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香港~マカオ間に開通した世界一の海上橋「港珠澳(こうじゅおう)大橋」を渡ってきました
<トップ画像/提供:港珠澳大橋管理事務局>
これまでフェリーしかなかった香港~マカオ間の移動が、2018年10月に海上大橋でつながり、バスで行き来できるようになりました。
2019年5月、実際にバスで大橋を渡り、動線確認とメリットデメリットを視察してきましたのでレポートします。
目次
香港~マカオ間が橋でつながって便利になった!
日本からマカオに行く場合、マカオ航空の直行便で飛ぶという方法もありますが、これまでは香港からフェリーで渡るという方法が一般的でした。
それが2018年10月、香港~マカオ間の海が橋でつながりました。その橋の名前は港珠澳(こうじゅおう)大橋といい、海上橋としては世界一の長さ(全長55km)を誇ります。大橋は構想から30余年、総工費約1千億元(約1兆6千億円)かけて開通しました。これにより、香港~マカオ間はバスで約30~40分で往来できるようになりました。
2019年5月、私は実際にこの港珠澳大橋をバスで渡りました。大橋を渡る動線、メリット、デメリット、注意点を詳細にレポートします。皆さんがこの大橋を渡る時の参考にしていただけたら幸いです。※内容は2019年5月時点の情報です
<往路>香港空港からマカオ口岸までの流れ
香港空港から香港口岸まで公共バスに乗る
香港空港に到着し、香港の入国審査を受け、スーツケースを受け取って到着ホール(ターミナル1ビル5階)に出ます。そこから口岸(バスターミナル)までの移動は公共バスを使います。その乗り場は3階にありますので、エレベーターで3階まで下ります。
今回の流れの中で一番わかりにくく間違いやすいのがこの公共バスに乗るまでの部分です。案内表示も細心の注意が必要です。3階に下りて外に出るとバス乗り場が並んでいますので「B4」の「大橋香港口岸」行きを目指してください。香港空港から香港口岸までの所要時間は約7分。運賃は6香港ドル。(1香港ドルは約15円)
ここで要注意!
この「B4」公共バスの運賃は香港ドルしか使えません。さらにお釣りが出ません。そのため、このバスに乗る前に現金で6香港ドルを調達してください。この公共バスに乗る前に香港ドルに両替し、コンビニやキオスクなどで崩して小銭を準備しておきましょう。(また香港のICオクトパスカードも利用可能です。香港ドルをチャージして乗車してください。)
この2階建てバスが大橋香港口岸に行きます。
バス車内はこんな雰囲気です。このバスにスーツケースを持ちこんで乗車します。便数は比較的多く、循環バスなので乗れなければ次の便を待っていれば比較的早く次のバスがやって来ます。
ほどなく大橋香港口岸へ到着します。ここは香港空港から約2km冲に作られた人工島です。
大橋香港口岸での動き
でかっ!想像以上に大きな建物です。まるで空港みたいです。
この口岸からはマカオ(澳門)と中国の珠海へ行くバスが発着しています。ターミナル内部の様子はこんな感じです。
前方のカウンターは香港出境審査です。香港空港で香港に入国していますのでここで香港の出境手続きをします。
香港住民(緑)と外国からの訪問者(オレンジ)の通路があり、私たち日本人はオレンジの訪客(Visitor)の列に並びます。
ここではパスポートと香港出境カード(入国審査の時に取られたカーボンコピー(2枚目)を出します。出境審査は簡単に終わります。
香港出境を終えたら、まっすぐ進んでバスのチケットを買います。通路の左側に自動発券機、右側に有人のチケット販売カウンターがあります。
左側にある自動発券機は中国系電子マネーのみでの支払いになりますので、私たちは右側にある有人発券カウンターで購入します。運賃は65香港ドル(24:00~5:59は70香港ドル)65歳以上と12歳以下はパスポートを提示すると半額になります。支払は香港ドルかクレジットカードでも可能です。
コンビニ「サークルK」がありました。ここで私はお水を買いました。この右側にバス乗り場への通路があります。
マカオ=澳門ですね。
ビルを出てバス乗り場に向かいます。
マカオに行く私たちは左側のシャトルバス方向へ進みます。こちらが大橋を渡る高速バスです。
係のスタッフが誘導してくれるので動線は比較的わかりやすいです。スーツケースをトランクに入れてバスに乗り込みます。
バス車内はこんな感じです。
高速バスなので必ず着席しシートベルトを締めます。さあ、港珠澳大橋へいざ!
