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スペインでもっともドライな白ワイン、マンサニージャ
シェリー酒(スペイン語ではヘレス)はスペイン産の白ワインだとご存知でしたか?
南部アンダルシア州の西にあるヘレス・デ・ラ・フロンテーラ、プエルト・デ・サンタ・マリア、そしてサンルーカル・デ・バラメダに囲まれた三角地帯で、パロミノ、ペドロ・ヒメネス、モスカテルの3種類の白ブドウを使ってつくられる強化ワインにのみ許された呼称がヘレスなのです。日本だとティオ・ぺぺが有名でしょうか。
シェリー酒の中でもっともライトでドライなものがマンサニージャ。パロミノ種のブドウを使い、サンルーカル・デ・バラメダでつくられています。なん でもサンルーカルの気温と湿度、そして海風が熟成に適しているとか。もともとスペイン語でマンサニージャと言うとカモミールティーを指しますが、カモミー ルティーを彷彿させる風味からその名前がついたという説があります。また、サンルーカルがグアダルキビール川の河口に位置するためかすかな塩味があるとも 言われますが、私はマンサニージャを飲んでもカモミールティー風味も塩味も感じません(苦笑)
<町のあちこちに飾られたマンサニージャの樽はサンルーカルのシンボル>
<町角を飾るタイル画もマンサニージャモチーフ>
サンルーカル・デ・バラメダにはイダルゴ・ラ・ヒターナ社やバルバディージョ社等の酒造メーカーのマンサニージャのボデガ(貯蔵熟成庫)があり、個人でも見学することが可能です。
私が春に訪れたのは高台にあるバルバディージョ社で、当日の朝泊まっていたホテルに予約を入れてもらい、3ユーロで1時間ほどのツアーに参加。最後は3種類のマンサニージャの試飲を楽しんできました。アンダルシアらしい白い建物と黒いオーク樽のコントラスト、そして湿気を多量に含んだひんやりとしたボデガ内の空気が印象的でした。スペイン語がわからなくても、雰囲気や試飲を楽しむだけでも参加する価値があると思います。
<イダルゴ社のボデガ>
マンサニージャは食前酒として飲まれることが多いですが、シンプルな魚介類によく合います。塩ゆでしたエビやカニ、白身魚やイカのフライ、桜エビのかき揚げなどなど。サンルーカル・デ・バラメダは魚介類が美味しくて有名な町なので、まさにこの町ならではのワインと言えますね。もちろんスペインが世界に誇るイベリコ豚の生ハムにもピッタリ。一番おいしく飲める温度は7~10度だそうですが、私はもっとキンキンに冷えたものが好きです。
ちなみに有名なセビージャの春祭りでメインに飲まれるのがこのマンサニージャ。マンサニージャをセブンアップで割ったレブヒートとともに、春祭りには欠かせない飲み物です。
※編集部註:本記事は2011年8月に公開しましたが、2021年8月に修正しています。
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