チョコレートラバー必見!「サロン・デル・カカオ・イ・チョコラテ・ペルー 2019」開催!

世界有数のカカオ生産国ペルー。その首都リマで毎年開催されているのが、「Salón del Cacao y Chocolate Perú(サロン・デル・カカオ・イ・チョコラテ・ペルー)」です。スペイン語での表記は耳慣れないという方も、「サロン・デュ・ショコラ」とフランス語で聞けば、あっと思うはず。

「サロン・デュ・ショコラ」は、1955年にフランスのパリでスタートした世界最大級のチョコレートの祭典。「サロン・デル・カカオ・イ・チョコラテ」はその生産国版です。世界が注目する高品質なカカオを育む国だけに許された、名誉あるイベントというわけですね。

10回目を迎える今年は、7月11日(木)~14日(日)の予定。この時期リマに滞在する人にはぜひとも足を運んで頂きたい、ラテンアメリカ最大のチョコレート祭りです。

今回は、昨年行われたサロン・デル・カカオ・イ・チョコラテ・ペルーの様子をご紹介しましょう。

目次

カカオとチョコレートのすべてが分かる「Bosque Temático(テーマの森)」

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リマ市サン・ボルハ区のリマ・コンベンション・センターで開催されたサロン・デル・カカオ・イ・チョコラテ・ペルー 2018。昨年は、延べ1万8,000人以上ものチョコレート・ラバーたちが会場に足を運んだそうです。そのほとんどは生産者やショコラティエ、バイヤーなど業界関係者ですが、もちろん一般の人も参加できます。

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会場の「Bosque Temático(テーマの森)」と名付けられたエリアには、カカオやチョコレートに関するさまざまな展示が行われていました。何種類もあるカカオの苗木やカカオポッド(カカオの実)の紹介のほか、チョコレート製のドレスなどを展示。

ペルー国旗の紋章からヒントを得たものや世界遺産チャンチャン遺跡の模様を配したもの、ティティカカ湖の浮島ウロス島の人々を描いたものなど、どれもペルーらしいデザインで面白いですね。チョコレート・ドレスを身に付けたモデルによるパレードも行われたそうですよ。

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昨年はサッカー・ワールドカップの年だったこともあり、チョコレートで作ったペルー・サッカー・ナショナルチームの選手像の展示もありました。一番手前でほほ笑んでいるのは、リカルド・ガレカ監督です。

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子供連れに大人気なのが、「Choco-Kids(チョコ・キッズ)」のコーナー。自分でチョコレートを作るだけでなく、カカオの果肉であるカカオパルプの味見もできるんです。カカオをフルーツとして楽しめるなんて、まさに生産国ならではですね。

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学術的なパネルもありました。こちらでは植物としてのカカオの説明や、1753年にスウェーデン人カール・フォン・リンネがカカオの学名を「テオブロマ(神の食べ物)」と名付けたことなどが紹介されています。また最新の考古学調査によって、カカオの原産地はメキシコではなく、ペルーとエクアドルの国境に広がるアマゾン地域であるということが分かりました。エクアドル南部にある5500年前の遺跡と、ペルー北部にある5000年前の遺跡の双方からカカオが発見されたのです。

メキシコのオルメカ文明よりはるか2000年以上も前に、南米ではすでにカカオが食べられていたんですね。日本ではまだあまり知られていない情報なので、これはぜひ覚えておいてくださいね。

世界が注目するハイクオリティなビーン・トゥ・バー・チョコレートがずらり!

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メイン会場の入口で来客を迎えてくれたのは、チョコレートでできた赤、黒、黄色の小便小僧たち!昨年の招待国がベルギーだったことから、世界的に有名なあの像が登場したというわけです。このコーナーではベルギー産チョコレートのほか、ワッフルなどベルギーならではのスイーツも販売され、大勢の人で賑わっていました。

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「Bean to Bar(ビーン・トゥ・バー)」とはカカオ豆の仕入れからチョコレート製造までを一貫して行うこと。日本でもすでにお馴染みの言葉になりましたね。サロン・デル・カカオ・イ・チョコラテ・ペルーの魅力は、さまざまなビーン・トゥ・バー・チョコレートを試食できること。

