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アイルランド国技を学ぼう、GAA Museum
知ってました?スポーツが盛んな国、アイルランド
皆さん、アイルランドと言えば何を真っ先にイメージしますか?黒ビールのギネスでしょうか?アイリッシュダンスやアイリッシュミュージックという方も多いでしょう。またはアイルランドの妖精、レプラコーンをイメージしたかもしれませんね。
アイルランドと言われて、スポーツが盛んな国というイメージを持った方はあまりいないかもしれません。しかし、アイルランドではスポーツはとても盛んです。ラグビーは人気のスポーツの一つで、たいへん強く、世界ランキング第3位(2017年11月現在)です。サッカーは先日デンマークに負けてしまい、ワールドカップの夢が途絶えましたが、とても盛んなスポーツでもあります。ボクシングも強く、ケーティー・テイラーは最近プロとして活躍。男性総合格闘家のコナー・マクレガーは大変人気があり、世界的も有名です。最近ではランニングをする人が多く、かなりポピュラーなスポーツとなっています。チャリティーも含め、ランニングのイベントが年中たくさん開かれています。
アイルランドの国技って?
そんなアイルランドの国技として有名なのは、ゲーリックフットボールとハーリングです。ゲーリック体育委員会(GAA, Gaelic Athletic Association)により運営されています。国民に大変人気のあるスポーツです。州ごとにチームがあり、州同士で戦います。そのため、国民は真剣!国技の悪口など、もってのほかです。ダブリンは特にゲーリックフットボールが強く、2015年、2016年、そして今年2017年と3年連続で優勝しています。サッカーが強くないのは、いい選手がゲーリックフットボールに取られているからだという人もいるくらいです。
ゲーリックフットボールって?
サッカーと似たスポーツで、15人でプレーします。サッカーと違うところは、足だけでなく手も使えることです。そしてオフサイドはありません。サッカー同様、女性チームもあります。
ハーリングって?
ホッケーのようなスティックと野球のボールのような小さなボールを使い、15人でプレーします。走りながら、スティックでボールを運び、打ち、ゴールを狙います。とても運動量が多く、技術がいるスポーツです。スコットランドやウェールズ、イングランドにもクラブがあり、こちらのテレビで試合の様子が中継されています。アイルランド人移民が多い国でもクラブが結成されています。もちろん女性チームもあります。
GAAミュージアムを覗いてみよう!
そんな国技が学べるのが、GAA Museum(GAAミュージアム)です。早速中に入ってみましょう。入口は前回アップした、スカイラインツアーと同じ入口です。
ミュージアム1階
入って左手にミュージアムの入口があります。旗はそれぞれの州の旗です。左手の青いのはダブリンの旗です。
旗の下から撮影してみました。たくさんの、色とりどりの州の旗がとてもすてきです。
こちらは昔使っていたゲートの展示です。
一階には新旧のジャージやトロフィーなどの展示のほかに、1916年、イースター蜂起の時の話をビデオで見れる部屋や、創設者、マイケル・キューザックについて学べるコーナー、歴代の素晴らしい選手のサインや写真などの展示があります。
かなり昔のジャージのようです。
ハーリングのスティックがどのように作られるかの説明です。
昔のチャンピオンベルトやルールブックが展示されています。
こちらはサム・マグワイアカップと呼ばれているものです。1928年から1987年まで、オールアイルランド・フットボール・チャンピオンで使われていたトロフィーです。堂々たる、立派なトロフィーは大変印象的でした。
こちらはモハメド・アリが1972年、クロークパークで試合をしたときのグラブです。サインが入ったトランクスと、当時のチケットも展示されています。こちらはローン。GAAの所有ではありません。大変貴重な一品です。
ミュージアム2階
こちらにもたくさんのジャージの展示がされていました。2階は近年の物が中心です。
ジャージにはたくさんのサインが入っているものもいくつかありました。詳しい人には涙ものの展示ではないでしょうか。
過去の有名試合の名場面も見ることができます。画面で好きなのを選びます。
昔の名場面を見るのは、ファンではなくても楽しめるものですね。クロークパークが人で埋め尽くされているところもすごい!
2階にはちょっと面白いものがありました。こちらは自分の運動神経(!?)と技術を試すコーナーです。黒い丸枠の的にボールを入れないといけません。全部入れることができるかな?
どれだけ高くジャンプし、ゴールを守ることができるかな?
どれだけ高くジャンプして、ボールをキャッチすることができるかな?
知ってました?ゲーリックハンドボール
こちらではあまり人気の高いスポーツではないのですが、ゲーリックハンドボールもアイルランドの伝統的なスポーツで、GAAが総括しています。ラケットを使わず、専用のグラブをはめてプレーします。下の写真の男性選手はポール・ブレ―ディ選手。5度の世界選手権優勝、10のUSナショナルタイトルまで持っている有名選手ですが、去年引退しました。実は彼は私の友達の従弟だったんです!このミュージアムを訪れるまで、全く知りませんでした。
他では買えないGAAのお土産
例えばギネス商品。大半の物は街に点在するお土産屋さんや空港で購入することが可能です。しかし、GAAの商品は、お土産屋さんや空港での購入は不可能です。Tシャツやペン、小さなボールやキーホルダーなど、GAAのロゴが入った商品がたくさん置かれています。訪れた際は記念に一品いかがですか?
興味がなくとも楽しめる、GAAミュージアム
実は記事にしている私自身、ゲーリックフットボールやハーリングには全く興味がありません。大きな大会がクロークパークで開かれる度、周辺の道路は大渋滞!バスは超満員!大勢の人が一気に訪れるために、周辺の歩道は歩くことも困難!「また試合の日だよ、困ったなあ。」なんて文句を言っている側です。
しかし、このミュージアムを訪れて、どれだけこの国の国技が国民にとってとても重要なのか、そして波乱のアイルランドの歴史に巻き込まれながらもプレーし続け、現在でも多くの国民にプレーされ、愛されているスポーツであることがよくわかりました。今後の試合の日には、文句を言うことをやめようと決めました。
興味がない人でも十分に楽しめ、学ぶことができる、とても良いミュージアムだと思いました。お時間があればぜひ、一度訪れてみてはいかがでしょうか。(入場料は大人7ユーロ、子供5ユーロ。月によりオープニング時間が違いますので、ネットでお確かめください。ミュージアム+スタジアムツアー14ユーロもあります)
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ティファニー・カイリー
- 1999年よりダブリン在住の独身・アラフォー・会社員。