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【和歌山県】那智の滝&熊野那智大社の見どころを徹底解説
山、滝、森などの自然に囲まれた神秘的な信仰の地「那智」は、日本の始まりにも大きく関わりのある深い歴史を持つ和歌山県の名所です。「那智の滝」「熊野那智大社」をはじめとする見どころを通して、那智の魅力をお伝えします。
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- 1. 熊野那智大社のご神体「那智の滝」とは?
- 2. 世界遺産・紀伊山地の霊場と参詣道の構成遺産「熊野那智大社」とは?
- 3. 熊野那智大社へのアクセス方法とその見どころ
- 4. 熊野那智大社に隣接する「那智山青岸渡寺」の見どころ
- 5. 「那智の滝」へのアクセス方法と見どころ
- 6. 「那智原始林」の見どころ
- 7. 「那智の滝」及び「熊野那智大社」の基本情報
1. 熊野那智大社のご神体「那智の滝」とは?
観光地として多くの人が訪れる「那智の滝」ですが、那智の滝自体が崇拝される対象であるということは、あまり知られていません。そもそも那智の滝は熊野三山(くまのさんざん)の一つ、熊野那智大社に祀られたご神体。熊野三山とは熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)、熊野那智大社、熊野本宮大社の三社を総称した呼び名です。
那智の滝が熊野那智大社のご神体であるように、熊野速玉大社は神倉山にあるゴトビキ岩、熊野本宮は周囲の川や川洲を御神体としており、滝・岩・川がそれぞれの神として祀られています。
速玉は過去、那智は現在、本宮は未来を表すと言われていて、過去を癒し、現在の恐れや不安をなくし、未来の喜びを創造する。それが熊野三山という場所なのです。
熊野は森が深く、古くから「いにしえの地」と呼ばれ、亡くなった先祖が宿る場所と考えられています。そこに行って戻ってくることは「再生」を意味し、これまでの罪や穢れ(けがれ)を落として生まれ変わることができると信じられているのです。
2. 世界遺産・紀伊山地の霊場と参詣道の構成遺産「熊野那智大社」とは?
那智の滝及び熊野那智大社は、ユネスコの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成遺産に指定されました。今では日本全国からの参拝客で賑わうとともに、世界各国からの観光客も訪れる場所となっています。
熊野那智大社の主祭神は熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)。夫須美は「結び」を意味することから、多くの人がご縁や願いを「結ぶ場所」として参拝しています。また、熊野那智大社の別宮として那智の滝を祀る「飛瀧神社」もあります。
熊野那智大社は仏教における「観音信仰」の聖地でもありました。インドの僧・裸形上人(らぎょうしょうにん)が那智の滝で修行を積み、草庵を作ったのがこの熊野那智大社の場所だったのです。今では「那智山青岸渡寺(なちさんせいがんとじ)」と呼ばれ、熊野那智大社の神社の隣に寺院として姿を留めています。
那智山青岸渡寺の赤い三重塔は美しく自然に映え、那智の滝を背後に写真を撮る人が後を絶たない有名な撮影スポットです。
3. 熊野那智大社へのアクセス方法とその見どころ
参道入口近くにある「那智山バス停」までは、那智駅からバスで約15分、480円です。熊野那智大社に行ってから那智の滝を回ると下り坂で疲労も少なく、短時間で回ることができます(熊野那智大社は那智の滝より標高が高い場所にあるため)。
逆に標高が低い場所にある「大門坂バス停」で降りた場合は上り坂。石段を上る本格的な熊野古道のコースを味わいたいという方は、大門坂から回るのもよいでしょう。
大門坂バス停からのルートも面白いですが、今回は初めて訪れる方にオススメの「那智山」ルートでご紹介していきます。
参道入口から急な石段を登っていくと、「那智詣」の迫力ある文字が目の前に飛び込んできます。
石段の左右には沢山のお土産屋が軒を連ねています。那智に来た記念のキーホルダー、書道などで使える那智黒硯(すずり)、アンティークな鉛筆削りなど、定番のお土産から風変りなものまで、様々な物品がずらり。お土産選びに夢中になって、石段を登る疲れも忘れてしまいます!
