人類の時間はここから始まった!ウズベキスタン、ウルグ・ベク天文台に行ってみよう。

サマルカンド

青の都"サマルカンド"。360度を青に包まれた神秘的でロマンを感じるこの街。日本でもここ数年インスタグラムなどを通して人気になった街です。

目次

当時最高水準の天体観測

サマルカンドの中心地からタクシーで10分ほどの高台に1つの遺跡があります。その名を"ウルグ・ベク天文台"。

当時の君主であったウルグ・ベクにより建設されたこの天文台は、1420年頃に建設されたと言われています。自らも優れた天文学者であり数学者でもあったウルグ・ベクは、優秀な学術者たちを率い、この地で天体観測を行いました。数なんと50人以上!その甲斐あり、ここサマルカンドは当時最先端の学術都市として名を馳せていました。

ウルグベク天文台

この天文台では、1,000個以上の星の軌跡を観測していたという記録があります。天文台の遺跡は世界にいくつも存在していますが、ここは特別。なぜなら、このウルグ・ベク天文台は1年間を365日6時間10分8秒と計測した場所なのです。現在の最新技術を用いて計測する数字は、365日6時間10分9.6秒。ウルグ・ベク達が研究していたこの時代は1429年。今から約600年も前の出来事です。

パソコンもグーグルも、望遠鏡さえも無かったこの時代に、ウルグ・ベクや研究者たちはこの驚異的で正確さ極まりない数字を叩き出したのです!私はスマホもパソコンも持っていますが、こんな神業は絶対にできない自信があります。

時を超え蘇った天文台

遺跡は大きく2つに分けて観ることができます。1つは何といっても彼らが実際に使っていた六分儀。彼らがどうやって星を観測し365日を計算したのかが分かる跡を見ることができます。残念ながら大部分は破壊されてしまい、現存していませんが、地下部分はそのまま残っているのでしっかりと見ることができます。この六分儀を使用し、ウルグ・ベク達は天体観測を行いました。

六分儀とは、天体の高さを計測するもので、計測している天体が、時間の変化により、施設内に設置してあるどの窓から見えるかを記録することで、その軌跡を知ることができるというものです。彼らは太陽を計測することで、毎日正確な正午を知ることもできていました。その集大成が、1年間の計測です!

計測している全ての天体が、同じタイミングに同じ窓から同じ高さで見ることができるように戻ってくる(回っている)ということが分かり、そのタイミングこそが365日でした。まるでジェットコースターのような作りのこの六分儀は必見です。

六分儀

現存している六分儀の地下部分はここから見ることができます

六分儀 地下

ここからは博物館です。彼らがどのようにあの六分儀を使って星を観測したのか、どのような人材が集まっていたのか、ウルグ・ベクやウズベキスタンがどのように天体観測の道のりを歩んできたのかを知ることができます。 

ウルグベク博物館

ウルグベク博物館

ウルグベク博物館

ウルグベク博物館

ウルグ・ベクの死後、天文台は同じイスラム教徒によって破壊され、そこから400年もの間、この天文台は伝説上のものでした。しかし、ロシアの考古学者によって発見され、現代になり再び光を浴びることになりました。ガイド(英語)と一緒に回ることもできます。

最後に一言

今では当たり前に1年は365日で、その365日を基準に私たちは毎日を過ごし、イベントを楽しみ、年を重ね、来年はどんな1年にしようかな~と考えます。

その原点であるこのウルグ・ベク天文台で、サマルカンドの星空を見上げながらそんなことを考えるのもいいかもしれません。街の中心地のほど近くには、グリ・アミール霊廟というウルグ・ベクが眠る廟もあるのでぜひ立ち寄ってみてくださいね。

グリ アミール霊廟
<グリ・アミール霊廟>

ウズベキスタン

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まえてぃー

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