乗っている感覚は東京湾アクアライン(海ほたる)とそっくりです。大きな橋を渡るというよりは、海の上の高速道路を走っているという感覚です。途中海中トンネルをくぐるのも東京湾アクアラインと同じです。所要時間は約30~40分。
現在この大橋は指定登録車両しか走ることが出来ないため、道路は空いていて渋滞もなく快適に走ることができました。
マカオ(澳門)口岸に到着後の動き
澳門口岸(マカオ側のバスターミナル)に到着です。マカオ半島の沖合に作られた人工島で、こちらも大きな空港みたいです。
バスを降りてビルに入ったら入境/入境検査方向に進みます。
エスカレーターを2階に上がるとマカオ入境審査場です。
レーンは大きく2つあります。緑色の澳門居民(マカオ住民)と赤色の訪澳旅客(Visitor)で私たちは赤の訪澳旅客(Visitor)に進みます。その時の状況により係員が誘導する場合があり、その時はその指示に従って進めば大丈夫です。マカオ入境はパスポートを見せるだけでOKです。
入境大堂(Arrival Hall)と行李領取(Baggage Claim)があり、私たちはスーツケースと一緒に移動していますので、入境大堂方面に進みます。
ビルの外に出ると左側がマカオの街への公共バス乗り場です。右側に貸切バスの乗り降り場があります。今回は私たちは貸切のマイクロバスを利用しましたので右側に進みました。
マカオの公共バスは一律6パタカ(1パタカは約15円)です。バス以外にもタクシーもあり、運賃の目安はマカオ半島のホテル グランド・ラパまでの場合、約70パタカ程度(約1,050円)です。
<復路>マカオ(澳門)口岸~香港空港までの流れ
今度はマカオから香港への流れをご案内しましょう。こちらがマカオ(澳門)口岸です。とにかくでかいです。
マカオ(澳門)口岸での動き
マカオ(澳門)口岸ビルに入ります。
こちらにも自動発券機と有人の発券カウンターがありますが、支払いは中国ICカードのみのため、私たちは有人の発券カウンターでチケットを購入します。
こちらが有人のバスチケット発券カウンターです。
運賃は65香港ドル(又は65マカオパタカ)現金かクレジットカードで購入できます。
マカオからも香港と珠海に行く2方面ありますので、私たちは香港方面へ進みます。
こちらでマカオの出境検査を受けます。Visitorのレーンに並びパスポートを出すだけでOKです。
離境大堂(Departure Hall)へ進みます。
往香港口岸(香港バスターミナル行き)方面に進みます。
往路と同じく30~40分で香港口岸(バスターミナル)に到着します。
香港バスターミナルビルでの動き
香港口岸ビルに入ったら香港の入境審査を受けます。
ビルを入ったすぐの所の柱に香港の入境カードが置いてあるので記入します。
こちらが香港入境カードが置いてある柱です。確か右と左に2か所ありました。
パスポートと香港入境カードを出して審査を受け、税関をスルーで抜けます。
香港口岸で香港~日本の飛行機のチェックインを行う(フライト発の2時間半前まで)
上の写真で通路を歩き、表示板の下辺りに来たら右側に進みます。
香港~日本のフライト出発時間の2時間半前までなら、ここの香港口岸でチェックインとスーツケースを預けることができます。
こちらがフライトチェックインのカウンターで、7:00~22:00にオープンしているそうです。
自動チェックイン機もあり、最初はこちらでチェックインしようとしたのですが、システムエラーらしく上手くいきませんでした。そこで有人カウンターに移動し、無事チェックインできました。スーツケースも預けることができ、搭乗券も受け取れました。
香港バスターミナルビルを出て香港空港までの公共バスに乗ります。往路はスーツケースをガラガラ押しての移動で大変でしたが、復路はスーツケースを既に預けているので楽チンでした。
香港口岸から香港空港まで再び公共バスで移動
まっすぐ進んで往路と同じく「B4」の緑色のバスを探します。
こちらが香港口岸から香港空港までの公共バス乗り場です。
香港空港での動き
香港空港に到着しました。エレベーターで出発フロアに向かいます。
エレベーターは3階から乗って、出発フロアは7階で降ります。(到着フロアは5階)
エレベーターを降りたらブリッジを渡って出発フロアに進みます。
私たちは既に飛行機のチェックイン&スーツケースを預けてあるので、そのまま香港出国審査に進めばOKです。バスターミナルで飛行機のチェックインを終えていない場合、この出発フロアの航空会社カウンターでチェックインを行う必要があります。
港珠澳大橋での移動を体験しての感想
実際に大橋を渡る体験してみて「良い点」と「改善を期待したい点」がありました。(2019年5月時点)
良い点
フェリーよりも移動時間、待ち時間共にずいぶん早いと思います。大橋は指定車両のみ通行なので道路の混雑もまったく無し、出入境手続きもスムーズです。
香港空港に着いてからマカオのホテルまで、早ければ1時間~1時間半程度で着きます。そして運賃も65香港ドル(約975円)で150~200香港ドルするフェリーよりも安いです。
改善を期待したい点
香港空港から香港口岸(バスターミナル)の移動が完全に整備されておらず、煩雑でわかりにくいのが難点です。往路(香港→マカオ)はスーツケースを持って公共バスに乗るのは大変でした。また香港の出入境手続きをしなければならないのも大変です。この2点に関してはフェリーの方がシンプルで楽だと言えるでしょう。
ただこの不便な2点は改善を検討中で、いずれは荷物移動、出入境審査も簡素化される予定だそうです(いつになるかはわかりませんが)。この2点が改善されたら香港~マカオ間はバスで大橋を渡るのが圧倒的に快適に便利になることでしょう。
※視察日は2019年5月です。最新情報は公式サイト等でご確認することをおすすめします
(取材協力:マカオ政府観光局、キャセイパシフィック航空)
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シンジーノ
- 3人娘の父で、最近は山歩きにハマっているシンジーノです。私は「お客さまが”笑顔”で買いに来られる商品」を扱う仕事がしたいと思い、旅行会社に入って二十数年。今はその経験を元にできるだけ多くの人に旅の魅力を伝えたいと“たびこふれ”の編集局にいます。旅はカタチには残りませんが、生涯忘れられない宝物を心の中に残してくれます。このブログを通じて、人生を豊かに彩るパワーを秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきたいと思います。