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アイルランド/蒸気機関車で行く!エニスコーシー、ロッキンフード・フェスティバル-中編
なぜ蒸気機関車じゃなかったの?
列車が発車して間もなく車内放送が入りました。当日の朝、エンジンに故障が見つかり、急遽ディーゼルエンジンに取付け替えられたとのことでした。本来ならこんな姿をしたNo.4の蒸気機関車でエニスコーシーへ行く予定だったので、本当に残念でした。
写真はRailway Preservation Society of Ireland(RPSI)の2018年のカレンダーより撮りました。カレンダーは車内で購入可能。一枚10ユーロ(8月7日現在の為替で約1,304円)です。
しかし、私の周りの乗客は誰一人として、それに対して文句を言う人はいませんでした。仕方がないことですから、今更怒っても意味がないためでしょう。それよりも、レトロな車両で行くエニスコーシーへの旅を皆さん楽しみにしているようで、車内の雰囲気はとても和やかでした。乗客の中には70代であろう男性のグループが何組かいました。列車好きなのかもしれませんし、昔自分が乗った車両に乗りたかったのかもしれません。家族連れもたくさんいましたし、私のように一人旅の人も何人かいました。大半がアイルランド人でしたが、なぜか私が乗った車両Aはインターナショナルで、私を始めカナダに住むアイルランド人、スペイン人やエジプト人の乗客もいたのです。
素晴らしいおもてなし
Railway Preservation Society of Ireland(RPSI)の乗務員の皆さんの、乗客に対する対応には素晴らしいものがありました。テーブルをひとつづつ訪れ、乗客一人一人に声を掛け、話をするのです。もちろん話をしたくない人もいます。そういう時は、さらりと会話をして、次のテーブルへ向かう。話好きのアイルランド人のテーブルではついつい話が長くなっていましたが、乗客との距離をうまく取っていたのには感心しました。しかも、今回は蒸気機関車でないことを、テーブルを一つずつ回り、謝罪をしていたのです。
車内では、Raffle Tickets(福引券)の販売がありました。収益はRPSIに行きます。私が買った福引券には当たりがなかったのですが、当たりにしてくれたのです。DVDとチョコレートのバーを一本もらい、どうやら福引券を買った人には、当たらなくても全員に景品がもらえるようにしていたようです。小さい子供にはぬいぐるみやおもちゃをプレゼントしていました。気が利きますね。イベントの主催者からは、乗客全員にペンとDVDも配られたのですが、DVDはなぜかブリティッシュの列車のものでした!
私と同じテーブルに座ることになった、17か月の女の子を連れた若夫婦と、奥さんのお姉さんの一家がとてもフレンドリーで、お話好きでした。どうせ一人だから、と思って読む本まで持参していたのですが、その必要は全くありませんでした。彼らのおかげで、列車の中では彼らとずっと会話を交わし、退屈することが全くなかったのです。素敵な人たちに囲まれて、列車の旅はすでに最高のものとなりました。
エニスコーシーでの素晴らしいおもてなし
ダブリンを午前10時半に出発し、午後1時20分にエニスコーシーに到着しました。列車はゆっくり走り、途中何か所かの駅で、他の列車をやり過ごすこともあったため、3時間近くかかって到着したのです。
駅では地元の方々のお迎えがありました。中央、遠くに見えるのですが。。。
私達が到着してすぐに、空包射撃がありました!乗客はみな大拍手でした。
駅を出ると、すぐにイベントの主催者のジミーさんと、地元の皆さんからのウェルカムの言葉がありました。
そして彼らに先導され、エニスコーシーの町へ!
彼らの服装ですが、右手は1798年のアイルランドの反乱時の軍の服装です。左側は一般市民の当時の服装です。市民も当時の戦いに参加したためです。途中、ロックバンドのお出迎えもありました。イベントの名前はRockin'Food Festivalですから、ロックミュージックでお出迎えということです。
バグパイプに先導され、イベントが行われている場所へ向かいました。あいにくの雨でしたが、それにもめげず、マーチが続き、乗客もそれに続きました。
コスチューム、似合っていますね。フェスティバルでも、こういった姿を見ることはほとんどないので、嬉しい限りでした。
ウィリアム・バーカー・ブリッジ(William Barker Bridge)という名前の橋を渡ります。目の前に、エニスコーシー城が見えてきました。
橋の下を流れる川は、スレ―二―川(River Slaney)と言います。
スレ―二―・ストリート(Slaney Street)へ行きます!この上のタウンセンター周辺でイベントが行われているのです。
傘がたくさんぶらさがっています。この下を通ります。左側のブルーのスーツの方はエニスコーシーの町長さんです。
色とりどりの傘が本当に綺麗でした。素敵なアイディアですね。
私達乗客は素敵なおもてなしを受けました。タウンセンターに到着し、ここから列車が出発する午後4時55分まで自由時間となりました。さて、何をしよう?フードフェスティバルでもありますから、やっぱり腹ごしらえといきたいところです。続きは最終回(後編)でご紹介します。
後編はコチラ
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ティファニー・カイリー
- 1999年よりダブリン在住の独身・アラフォー・会社員。