100%ペルー!世界で最も過酷なレース「ダカールラリー」2019

ダカールラリー

目次

ダカール史上初の一国単独開催

「パリ・ダカールラリー」がフランス~セネガル間で初めて開催されてから早や40年。その舞台が南米へ移り 、"パリ" の名が消えた後も、ダカールラリーは世界中のモータースポーツファンを魅了し続けています。2012年に初めて開催国の1つに選ばれたペルーは2013年と2018年にも門戸を開き、開催国としての経験を積んできました。そしてついに、ペルーの単独開催が決まったのです。ダカール史上初となる一国単独でのダカールラリーは、2019年1月6日から1月17日まで。今回はラリーの宿泊地となる各ビバークを紹介しながら、その魅力をお伝えしたいと思います。

2019年大会は約5000㎞、その7割が砂漠エリア

ダカールラリー2019 ペルー

2019年大会の総走行距離は5000キロ。ペルー、ボリビア、アルゼンチンの3か国で9000キロを走った2018年大会と比較するとずいぶん短くなりましたが、ルート上の厳しさはまったく変わりません。5000キロの約7割、3000キロが砂漠でのラリーとあって、相当過酷な戦いになることが予想されています。

エリアはリマ以南、10ステージで周回

ダカールラリー2019 リマ

★1月7日 第1ステージ/首都リマ(スタート)→ピスコ

世界遺産にも登録されているリマ旧市街セントロ地区を始め、見どころいっぱいのリマ。グルメの都としても知られており、特にリマ新市街にはグルメ御用達の有名レストランやバーが集中しています。執筆時点ではまだ情報はありませんが、例年通りなら大会前1~3日の間にダカールラリー恒例の「Dakar Village(ダカールビレッジ)」が開催されるはず。ラリー開始直前の興奮を肌で感じられるダカールファンには外せないイベントなので、今から要チェックですね。1月6日はリマで開会式。翌7日にリマをスタートし、一路ピスコへと向かいます。

ダカールラリー2019 ピスコの砂漠地帯

★1月8日 第2ステージ/ピスコ→サン・ファン・デ・マルコナ

ブドウの蒸留酒ピスコで有名なイカ州ピスコ。街の中心から南へ16~17キロほど下ったところには、"ペルーのリトル・ガラパゴス"の異名を持つバジェスタス島で有名なパラカスや、砂漠のオアシス・ワカチナもありますよ。さらさらの砂丘を満喫できるサンドバギーやサンドボードは若者に大人気のアクティビティ。しかしラリー参加者にとっては、そのさらさらの砂が曲者なんです。ペルー最難関の1つとされるピスコの砂漠地帯は、砂丘の起伏が激しい上に砂の粒子が細かく、スタックする可能性大。一度この魔の砂漠に捕まったら、抜け出すのは至難の業です。前大会でもリタイアが続出するなど、ピスコエリアは大混乱だったそう。方向感覚を狂わせる砂の海とどう戦うか、選手たちの力量が試される重要なステージです。

ペルー ナスカ地上絵

★1月9日 第3ステージ/サン・ファン・デ・マルコナ→アレキパ

イカ州の南端に位置する港町、サン・ファン・デ・マルコナ。ナスカにも近いので、ラリー観戦の前後にナスカの地上絵見学を楽しむという贅沢も可能ですね。このあたりも砂漠が広がっており、みな苦戦することが予想されています。

第4・第5ステージは2つのルートに分かれて実施

ペルー 世界遺産の街アレキパ

3日間のラリーを完走した参加者が次に集まるのは、"白い街"でお馴染みの世界遺産の街アレキパです。ペルー観光の重要拠点であり、郷土料理の美味しさでも有名。アレキパ北部にあるコルカ渓谷では、野生のコンドルを見学することもできますよ。アレキパ発の第4ステージは、車種別の2ルートが設定されています。

ペルー モヒネテと呼ばれる特殊な形状の屋根

★1月10日 第4ステージ/アレキパ→モケグア(モト、クワッド)

アレキパの南に接するモケグア州は、オリーブやレモン、ブドウなど果物の栽培が盛んな土地。お土産には特産のダマスコ(プラム)を漬け込んだ果実酒がオススメです。モケグアのもう1つの名物は、「モヒネテ」と呼ばれる特殊な形状の屋根。小窓が設置された台形の屋根は空気の通りがよく、天井裏はいつも涼しく保たれるのだとか。そのため室内の温度が一定になり、寒暖の差があるモケグアでも快適に過ごせるのだそうです。街を散策する時は、屋根の形にご注目くださいね。

ペルー 国境の街タクナ

★1月10日 第4ステージ/アレキパ→タクナ(アウト、カミオネタ、S×SまたはSSV)

ペルー最南端、国境の街タクナ。南米大陸を陸路で移動する旅行者にはお馴染みの街ですね。アレキパを出発したアウト(自動車)とカミオネタ(トラック)、2017年にアウト部門から独立したサイド・バイ・サイド・ビークルはモケグアの先にあるタクナまで走行。タクナ郊外に広がる荒地には、砂漠とはまた違った難しさが潜んでいるでしょう。

第5ステージ以降は以下の通り

・1月11日:第5ステージ/モケグア→アレキパ(モト、クワッド)、タクナ→アレキパ(アウト、カミオネタ、S×SまたはSSV)
・1月12日:休息日
・1月13日:第6ステージ/アレキパ→サンファン・デ・マルコナ
・1月14日:第7ステージ/サンファン・デ・マルコナ→サンファン・デ・マルコナ
・1月15日:第8ステージ/サンファン・デ・マルコナ→ピスコ
・1月16日:第9ステージ/ピスコ→ピスコ
・1月17日:第10ステージ/ピスコ→リマ(ゴール)

リマ、ピスコ、アレキパは一般の観光客にも人気のエリア。ダカールラリー開催前後はホテルが取りづらくなる可能性があるので、早めに手配してくださいね。史上初、100%ペルーのダカールラリー2019。どんなドラマが生まれるのか、今から楽しみです。

■ダカールラリー2019

・開催期間:2019年1月6日~17日
・公式HP:www.dakar.com

※この記事は2018年12月に公開したものです。2021年5月、一部のリンクを修正しました。

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原田慶子

ペルー・リマ在住ライター。ペルーの観光情報からエコやグルメの話題などを幅広く執筆。ペルーに関する情報誌等の取材協力。

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