豊かな自然の中で動物たちと触れ合おう!ペルー北部カハマルカのポルコン農場ツアー

以前たびこふれでご紹介した、ペルー北部アンデスの街「Cajamarca(カハマルカ)」。歴史あふれる街並みやインカの温泉が有名ですが、郊外にもオススメしたい見どころがたくさんあります。なかでも子ども連れや動物好きな方にぴったりなのが、「Granja Porcón(ポルコン農場)」を訪問するツアー。カハマルカの中心部から北西へ約30km、標高3,100mに広がる緑豊かな農場です。

>「Cajamarca(カハマルカ)」を紹介した記事はこちらから!

農場訪問の前にちょっと寄り道

ポルコン農場ツアーは、カハマルカ市内の旅行代理店ならどこでも扱っている定番コース。午前9時半出発で午後2時半ごろ市内に戻る半日ツアーと終日ツアーがありますが、今回は半日ツアーに参加してみました。

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市内を出たツアーバスは、まず街道沿いにある「Huambocancha(ウァンボカンチャ) 」という村に立ち寄ります。ここには大理石や花崗岩を使った石彫工房と土産物店がずらり。工房の庭先には石造りの噴水や灯篭のほか、インカの戦士像やちょっとエロティックな人魚像など観光客が喜びそうな石彫が並んでいました。

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土産物店では、アラバスターやオニキスを使った動物やキリスト像、小物入れなどさまざまな置物が売られています。小さいものは5~10ソレス(約170~340円)と値段も手ごろ。また南米最大の金鉱山ヤナコチャが近いことから、トラックやブルドーザー、パワーショベルなどの模型もありました。

リャマに乗ったり、動物にエサをあげたり!ポルコン農場散策

カハマルカを出てから1時間半ほどで、ツアーバスは目的のポルコン農場に到着します。ポルコン農場の運営母体は「Cooperativa Agraria Atahualpa Jerusalén (アタワルパ・ヘルサレン農業共同組合)」というプロテスタントのグループで、1万2,800ヘクタールもの広大な土地に数種類の杉を植林し、木材として全国に卸しています。畑ではジャガイモを始めとする野菜を栽培、搾りたての牛乳でチーズやバターを作り、川の水を利用してトゥルーチャ(マス)を養殖するなど、自給自足に近い生活を営むポルコンの人々。敷地内には組合員の住居や教会だけでなく、子どもたちのための幼稚園と小中学校まであるんですよ。またホテルやレストランもあり、自然を活かした体験型観光にも力を入れています。ポルコン農場は林業、農業、酪農、そして観光業を見事に組み合わせたエコツーリズムの成功例として国内では有名なんです。

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ツアーバスから眺めたポルコン農場。標高3,000mを越えているとは思えないほど、緑が豊かですね。杉が遠くの山々まできれいに植林されています。協同組合の主要な収入源である森林資源を絶やさないよう、ポルコン農場では杉を1本伐採したら苗を2本植えるよう徹底しているのだとか。また森の副産物であるキノコもポルコン農場の名物になっていて、敷地内のレストランではキノコのセビーチェやスープを味わうことができます。

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バスを降り、ほかの観光客と一緒に農場内の動物園へ向かいます。入り口近くにボデガ(食品雑貨店)があるので、動物に餌をやりたい人はここでフルーツを購入していきましょう。農場のアルパカや羊の毛を使った、織物やバッグも売られていました。機織りの実演も見ることができますよ。

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動物園に向かう途中でビクーニャを発見!細い肢体と胸元のふさふさとした毛が特徴の、とても美しい動物です。警戒心の強いビクーニャに近づくのは至難の業ですが、人間が危害を加えないことを知っているポルコン農場のビクーニャたちは、その姿に怯えることなくのんびりしています。

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大好きなリンゴをおねだりするシカ。ポルコン農場の動物園では、シカ、アンデス狐、ワシ、コンドル、サル、ダチョウ、エミュー、メガネグマ、リス、ビスカチャ、ライオン、ピューマ、オトロンゴなどたくさんの動物が飼育されています。シカやダチョウ、エミュー、メガネグマにはフルーツなら与えていいと言われたので、先ほどご紹介したボデガで多めに買っておくといいでしょう。特にここのメガネグマはマンゴーが大好物で、器用に皮をむきながらおいしそうに食べる姿はとても可愛いですよ。

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"リャマと一緒に記念撮影"はペルー各地で見かけますが、"リャマに乗って"というのはちょっと珍しいサービス(料金は1ソル)。というのも、身体の大きな馬とは違い、リャマはせいぜい35~40kgの重さにしか耐えられないからです。子どもならまだしも大人は無理・・・・・・と心配しましたが、よく見ると後ろにはちゃんと足場が置かれていて、観光客は自分の体重を片足で支えるようになっていました。とはいえ、リャマにとってはやはり重労働なのでしょう。このリャマの「お願いだからさっさと撮ってくれ!」と言わんばかりの表情がたまりません。

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東屋で雨宿りをする百獣の王ライオン。サバンナに暮らす動物がアンデスの山奥にいるというのも、なんだか不思議な気がしますね。

最後にポルコン農場産のチーズや、茹でジャガイモなどが安価で試食できる食堂にも立ち寄りますが、この日は時間が足りずゆっくりできませんでした。半日ツアーには昼食時間が含まれていないので、パンやビスケットなどを持参したほうがいいかもしれません。(午後3時半発の他のツアーに参加する人のために、急いで市内に戻るというスケジュールなのだそうです)今回はポルコン農場自慢の料理を味わうことができなかったので、次回はぜひ終日ツアーに参加したいと思いました。


★Tour Granja Porcón/ポルコン農場半日ツアー★
ツアー料金:S/25(送迎、ガイド、ポルコン農場入場料込み/市内各旅行代理店で取り扱い)
ツアー時間:9:30~14:30

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原田慶子

ペルー・リマ在住ライター。ペルーの観光情報からエコやグルメの話題などを幅広く執筆。ペルーに関する情報誌等の取材協力。

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