特に、世界的なチョコレートの品評会「インターナショナル・チョコレート・アワード(ICA)」で賞を得たチョコレートを味わえるのですから、チョコレート好きにとってこんなチャンスはそうそうありません。ICAの世界大会でも金賞に輝くほど、ペルー産ビーン・トゥ・バー・チョコレートは高品質。それぞれのカカオが持つ個性をじっくり比べながら、試食していきましょう。

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私のお気に入りの1つ、「Maraná(マラナ)」。2015年から販売され始めた比較的後発のブランドながら、ICA常連という実力の持ち主です。アンデスエリアのクスコ、海岸エリアのピウラ、アマゾンエリアのサン・マルティンという3つの異なる地域で栽培されるペルー産カカオを使用しています。パッケージもおしゃれで、プレゼントにもぴったりです。

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サンマルティン州チャスタ村のチョコレート「Nina(ニーナ)」も秀逸。特にオススメなのはカカオニブ入りカカオ70%チョコレートで、2017年のICAアメリカ大会で金賞、2018年はペルー大会で銀賞に輝いています。

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ニーナ・ブランドではチョコレートのほか、カカオパルプで作ったお菓子や、カカオの親戚である「マカンボ」を使ったお菓子も売られていました。この「ゴミータス・デ・フゴ・デ・カカオ」は、カカオパルプの果汁で作ったお菓子。求肥と柚餅子をミックスさせたようなモチモチ感で、とても美味しかったですよ。

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父と娘で作るブランド「Alkimia(アルキミア)」も人気。クスコ、ピウラ、アマソナスのカカオを使用しています。パッケージが個性的でかわいいですよね。

またICA2017年世界大会で6つもの金メダルに輝いた「Shattell(シャテル)」や、日本でもその存在感が増している「Cacaosuyo(カカオスーヨ)」は、マストアイテム。もしビーン・トゥ・バー・チョコレートが初めてなら、この辺りからチャレンジしてみてはいかがでしょう。あなたを目くるめくカカオの世界へと誘ってくれますよ。

ペルー1のカカオ&チョコレートを選ぶインターナショナル・チョコレート・アワード(ICA)

サロン・デル・カカオ・イ・チョコラテ・ペルーの第一の目的は、ペルー産カカオで作られたチョコレートの国内消費を促進すること。アマゾン原産の植物としての遺伝的多様性やその価値を周知し、カカオをチョコレート以外のスイーツ全般や料理、医療、化粧品などさまざまな関連分野に広げながら、ペルーのカカオ生産者や関連企業を支援していきます。その大きなきっかけとなるのが、同時開催されるICA主催の「チョコレートコンクールペルー大会」と「ペルー産カカオコンクール」です。

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ICA審査委員長のマーティン・クリスティー氏と、ホワイトハウスにゲストシェフとして招かれた初のラテンアメリカ人女性であり、南米産カカオの発展に最も貢献しているというマリセル・プレジィラ氏。ペルー産カカオの稀に見る多様性と品質の高さ、その可能性について語ってくれました。

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審査の様子。世界各国から集まったチョコレートのスペシャリストたちが、黙々とチョコレートを試食・ジャッジしていきます。その数100種類以上、しかも一次二次と審査に受かったものをまた食べ比べて・・・チョコレートへの飽くなき情熱と使命感、強靭な胃の持ち主でないととてもこなせない激務です。

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ICAペルー大会の表彰式の様子。受賞者の名前が発表される度に、会場からは歓声と大きな拍手が沸き起こります。

この大会をステップに、世界へと羽ばたくペルーのビーン・トゥ・バー・チョコレートたち。そのうちのいくつかは、日本へも輸出されることでしょう。ペルー産カカオとチョコレート、これからも目が離せません。最新のビーン・トゥ・バー・チョコレートの世界を体験できるサロン・デル・カカオ・イ・チョコラテ・ペルーへぜひどうぞ!

Salón del Cacao y Chocolate Perú 2019

  • 開催期間:2019年7月11日(木)~14日(日)
  • 開催場所:Centro de Exposiciones Jockey
  • Av. Javier Prado Este cruce con carretera Panamericana Sur S/N, Surco
  • 公式サイト:salondelcacaoychocolate.pe
  • 入場料:5月現在未定(2018年参考価格/10ソレス)

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原田慶子

ペルー・リマ在住ライター。ペルーの観光情報からエコやグルメの話題などを幅広く執筆。ペルーに関する情報誌等の取材協力。

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