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リマで一番のクロワッサンをどうぞ♪「小さなフランス」を体験できるパン屋さん"ラ・プティット・フランス"
ペルー人はパンが大好き。そのくせパンの種類は意外と少なく、街角のパン屋とスーパーのパンコーナーの品揃えがほとんど変わらないという、ちょっと不思議な現象が起こっています。ラテンアメリカ一のグルメ国家といわれながらパンに関して保守的なのは、バターやジャムをたっぷり塗ったり、サンドイッチにして食べることが多く、パンそのものに強烈な個性を求めていないからかもしれません。
一方リマでは毎年海外フランス人協会主催のパン祭りが開催されるようになり、人々の舌はどんどん肥えてきています。「イベントだけじゃなく、バターたっぷりのサクサク・クロワッサンや香ばしいバゲットを、いつでも好きな時に食べたいなぁ・・・」そんなリマのパン好きたちを虜にしたのが、「La p'tite France(ラ・プティット・フランス)」。フランス人がオーナーの、まさに「小さなフランス」を体験できるパン屋さんです。
リマの下町に現れた小さなフランス
2015年にオープンし、現在は市内に3店舗を展開するラ・プティット・フランス。このお店を一躍有名にしたのは、なんといってもクロワッサン!ラ・プティット・フランスのパンは、フランスを代表するパン職人アンリ・ポッチのレシピを忠実に再現したもの。彼は2000年にMOF(フランス国家最優秀職人章)を受賞した、フランス最高峰のパン職人の1人です。
リマの下町スルキーヨ区の一角にあるラ・プティット・フランス。このあたりはあまり治安が良くないといわれていますが、ラ・プティット・フランスを始めいくつかのレストランが進出したことで、周辺の雰囲気がずいぶん変わりました。とはいえ、注意するのに越したことはありません。店の西側、観光エリアとして名高いミラフロ―レス区からアクセスするといいでしょう。
この日は朝9時半過ぎに到着。早速クロワッサンを頂こうと思ったのに、なんとパンはまだオーブンの中!7時開店というのに、それはちょっとないですよね。あまりの人気に、朝一に焼きあがったものはもう完売してしまったのでしょうか?
運よくパウンドケーキがいくつか出てきたので、カプチーノとニンジンケーキをオーダーしました。甘さは控えめで、すりおろしたニンジンがたっぷり入っています。さすがフランスのレシピ、ケーキにはホイップクリームではなく濃厚なバタークリームが乗っていました。コクがあるのにしつこさはまったくなく、洗練されたお味。これはなかなかオススメですよ。
店によると、お客様はペルー在住のフランス人を始めとするヨーロッパ系の人々や、ヨーロッパを旅したことのあるペルー人が多いとのこと。やはり本場の味を一度味わったら、ペルーのクロワッサンもどきでは物足りないのでしょうね。
待ち人来たり。友達が店に到着したころには、いろんなパンが焼きあがっていました。このデニッシュの層の美しいこと!一口頂戴しました。見た目通りにサクサクで、バターの香りが口の中に広がります。
こちらが大人気のクロワッサン(4.5ソレス=約150円)、左隣のアーモンド入りクロワッサンやチョコレートパン(ともに6ソレス=約200円)もオススメです。ちなみに一般的なパン屋で売られているペルー定番のパンは、どれも1つ10円前後。とても同じ「パン」とは思えません。これはもう別物と思ったほうがよさそうですね。
バケット類も焼きあがりました。香ばしい匂いが店内に広がります。
前述のパウンドケーキのほか、レモンや洋ナシ、アーモンドのタルト、ブラウニー、プチタルトなどスイーツ類も豊富。お昼には焼き立てパンを使ったサンドイッチも登場するそうです。
ところでLa p'tite Franceの発音について。同じラテン語系とはいえ、ペルー人にとってもフランス語の発音は少々やっかいなようで、冠詞「La」を「ル」に近い音でいう人や、「ラ・ペティッ・フランセ」とスペイン語風に発音する人もいるようです。もし道に迷ったら、店名だけでなく「パナデリア・フランセサ(フランスのパン屋)」と付け加えると、周囲の人にもすぐ分かってもらえるでしょう。
★La p'tite France/ラ・プティット・フランス★
住所:Calle Gonzáles Prada 599, Surquillo
営業:7:00~19:00(日曜のみ17:00まで)
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原田慶子
- ペルー・リマ在住ライター。ペルーの観光情報からエコやグルメの話題などを幅広く執筆。ペルーに関する情報誌等の取材協力。