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愛媛県にある高さ5mのイケメン人面岩
1990年頃に人面犬や人面魚といった都市伝説が流行りましたが、愛媛県には人面岩があります。とはいえ、これは都市伝説ではありません。自然の岩が何となく人面に見えるというものでもありません。今から150年ほど前に、現在の大洲市の豊茂から櫛生へ続く道の完成記念に造られたものです。
(c)愛媛県観光物産協会
さて、どこにあるか分かりますか。木々に覆われた山の中腹にあるため見逃してしまいそうですが、よく見るとひっそりと顔を出しています。
(c)愛媛県観光物産協会
彫りが深く鼻筋が通ったなかなかのイケメンです。人面岩を造ったのは力石力造(ちからいしりきぞう)という、いかにも石造りに関わっていそうな職人とされています。力造は田畑や屋敷、道路の生け垣などを見事に石組みする名工だったとか。人面岩の大きさは縦5m、横3m。巨大な造形物をどのように造ったのか興味深いですね。
人面岩の近くには、これまた大きなわらじがあります。こちらも高さは5mで、幅は2m。
(c)愛媛県観光物産協会
この大わらじにはカッパ伝説という伝承が残っています。カッパが村人に悪さをするので、困った人々が知恵者の庄屋さんに相談したところ、大わらじを立てるように言われました。早速村人が大わらじを造ったところ、それを見たカッパが「人面岩があの大わらじを履いて歩き出したら踏み潰される」と恐れおののき、見事カッパを追い払うことに成功した、という話です。
大わらじは愛媛県内の別の集落にもあり、それらのわらじは地域の息災を祈って魔除けのために造られます。大洲の大わらじもおそらく同様の目的で造られ、近くにある人面岩と結び付けて後からカッパ伝説を作ったのかもしれません。しかし、人間の顔と足のサイズはだいたい同じくらい。人面岩の大きさは5m、大わらじの大きさも5m。それなら大わらじはやっぱり人面岩のものだと考えるほうがロマンがあるように感じます。
写真提供:愛媛県観光物産協会
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日曜日の侍
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