【トルコ】2018年はトロイ年!世界遺産「トロイ考古遺跡」を詳しくご紹介します

たびこふれ編集部のnishiurashiです。最近、徐々に日本人観光客も回復しつつあるトルコ。一時は度々テレビのニュースでも報じられることがありましたが、私が訪れた2018年5月のときは危ないと感じることは一度もなく、むしろ日本人にとても好意的なトルコの人々の温かさを肌で感じることが出来ました。

さて、そんなトルコですが、実は今年2018年はトロイ遺跡が世界遺産に登録されて20年ということで、今年一年を「トロイ年」とすることがトルコ文化観光省によって定められました。トルコを訪れた際の様子は下記記事に一通りまとめてありますが、2018年もまもなく終わろうとしているこのタイミングで、改めてトロイ遺跡について振り返ってみたいと思います。

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目次

世界遺産「トロイ考古遺跡」

トルコにある世界遺産は全部で18件(文化遺産:16件、複合遺産:2件)。最も最近登録されたものでは、2018年に登録された「ギョベクリ・テペ」という、トルコ南東部の遺跡があります。

冒頭でお伝えした通り、トロイ遺跡は1998年に世界遺産に登録され、トルコ国内では9番目の登録となりました。

2018年は「トロイ年」

1998年にトロイ遺跡が世界遺産に登録されましたので、2018年の今年は登録からちょうど20年となりました。そのため、トルコ文化観光省により、今年一年を「トロイ年」とすることが定められました。

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私がトロイ遺跡を訪れた際も、トロイ年をアピールするのぼりがたくさん並べられていました。

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<ツーリズムEXPOジャパン・トルコブースでのトロイの木馬ミニチュア>

また、今年の9月に東京で開催された旅行博覧会「ツーリズムEXPOジャパン」のトルコブースでもトロイの木馬のミニチュアが展示されており、国を挙げてトロイをPRしていることを実感しました。

さらには、トロイ遺跡のすぐそばにトロイ博物館もオープンし、今年一年でトロイの魅力がより世界に伝わったのではないかと思います。

トロイ遺跡ってどこにある?

トロイ遺跡は、トルコ北西部のチャナッカレ県にあります。

今回私は、トルコ第3の都市「イズミル」からエーゲ海沿いを北上する形でチャナッカレまで車で向かいました。道中色々と立ち寄りましたが、イズミルから寄り道せずに直接チャナッカレまで向かっても、車で5時間は掛かるかと思います。

イスタンブールからも車で来ることが出来ますが、所要時間は4時間以上は見ておいた方が良いでしょう。

トロイの木馬とは?

トロイ遺跡のことはよく分からなくても、「トロイの木馬」は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

トロイの木馬とは、古代ギリシャの詩人、ホメロスの英雄叙事詩『イリアス』に出てくる巨大な装置のこと。トロイ軍とギリシャ軍の10年に及ぶ戦争で用いられ、この中にギリシャ軍の兵士が隠れて敵を欺いたことで、トロイ軍が陥落したとされる。

<トルコ大使館 文化広報参事官室 提供資料より引用>

このようにトロイの木馬は、トロイ軍とギリシャ軍によるトロイア戦争の勝敗を決める、非常に重要な要素として語り継がれています。ただし、実在していたかどうかは分からないようですね。

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<トロイ遺跡にある木馬>

トロイ遺跡には大きなトロイの木馬があり、また、チャナッカレの港にも映画「トロイ」(2004年公開)で実際に使われた木馬のレプリカが設置されています。

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<チャナッカレの港にある木馬>

トロイ遺跡の歴史

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一般的に考えられているのとは異なり、トロイの考古遺跡は単に1つの古代都市遺跡ではありません。ここには、初期青銅器時代に遡る集落跡地が、1つの集落が衰退した後に、別の集落が築かれるようにして、少なくとも9つ興った形跡があります。

最初の集落は紀元前30世紀に興き、その戦略的位置から商業都市として栄えました。この遺跡の住民は、エーゲ海を渡り黒海へ向かうためにダーダネルス海峡(現在のチャナッカレ海峡)を超えてくる商船に海峡使用料を課していました。この広大な遺跡には、アナトリア文明と地中海文明の最初の接触の跡があり、考古学上極めて重要な遺跡となっています。

もちろん、トロイもヨーロッパの黎明期における文明の発展を知るのに極めて重要です。さらに、2000年以上も前にホメロスが長編叙事詩『イリアス』を書くために多大なる影響を及ぼしたこともあり、トロイは文化的にも重要な遺跡です。

<トルコ大使館 文化広報参事官室 提供資料より引用>

トロイの遺跡は、全部で9つの層(9つの時代の街)が形成されています。3500年もの間の街の繁栄と衰退の歴史が、この遺跡に刻み込まれています。今、自分が住んでいる街は数十年前、数百年前、数千年前はどうだったのか、、、想像を膨らませると歴史の勉強も楽しめそうですね。

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<シュリーマンが最も古い第1層まで掘ってしまったことから「シュリーマンの穴」と呼ばれる>

この伝説とされるトロイ戦争を信じ、この地で遺跡の発掘を行ったのがドイツ人の実業家、ハインリッヒ・シュリーマンだ。私財を投じ、長い時間をかけてついに遺跡を発掘した。その後は考古学者による発掘も相次ぎ、紀元前3000~400年頃まで、9層(9都市)に及び積み重なった都市の遺構が発見されている。

シュリーマンが掘り当てたのは第2市で、トロイ戦争よりはるか以前の時代だったという。だが、彼の発掘により、城壁や家屋、寺院、劇場などの遺跡が見つかり、トロイ戦争を記念して建てられたトロイの木馬は、この地を一大観光地として知らしめるに至る。

<トルコ大使館 文化広報参事官室 提供資料より引用>

このシュリーマンという実業家は、幼いころに読んだトロイアの話に猛烈に惹かれ、「自分がトロイアの遺跡を発掘してやる!」と、ものすごい熱量で発掘作業を進めたんだそうです(このシュリーマンが幼いころにトロイに惹かれたという話は後付けの話だという説もあるようですが)。

ただ、きっかけや理由はどうであれ、遺跡の発掘に人生をかけられるその姿勢と情熱は、とてもすごいなと感心してしまいます。

トロイ博物館がいよいよオープン

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<2018年5月訪問時のトロイ博物館の外観>

上述したトロイ博物館、実は私が訪れた今年の5月はまだまだ完成には程遠い状態でした。

それが今年の10月15日、ついにオープンしたようです!博物館を訪れることで、遺跡の観光もより楽しめると思いますよ。

魅力あふれるトルコに行ってみませんか?

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今回はトロイ遺跡に焦点を当ててご紹介しましたが、トルコにはトロイ遺跡以外にもたくさんの遺跡がある他、カッパドキアやパムッカレといった美しい自然風景もとても魅力的です。

ヨーロッパとアジアの文化が交じり合う、独特な魅力を持つ国トルコ。成田空港からトルコ航空の直行便も飛んでいますので、是非一度訪れてみてはいかがですか?

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たびこふれ編集部員。人生初の海外渡航先であるラスベガスに衝撃を受け、海外旅行が好きになりました。年末年始にロンドン一人旅をしてサッカー観戦したこと、ナスカの地上絵遊覧飛行前にビールを飲み、セスナ機内で激しく酔ったこと、九寨溝から成都まで訳あって2人の中国人と丸一日乗用車で移動したこと、どれも良い思い出です。

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