公開日:
最終更新日:
イギリスのコンビニって?
スーパーマーケットに続き、今回はイギリスのコンビニについてご紹介します。
・・・と、書き出してはみたものの、まずは最初にぶち当たる壁が!
そもそもイギリスには、日本人にとっての「コンビニ」にそのまま相当するものがないのです。
日本のコンビニの形態に一番近いのは、大手スーパーマーケットの小規模店でしょう。
たとえば、老舗スーパー「マークス・アンド・スペンサー」が展開する「M&S Simply Food」。
ロンドンの鉄道主要駅の構内には必ずと言っていいほど、最低1店舗は見つけることができます。
その名のとおり、ほぼ食品が主体で、ランチやスナック、飲み物類に加え、
日常の調理に必要なひととおりの食材や調味料、そしてアルコール製品も揃っています。
店舗の大きさにもよりけりですが、トイレットペーパーや洗剤といった生活雑貨類も
ある程度は入手可能です。これはM&Sだけではなく、どこのチェーン店でも同様です。
セインズベリーズの「コンビニ」版は、「Sainsbury's Local」。
スーパーマーケットの小型店は、大型店と同じロゴや色づかいなのはもちろん、
ロイヤリティ・カード(ポイント・カード)も同じように使うことができます。
また、上の写真にもあるように、多くの店舗で手数料無料のATMが設置されています。
ただし、日本と違ってATMがあるのは通常は店の外側。
残念ながら、24時間営業の「コンビニ」はあまりこちらにはないのですが、
ATMだけは24時間、年中無休、手数料無しで利用することができます。
とはいえ、ATMがOut of service(故障中)なのも日常茶飯事ではありますが・・・。
少しお店の中も覗いてみましょう。
こちらはコンビニとスーパーの中間というか、微妙な規模の店舗が多い、
The Co-operative Food(Co-op、生協)の店内。
日本のお弁当に相当する感じで、サンドイッチや手軽に食べられるパスタ、
朝食用のシリアル入りヨーグルトなどのアイテムが充実しています。
ランチ割引として、「メイン、ドリンク、スナックの3種類をそれぞれ
セット対象のアイテムから選んで組み合わせれば合計3ポンド以内」、
などのサービスを行っている「コンビニ」が多く、意外とお得なランチが楽しめます。
また、ある程度の大きさがある店舗では、通常、雑誌や新聞のコーナーもあります。
ちなみに、昔ながらのスタイルで新聞や雑誌をメインに扱いながら、
ちょっとした食材や雑貨、たばこなどを販売する「ニュースエージェント(newsagent)」、
そして主に住宅街で、その名のとおり通りの角っこに見かけることの多い
「コーナーショップ(corner shop)」も、コンビニの一種と考えられています。
今やスーパーの小型店に押されて影の薄い存在になってしまったものの、
イギリスでコンビニエンス・ストアといえば、この手のローカルな店舗をまず思い浮かべる人も
現地の人の中では多いかもしれません。
さて、スーパー系コンビニに話を戻すと、
やはり最近ではベーカリー設備が店舗内にあるのが当然、という風潮になっています。
朝などは焼きたてのクロワッサンが購入できたりして、結構嬉しいサービスです。
そして最後にご紹介するのは、スーパーの王者、テスコのコンビニ、「Tesco express」。
こちらはトラファルガー広場の目の前にある店舗で、貴重な24時間営業のお店!
とても狭くて品数もあまり多くはないのですが、アクセス的には便利です。
アクセスという点でいえば、もし車でお出かけされる機会があれば、
ガソリンスタンドでもこうしたスーパー小型店版コンビニを目撃できることが多いはずです。
また最近では、そうしたガソリンスタンドに併設されている店舗を中心に、
大手カフェチェーンのCosta(コスタ)と提携し、「Costaのコーヒー」が買える機械を
設置しているスーパー系コンビニも結構見かけるようになりました。
日本のコンビニには遠く及ばないとはいえ、ゆっくりと進化しているイギリスの「コンビニ」。
ロンドンの街中でこうしたスーパー系コンビニを使ってみたくなったら、
この近くにコンビニはある?(Is there a convenience store around here?)ではなく、
この近くにsupermarketはある?と聞いてみましょう。
「Tesco expressかSainsbury's Local、M&Sの小さい店ならXXにあるよ」、
といった感じで、心優しい通行人の人がお店の名前を特定して答えてくれると思います。
Rankingイギリス記事ランキング
-
ハル・リーチ
- 音楽、映画・演劇・TV、サッカーなど、UKカルチャーをこよなく愛す。2001年よりロンドン在住。以来、会社員&ものかき業を継続中。