石段から後ろを振り返ると、那智の穏やかで深い山々が。まるで参拝に向かう人々を見守っているかのようです。
途中、観世音菩薩が祀られている場所にたどり着きます。ここまでくれば熊野那智大社へもあと少し。このお堂のすぐ右脇には庭が広がり、こちらからも山々の絶景が楽しめます。
大きな赤い鳥居をくぐると熊野那智大社の社殿はもうすぐそこ!高揚感を覚えます。
鳥居を入るとすぐ左側に手水舎、右側には児宮があり、授児安産や無事育成といったご利益があるのだとか。
もう一つ鳥居をくぐると、ついに熊野那智大社に到着です。社務所横からは、熊野那智大社の全容が眺められ、その神秘的で美しい姿に感動するでしょう。
熊野那智大社本殿は、2019年末までなら特別に案内してもらえます。興味のある方は2019年内に問合せしてみてください。
拝殿前にはお清めの護摩木(ごまぎ)があります。「護摩」とは、供物(くもつ)を焼くと同時に煩悩を焼く、ということを意味するそうです。
煩悩における三毒とは、貪欲、怒り、愚痴の3つ。人間の根本にある煩悩を焼き、決意を新たにして福が来ることを願うのです。
護摩が終わったら奥の拝殿へもお参りしましょう。
拝殿の左側には、御縣彦社(みあがたひこしゃ)があります。手前にあるのは、熊野の神様のおつかいである三本足のカラス・八咫烏(やたがらす)の像。こちらの八咫烏については、後ほど詳しく説明します。
そして、いよいよ最奥の第一殿から第五殿へ。とても神聖な空気に圧倒され、社殿の迫力に息をのみます。
その社殿が立ち並ぶ手前には「烏石」があります。ここでいう烏とは先ほどご説明した八咫烏のこと。
八咫烏は初代天皇・神武天皇が熊野の山を越える際、道案内役として活躍したカラスのことで、神武天皇が大和(今の奈良県)にたどりついたのを見届けると熊野の地に戻り、石となって休んだのがこの烏石と言われています。
神武天皇が大和にたどり着いたのちに日本を統一し、大和朝廷をつくったことを考えると、八咫烏や熊野という土地は「日本誕生」と深く関わっていると言えるでしょう。
見過ごしてしまいそうな一つの石でさえも、歴史的に大きな意味を持つ熊野の地。こうした一つ一つの物語が、熊野をより神秘的な場所にしています。
拝殿の正面から見て右側にはおみくじなどが売っている場所があります。普通のおみくじと日本一大きなおみくじという2種類のおみくじがあり、どちらも1回100円です。
日本一大きなおみくじは、長さ133cmの細長い柱状の箱を抱え、中にあるおみくじを引くというもの。旅の思い出に試してみるのも面白いでしょう。
おみくじが引ける場所の裏手には、「胎内くぐり」ができる場所があります。願い事を書いた護摩木を持って木の中をくぐれば、病気をせず、長生きができると言われています。
4. 熊野那智大社に隣接する「那智山青岸渡寺」の見どころ
熊野那智大社に並ぶようにして、那智山青岸渡寺(せいがんとじ)という寺院もあります。もともと熊野は日本古来の神道と、外来の仏教を1つの信仰として考える神仏習合の地として有名でしたが、後に明治政府の政策で那智大社と青岸渡寺に分離しました。
那智山青岸渡寺は、近畿二府四県と岐阜県にまたがる西国三十三箇所の第一番札所とされています。熊野詣が盛んになった12世紀後半、観音信仰の重要な拠点にもなりました。
那智山青岸渡寺は太くて美しい木の柱が魅力的。近くで見るととても迫力がありますので、ぜひ中に入ってみてください。
数分歩いたところには那智山青岸渡寺の三重塔があり、一層目に飛瀧権現と不動明王、二層目に尼子十勇士と阿弥陀如来像、三層目に千手観音菩薩が祀られています。
この塔の近くからは那智の滝も眺められるので、三重の塔とともに写真を撮るのもオススメです。
道なりに下っていくと、熊野古道らしい石段が続きます。周りはうっそうとした木立に包まれ、静かでおごそかな雰囲気の道が、那智の滝へと導いてくれます。
足がつらい方や転びやすいという方には杖の無料貸し出しも。杖を持っているだけで、信仰の道を歩く山伏の気分をちょっぴり味わえることもできそうです。
5. 「那智の滝」へのアクセス方法と見どころ
ここからがいよいよ那智の滝への最終ルートです。那智の滝がある飛瀧神社(ひろうじんじゃ)には鳥居はありますが、神殿がありません。前述の通り、「那智の滝」自体が御神体となっているため、滝に向かって参拝することになるのです。
