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まるで現代版ウォーターワールド!ミャンマーのインレー湖で生活するインダー族の素晴らしき水上生活とは?
こんにちは! 皆さまは「ウォーターワールド」という映画をご存知でしょうか?地球温暖化の進行により大陸が沈み、海の上で浮遊島を造って人々が暮らすというストーリーの、1995年に公開されたアメリカのSF映画です。ずっと水の上なんて想像するだけでも大変そうですが、実際に長年に渡り水上生活を送っている民族がミャンマーに存在しているんです! 今回は、そんなウォーターワールドが広がるインレー湖についてご紹介します。
ミャンマーのシャン州に位置するインレー湖は、標高1,000mを超える山々に囲まれ、南北に約20km、東西に約10kmもある広大な湖です。インレー湖は水深3mほどと浅く、水草や藻を集めて作られた浮き島の上に高床式の住居を建てて人々は暮らしています。
ここに住むのはミャンマーの少数民族インダー族。湖上の主な交通機関はフレーと呼ばれる小型の船で、通学や買い物、ご近所さんとの家の行き来など日常生活の足として使われています。
湖上には住居だけでなく、集落や寺院、工房、レストラン、市場、水上ホテルまでもが存在しており、インレー湖には"水の世界"が実在しています。
インダー族は水上という一見不便な場所で、工夫を凝らして独特な生活を営んできました。有名なのが、浮き畑農業。湖の中に浮き畑を作り、流されないように竹竿で水底に固定して様々な野菜や果物などを育てます。厚さ1~2mほどの浮き畑は、水の増減に伴って畑も上下するので沈むことがありません。キュウリやトウガラシ、ピーマン、ナスなど、普通は土の畑で育てられる野菜が水草の上で元気に育ってしまうのだから不思議なもの! 収穫などの管理作業は主に船に乗ったまま行い、収穫された野菜は集落のマーケットなどで売買されます。特に浮き畑でのトマト栽培のスケールは大きく、他の都市にも多く出荷されてミャンマー最大のトマト産地となっています。
もうひとつ、インレー湖での名物ともいえるのがインダー族の漁業風景。足こぎボートで、片足のみで器用に船を操りながら釣り鐘状の網を湖に沈め、湖底をかき回した際に浮かびあがる魚を捕獲するという、独特の漁が行われています。幼少期から魚の獲り方を両親から習い、片足で上手に魚を獲っている子供たちの姿は感動もの! その日の夕食を自分で捕まえて帰ってくる子供も多いのだとか。
映画のような水上生活が現在も変わることなく続けられているインレー湖は、まさに現代版ウォーターワールド!今までの概念を覆されるような水辺の風景が、ミャンマーの奥地の湖に広がっています。
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南まい
- 世界一周女子ひとり旅を南米ブラジルからスタート!約55カ国、100カ所以上の世界遺産を周り、約2年間の旅から無事帰国。書籍「独女世界放浪記」(ポプラ社)を出版し、旅行ライターやセミナー、バックパック開発なども行っている。NHK BS1 「エルムンド」海外レポーターとして番組ロケで約70日間の世界二周目も達成!現在ツアコンとして、ひと月の半分以上を海外で過ごす。訪問国数80カ国以上。