ナポリ弁は世界遺産!ナポリっ子に混ざってディープな下町を体験してみよう

ナポリを訪れると、レストランやバールなどいたる所で聞こえてくるナポリ弁。現在では方言から世界遺産として認定され「ナポリ語」とされています。日本でも知られている有名なイタリアの歌も、実はナポリ語による民謡だった!と言うこともあるんですよ。

細かな意味は分からなくても、訪れる町の言葉や歴史を知ってから旅行すると、その地域がもっと身近になり、ぐっと面白くなります。この記事では、威勢のいいナポリ弁が飛び交う下町のレストランもあわせて紹介。

ナポリならではの言葉とグルメを知って、さらにディープなナポリ旅を楽しんでみましょう!

はじめに:数え切れないほど存在するイタリア方言。もちろんナポリにも方言があります。

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イタリアでは、標準語とされている「イタリア語」に加え、地域や村ごとに数え切れないほどの方言が存在します。イタリア人同士でも、お互いの方言だけで会話すると通じないことがあったり、山の頂上付近と麓の町でも言葉に違いがあったり、なんてこともあるほどです。

どうしてこのようになっているかと言うと、イタリア語のベースになったとされるトスカーナ方言に加えて北イタリア方言、中・南イタリア方言が存在し、さらに各地方でそれぞれの方言に分化した背景があります(※)。そのため、イタリアはロマンス語圏の中でも、特に方言が多い国として知られています。

※註:出典イタリア語検定協会-トスカーナ方言と中・南イタリア方言

世界遺産になった"ナポリの言葉"

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2014年に、方言ではなくナポリ語として世界遺産に認定された「ナポリの言葉(以下、ナポリ語)」。ナポリ語はナポリが位置するカンパニア州や、バジリカータ州から中部のアブルッツォやマルケ州など、話されている地域は広範囲に渡ります。

古くから湾岸都市であったナポリは、かつてギリシャの支配を受けていたことから、ギリシャ語が使用されていた時期もあり、ギリシャ語の影響を受けているとも言われています。そして、イタリア統一と共に「イタリア語」が標準語になってからも、ナポリの言葉はナポリの人々に守られ現在も生きている言葉なのです。

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イタリア語とナポリの言葉では、同じ単語でも全く違う単語になっていたり、発音やイントネーションが違ったりするものがあります。そのためナポリ語を話す人と標準のイタリア語を話す人の間でさえ、会話が成り立たないこともあるほど。

私自身も、全編ナポリ語で話される映画にイタリア語字幕がついており、イタリア人がイタリア語の字幕を追っているのを見て驚いたことがあります。

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実はナポリ語で歌われている、イタリアの民謡

ナポリの言葉は、「カンツォーネ・ナポレターノ(canzone napoletano)」と言われるナポリ民謡を通して、広く世界に知られています。

ナポリ語またはナポリ弁と言われてもピンとこない方も、「オー・ソレ・ミオ('O Sole Mio)」や「フニクラ・フニクラ(Funiculì Funiculà)」などの曲名ならご存知ではないでしょうか?実はこれらの歌は、ナポリ語で歌われる、れっきとしたナポリ民謡なんです。

意味は分からなくても自然と耳に残るリズムとフレーズは、ナポリ語の発音のおかげ。例えば「オー・ソレ・ミオ」で歌われている「オー」とは感嘆詞ではなく、イタリア語の「イル(il)」がナポリ語の発音「オー」となったものです。

イタリア語の文法だとイル・ソーレ・ミオ、ナポリ語だとオー・ソレ・ミオ。小さな違いにみえますが、実際に歌ってみるとインパクトが全然違いますね。

ナポリ語が飛び交う、下町のトラットリア「ネンネッラ」

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ここからは、実際にナポリ語が飛び交い、下町の熱気を感じられるおすすめのトラットリア(レストラン)をご紹介しましょう。

1949年創業、ナポリっ子御用達の地元密着型トラットリア「ネンネッラ(Nennella)」。ここでは"ザ・ナポリの家庭料理"が食べられます。この店ではスタッフがとにかく元気。大声で冗談を交わしたり、時にはお客さんをからかったりお喋りをしたり......と、日本のレストランでは想像できないほど賑やかです。

そして、この店で話されているのは主にナポリ語。イタリア語や英語も通じますが、ここではナポリ語が公用語のようになっています。飛び交うナポリ弁や下町独特の賑やかな雰囲気が人気で、今では世界的にも知られるようなお店になり、日本人を含めた他国の人々も見かけることが多くなりました。

初めて行くとびっくりしてしまうかもしれませんが、ナポリリピーターの方や下町の雰囲気が好きな方にはおすすめ。食事だけではなく、ナポリの雰囲気を直に体感できる面白い経験になりますよ。

ナポリマンマの味「パスタ・ミスタ」

引用:Nennella公式Facebookページより

ネンネッラのメニューはプリモ(サラダやパスタなど)、セコンド(肉・魚など)、付け合わせ、フルーツとなっています。

その中でもナポリのマンマの味として知られているのが、「パスタ・ミスタ(Pasta mista)」。いろいろな形状のパスタが混ざったミックスパスタのことで、ちょっとずつ残ってしまったパスタを残らず使いきるために生まれた、マンマの知恵が生んだ家庭料理。ポテトや豆と一緒にコトコト煮込まれたパスタは、ほっこり暖まるマンマの味です。

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ナポリ独特のものでしたが、今では「パスタ・ミスタ」としてスーパー等でも売られています。日本ではあまり見かけないパスタなので、ナポリ土産にもおすすめ!

基本情報

店名:トラットリア・ダ・ネンネッラ(Trattoria Da Nennella)
住所:05, Lungo Teatro Nuovo - 80100 Napoli (NA) - Italia
公式サイト:https://www.trattoriadanennella.it/

言葉や食を通じて、さらにディープなナポリ旅を楽しもう!

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言葉や歴史、どんな家庭料理が食べられているのかなど、その土地独特の文化や雰囲気を体験してみると、旅はより一層楽しく充実したものになるはず。ローカルな雰囲気の場所に集う地元っ子に混ざって、よりディープな"ナポリ"を楽しんでみてくださいね!

写真:La luce del Sud

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人々の生活スタイルや風景に魅せられ、イタリアへ。現在は南イタリア・アマルフィ海岸にある小さな町に住んでいます。個人旅行のアテンド・各種視察のコーディネートや通訳をしています。

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