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ペルー第二の都市、世界遺産 の白い街「アレキパ」
ユネスコの世界文化遺産にも登録されているペルー南部の街「Arequipa(アレキパ)」。旧市街には近郊の火山から採取されたシジャールと呼ばれる白い石灰石を使った建造物が多く、その美しさから「Ciudad Blanca(白い街)」と呼ばれています。アレキパの標高は2300m。同じアンデスでもクスコやプーノより低く、高山病にかかりにくいのも魅力ですね。今回はペルー第二の都市アレキパをご紹介しましょう。
目次
- 世界遺産「アレキパ歴史地区」
- サンタ・カタリナ修道院
- 氷の美少女フアニータが眠る「アンデス聖地博物館」
- 最後は街を一望する展望台へ
- アレキパ名物「Queso helado(チーズアイス)」もお忘れなく!
世界遺産「アレキパ歴史地区」
旅のスタートは、アレキパ歴史地区の中心「Plaza de Armas(アルマス広場)」から。手入れの行き届いた植栽が美しいこの広場は、アレキパ市民の憩いの場所です。広場の北側には「Basílica Catedral de Arequipa(アレキパ大聖堂)」が、他の三方には連続する半円アーチが目を引く2階建ての建物が並んでいます。レストランや土産物店、スーパーマーケットのほか、この辺りには旅行代理店も集中しています。これからアンデス・コンドルを見に行こうとお考えの方は、散歩がてらアルマス広場に立ち寄ってみるといいでしょう。
続いて、アルマス広場から800mほど北の「Barrio de San Lazaro(サン・ラサロ地区)」へ。プエンテ・グラウ、ヘルサレン、フアン・デ・ラ・トーレという3つの通りに囲まれたこの地区は、1540年のアレキパ建都と同時に造られた市内で最も歴史のあるエリアです。古い家並と狭い路地が広がるサン・ラサロ地区は人や車の往来も少なく、まるで時が止まっているかのよう。初めてなのになぜか懐かしさを感じる・・・そんな郷愁を誘う風景をお楽しみください。
歴史を感じさせる美しいサン・ラサロ地区。思わずレンズを向けたくなるフォトジェニックな景色が広がります。
サンタ・カタリナ修道院
サン・ラサロ地区からアルマス広場方面へ戻る途中にあるのが、「Monasterio de Santa Catalina de Siena/シエナのサンタ・カタリナ修道院」。1579年に建てられたドミニコ会所属の女子修道院で、かつて自身の純潔を神にささげた敬虔な修道女たちが暮らしていました。
サンタ・カタリナ修道院も、アレキパ大聖堂やサン・ラサロ地区の建物と同じく白い石灰岩が使われています。院内の壁は白いままの部分と青やレンガ色などはっきりとした色に塗られているエリアに分かれ、それぞれのコントラストがとても印象的です。また通路には「コルドバ通り」や「トレド通り」など、外部の街同様に通りの名前が付けられ、ほんの少しの移動でも "どこかへ出かけたような気分" を味わえる気がしました。この閉ざされた空間で外界との繋がりを絶ち、一生を終える若き修道女たちの精神をバランス良く保つため、こうした工夫が必要だったのではと思うのですが、皆さんはいかがでしょうか?
カトリックの中でも特に清貧を重んじたというドミニコ会。サンタ・カタリナ修道院の台所もとても質素です。
氷の美少女フアニータが眠る「アンデス聖地博物館」
サンタ・カタリナ修道院を出て右手へ進み、アルマス広場を越えた次のブロックには、「Museo Santuarios Andinos - UCSM(アンデス聖地博物館)」があります。ここでは、1995年9月にアンパト山の山頂付近で発見された少女のミイラ「フアニータ」や、その副葬品などが展示されています。
館内は写真撮影禁止なので、現地で購入したハガキをご紹介。フアニータと名付けられたこのミイラは、推定年齢12~14歳。発見当時、手や指、爪、眼球までもがきれいに残っていたことから、一躍有名になりました。山の神アプへの捧げものとして生贄にされた少女を一目見ようと、多くの観光客がこの博物館を訪れます。
最後は街を一望する展望台へ
美しいアレキパ歴史地区を散策した後は、街の西側を流れるチリ川を渡って「distrito de Yanahuara(ヤナワラ地区)」へ。近代的な建物と石灰岩を使った白い歴史的建造物がともに並ぶ、静かな住宅街です。このエリアの高台にあるのが、「Mirador de Yanahuara(ヤナワラ展望台)」。ここからは、ペルー在留邦人に「アレキパ富士」の名で親しまれているミスティ山と、麓のアレキパ市街を眺めることができます。
アレキパ名物「Queso helado(チーズアイス)」もお忘れなく!
チーズアイスといってもチーズから作るのではなく、フレッシュミルクとコンデンスミルク、ココナツミルク(もしくはすり下ろしたココナツ)をメインにしたミルク味のアイスです。氷の上に素材を入れたボウルを置き、それをくるくると回しながら冷やしつつ固めるのが伝統的な作り方。ふわっとした口当たりが、乾燥したアレキパの気候にぴったりです。展望台の近くで実演販売しているので、ぜひお試しくださいね。
■Arequipa/アレキパ
リマから飛行機で1時間30分
リマから長距離バスで16時間前後
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原田慶子
- ペルー・リマ在住ライター。ペルーの観光情報からエコやグルメの話題などを幅広く執筆。ペルーに関する情報誌等の取材協力。