石段には手すりがついていて、安心して降りることができます。
飛瀧神社の入口の鳥居から歩いて数分で、ついに那智の滝にたどり着きます。その鳥居の先に広がる大瀑布(だいばくふ)を目にした瞬間、自然の絶景に圧倒され、息を飲むでしょう。
那智の滝は高さが133m、滝壺の深さが10m。高さと水量が日本一の滝とされていて、茨城県の袋田の滝、栃木県の華厳の滝とともに、日本三大瀑布と言われています。
滝を正面に見た左手の方から、大きな滝に近づくことができます。入場料は大人300円、中学生以下は200円です。
滝への道の途中には「延命長寿のお瀧水」という水場があり、初穂料を100円納めることで、神聖なお水をいただくことができます。
少し登ったところにお滝の拝所があり、ものすごい迫力で水しぶきが上がる雄大な那智の滝を眺められます。
滝を見終わった後は順路通り進み、先ほどの鳥居のある場所に戻ってきます。ここでもお土産がたくさんあるのでぜひお立ち寄りください。
無病息災守、延命水守、交通安全守など、さまざまなお守りがあります。八咫烏のキーホルダーなども充実しているので、お土産として購入するのもよさそうです。
6. 「那智原始林」の見どころ
那智原始林は那智大滝の東側一帯に広がる約33.5haの森林で、「神域」として木の伐採が禁じられていたことから、原始林が残る貴重な場所。ここには二の滝、三の滝と呼ばれる滝があり、那智の滝の奥にも別の滝があります。そのため、那智の滝は「一の滝」と呼ばれることもあるそうです。
しかし、原始林及び、二の滝、三の滝にはいつでも訪れることができるわけではありません。通常は立ち入り禁止で、2月から5月までの時期に一部許可されます。行ってみたいという方は、旅行会社、熊野・那智ガイドの会、那智勝浦町観光協会などが「神秘ウォーク」というツアーを開催していますので、問い合わせてみてください。
7. 「那智の滝」及び「熊野那智大社」の基本情報
自然に囲まれ、エネルギーを目いっぱい感じられる神秘的な場所、熊野那智。自然に癒されることはもちろん、自分の中の感性が磨かれます。
大自然を満喫するとともに、古くからの信仰の地で自分の心に耳を傾け、これからの自分について考える機会をつくってみてはいかがでしょうか。かけがえのない素晴らしい時間を過ごすことができるでしょう。
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今スグ、GoToトラベルキャンペーンの最新を確認する「那智の滝」及び「熊野那智大社」の基本情報
■住所:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山1
■営業時間:8:00~15:30(正式参拝及び御祈祷が可能な時間)
■料金:入場無料(別途参入料や初穂料が必要な場所あり)
■駐車場:熊野那智大社駐車場30台(神社防災道路通行料800円が必要)
■定休日:年中無休
■車でのアクセス:大阪、または名古屋方面から紀勢自動車道等で那智勝浦町着(紀勢自動車道等から約4時間)
■電車のアクセス:JR紀伊勝浦駅、JR那智駅から路線バスで30分(バス停「那智山」「那智の滝前」)
■HP:http://kumanonachitaisha.or.jp/
【和歌山一口メモ】
那智の滝や熊野那智大社を含む熊野三山、およびそれらをつなぐ熊野古道は、古来、霊場として特別な場所でした。世界遺産となり、たくさんの観光客が訪れるようになりましたが、熊野の自然と史跡がおりなす風景は、古の日本の空気を伝えてくれます。あなたも、熊野古道を巡る旅に出かけてみませんか? 和歌山県には、海と温泉で知られる、南紀白浜もあります。下記に和歌山県のツアー情報をまとめてありますので、参考までにチェックしてみてください。
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●旅行日数:2~4日間
●ツアー費用:約22,000円~約628,000円
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稲村行真
- 伝統文化や古い街並みを専門に観光系のwebメディアでライターをしています。写真や絵などでアート作品も制作しています。自分の体験や経験をもとに、新しい視点やワクワクを届けられるように日々試行錯誤しています!