南米最古の大聖堂 リマのカテドラル

リマの大聖堂「Catedral (カテドラル)」。
世界遺産であるリマ旧市街・歴史地区の中心に佇むこの美しい建造物は、南米大陸最古の大聖堂です。
インカ帝国を滅ぼしたスペイン人侵略者フランシスコ・ピサロが、
植民地支配を本格始動するその拠点としてリマを建都したのが1535年。
同時に、カトリック布教の中心となるカテドラルの建設も開始しました。
現在カテドラルがそびえ建つこの場所は、インカ皇帝シンチ・ロカの子孫にあたる
シンチ・プマという王子の宮殿があった場所だったと言われています。
1540年3月11日、すでに完成していたその教会に初めて聖体が安置されました。
ペルーで最も重要な教会が献堂された日です。

PE_20140115_01.JPG



アルマス広場の東側に位置するリマのカテドラル。
その正面に植えられたヤシの木が、いかにも南米らしい雰囲気を醸し出していますね。


しかし、献堂式が行われた時点では、現在の威風堂々たる姿からは想像もできないほど
小規模で簡素な教会であったと言われています。
もちろん、リマ自体も現在とは比べ物にならないほど小さかったでしょうから、
市民にはそんなに違和感はなかったかもしれませんね。
1541年に法王パウロ三世によって大勅書が発せられたことを期に、カテドラルの本格的な増築が始まりました。
その後幾度となくリマを襲った大地震のたびに修復を重ねているため、
バロックやロココ、ゴシック、ネオクラシックなど、様々な建築様式が折衷されています。

PE_20140115_02.JPG



身廊(主祭壇に続く主要な廊下)から見あげた高い天井。
ゴシック建築のリブ・ヴォールト天井を採用し、星々がきらめく天空を再現しているのだとか。
聖堂の両側には、「Capilla (カピージャ)」と呼ばれる礼拝堂が並んでいます。

PE_20140115_03.JPG



こちらは「Capilla de San Juan Bautista (洗礼者ヨハネの礼拝堂)」。
上段にあるのが洗礼者ヨハネの像、その足元の四角い絵には、
ヨルダン川でヨハネがキリストに洗礼を授ける様子が描かれています。
その下、礼拝堂の中央には貼り付けのキリスト像があり、一番下には
領主に打ち首にされたヨハネの首とその弟子たちの像が置かれています。
それぞれのカピージャには注釈があるのですが、いかんせんスペイン語だけなのが残念なところ。
しかしカテドラルには英語ガイドサービスもあるので、興味のある方は依頼してみてはいかがでしょうか?

PE_20140115_04.JPG



正面に向かって右側一番手前にある納骨堂には、
1541年6月に暗殺されたピサロの棺があります。

PE_20140115_05.JPG

扉の上の2階部分には、1855年に製造されたパイプオルガンが置かれています。
修復を重ねながら近年まで使用されてきたというこのオルガン、
そのパイプの数は2000本以上もあるのだとか。
どんな旋律が奏でられていたのでしょうか。

PE_20140115_06.JPG



主祭壇の地下に造られた小さなカタコンベ。
ここには初代のリマ大司教ロアイサを始めとする歴代の司教が眠っています。

PE_20140115_07.JPG

奥には宗教芸術博物館が併設されています。
当時に描かれた宗教画や金糸銀糸を縫い留めた豪華なマント、
燭台やさまざまな彫刻を見学することができます。


カピージャの一つひとつは荘厳で重々しい造りですが、聖堂内全体は白を基調としておりとてもシンプル。
そのため威圧感や圧迫感もなく、ここにいるだけで気持ちが落ち着いてきます。
アルマス広場から外観を眺めるだけで立ち去る人が多いようですが、
カテドラル内に流れる穏やかでゆったりとした時間をぜひご堪能ください。


★La Basílica Catedral de Lima/リマの大聖堂★
住所:Jr. Carabaya cuadra 2 s/n, Lima
見学時間:月~金/9:00~17:00、土/10:00~13:00
入場料:10ソレス(約370円)



ペルー」に興味わいてきた?あなたにおすすめの『ペルー』旅行はこちら

※外部サイトに遷移します

Related postこの記事に関連する記事

Rankingペルー記事ランキング

ランキングをもっと見る

この記事に関連するエリア

この記事に関連するタグ

プロフィール画像

原田慶子

ペルー・リマ在住ライター。ペルーの観光情報からエコやグルメの話題などを幅広く執筆。ペルーに関する情報誌等の取材協力。

Pick upピックアップ特集

全国の動物園&水族館 徹底取材レポート特集!デートや家族のおでかけなど是非参考にしてみてください♪

特集をもっと見る

たびこふれメールマガジン「たびとどけ」
たびこふれサロン

たびこふれ公式アカウント
旬な情報を更新中!