スペインのお土産はオリーブオイルやチョコレートなどが定番です。1万円ほど見込んでおけば、自分用とバラマキ用の両方をカバーできるでしょう。 定番のオリーブオイルはミニサイズで1ユーロ程度、一般的な料理用は4ユーロほどで購入できます。瓶のデザインもオシャレですし、お土産におすすめ。

また、スペインはお酒が安く購入できる国として有名です。ワイン好きの方にはスペインワインも人気のお土産です。スーパーでは1ユーロ程度からと、安価で手に入ります。スーツケースの重量と梱包にさえ注意すれば、低予算でよいお土産がたくさん買えますね!

2. スペイン(バルセロナ)旅行を安く楽しむコツ

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<カルメル要塞からのバルセロナ市内。撮影:蓮池ヒロ>

航空券や食費、観光にかかる費用などを解説しましたが、工夫次第ではさらに少ない費用でスペイン(バルセロナ)旅行を楽しむことができます。この項目では、旅をさらに安く楽しむコツをご紹介します。

2_1. 無料で楽しめる観光地に行ってみよう!

バルセロナは世界的な建築家ガウディの影響もあり、個性的な建物が多く、歩いているだけで非日常を味わえることも魅力です。有料の観光地だけではなく、無料で楽しめるポイントを選べば費用を抑えて旅行が楽しめます。

おすすめはバルセロナの街並みを一望できる「カルメル要塞」の丘。古い要塞全体が公園のようになっており、終日無料で入場できる穴場ポイントです。サグラダ・ファミリアやバルセロナからの海も見渡せる上、観光客が少ないローカルなポイント。一味違った観光ができます。

日没後にはバルセロナの夜景が楽しめて、集まった人々が歌ったりギターを奏でたり、ゆったり時間が流れる空間に変化します。ビールとピンチョス(おつまみ)を持参して語り合えば、バルセロナでの良い思い出になるでしょう。

基本情報

2_2. バラマキ土産はこれを買おう!

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<スペインは美味しいものがたくさん!写真:たびこふれ編集部>

バルセロナのバラマキ用お土産は、オリーブオイルやチョコレートも良いのですが、個人的なおすすめはカモミールティーです。安価でありながら大容量で可愛いデザインのため、お土産として喜ばれます。

「マンサニージャ・コン・ミエル」はカモミールティーの一種で、はちみつが入っており、甘い香りがふわっと広がります。リラックス効果もあるのだそう。カモミールティーが苦手な方でもはちみつが入ることで飲みやすく、渡す相手を選びません(※)。スペインではハーブティーにはちみつを入れて飲む文化があるため、お土産と一緒にスペインの思い出話に花を咲かせてみてはいかがでしょうか。

※編集部註:「マンサニージャ」と同じ名称で呼ばれるシェリー酒も存在します。

2_3. 安くて美味しいレストランはこのエリア!

バルセロナは「バル」と呼ばれるレストランが立ち並び、昼夜問わずに地元の人から観光客まで、お酒や美味しい料理を楽しんでいます。中でも安くて美味しいバルは「ブライ通り」に集まっています。地下鉄のPoble Sec駅から徒歩2~3分の距離にあり、バルセロナ市内どこからでもアクセスしやすいエリアです。

バルセロナ中心部の小さな通りですが、様々な種類のバルがひしめきあっていて、ピンチョスと呼ばれる一口サイズのおつまみを提供してくれるピンチョスバルが多くあります。

ひとつ1~2ユーロで色々な味を楽しめますし、バルごとにピンチョスも変わるため、ブライ通りではバルのハシゴがおすすめ!リーズナブルにバルセロナの食事を楽しめて、おなか一杯になれますよ。

3. スペイン(バルセロナ)旅行の費用を抑えるならパッケージツアーもあり!

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<サグラダ・ファミリア周辺の景色。撮影:蓮池ヒロ>

ここまでご紹介したスペイン(バルセロナ)旅行の費用は、個人旅行を前提としています。ご紹介した節約テクニックを活用いただきながら、全て個人で旅行を手配することはメリットもありますが、場合によっては、パッケージツアーに申し込んだ方が費用も抑えられる可能性があります。

最後の項目では、スペイン(バルセロナ)旅行のツアーも検討してみて頂きたい理由について解説します。

3_1. パッケージツアーの方が安くなる可能性がある?

パッケージツアーには、ホテルや移動手段などの費用が全て含まれているため、自分で手配するよりも安価な値段に収まる可能性があります。たとえば、個人旅行でもホテルと航空券をバラバラに予約するよりも、セットで予約すると割引が適用されやすくなるのと同様に、パッケージツアーも割引がきいて1人あたりの料金が安くなることが期待できます。

また、移動ルートが決められていることで効率良く観光できる点は、精神面でもメリットがあります。個人予約は場所や時間などを全て自分で調べて決定を下すことになり、時間と決断力が必要です。そのため、旅行の準備をしている時点から疲れてしまうことにもなりかねません。

その点パッケージツアーは、時間や手間など、料金以外の様々なコストを削減して旅行を楽しめるので、適している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

3_2. 治安の面でもスペイン(バルセロナ)はツアー旅行がおすすめ

バルセロナの最大の懸念点として、治安の悪さが挙げられます。一般的な観光客が危険な犯罪に巻き込まれることは少ないですが、スリや置き引きなどの軽犯罪は頻繁に行われており、日本人観光客はよくターゲットにされています。

海外旅行に慣れている方なら、他のヨーロッパの都市と同じように対策をしておけば良いですが、不安を感じる方は添乗員さんがいてくれるツアーに申し込むのが良いでしょう。

バルセロナの治安情報は、現地の日本国総領事館からも度々注意喚起のお知らせが届くほどです。特に地下鉄でのスリは頻繁に発生しているため、地下鉄に乗るときはカバンを前に抱え、周囲を警戒しておきましょう。

治安以外に言語の問題などもあります。いろいろと不安を感じて旅行を存分に楽しめないぐらいであれば、多少お金は高くついたとしても、旅行会社と相談したほうがよいこともあります。

まとめ:スペイン(バルセロナ)旅行の費用を計算して節約しよう

スペイン(バルセロナ)旅行に必要な費用について、現地の物価や節約情報を交えながら解説しましたが、節約する上で注意したいことは食費の部分です。

日本と比べて物価が多少安いスペインですが、先述の通り、外食費の平均は日本よりも高め。パエリアなど伝統的なスペイン料理を楽しむ日、スーパーでお惣菜を買ったりピンチョスバルで安くおさえたりする日と、上手に使い分けるのが節約のコツです。

また、個人手配のプロセスでおおよその予算が分かってきたら、パッケージツアー料金と比較するのもよいでしょう。リサーチにかかる時間や現地でのトラブル等を考えると、ツアーのほうが時間もお金も節約できるかもしれません。

費用だけでなく、手間や安全面も考えて計画し、スペイン(バルセロナ)の旅行を賢く楽しんでください!

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蓮池ヒロ

水陸写真家。風景・ポートレートなど様々な被写体の自然な姿を撮影している。現在は沖縄在住で、来年よりバルセロナを活動の拠点とする。過去にバルセロナとバレンシアに短期移住経験あり。

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