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マレーシア多様性文化の発端、ペラナカン が美しい
他民族が入り乱れた貿易時代。マラッカでは、その文化の織りなす独特の雰囲気に身を置く事が出来る。
1400年前後、マラッカでは初期の中国との貿易が盛んになって行き、現地人と中国人との混血が増え始める。これをペラナカン(マレー語)=ババニョニャという。彼らは福建語とマレー語を話したマレーの風習を取り入れていたが、華人としてのアイデンティティーを保持していた。そして、そのバックグランドは欧州の植民地時代ということもあって、中国、インド、ポルトガル、オランダ、イギリス、他東南アジアなど様々なミックス文化が誕生するというユニークな場所だ。
そのマラッカのババニョニャ文化を垣間見る事の出来るババニョニャ博物館は、ジョンカーストリート界隈のタンチェンロック通り、にある。
一般公開しているこのプライベート・ミュージアムは、当時の造りをそのまま残し、家具類は当時中国やヨーロッパから運ばれてきたものがほとんど。当時の建物はショップハウス型と呼ばれ、奥行きが長いのが特徴だ。正面から奥に149メートルという長さで、幅は17メートル。通常1階が店舗、2階が住居だが、同博物館は、裕福なババニョニャの私邸として建てられたもので、1階と2階、すべて住まいだった。
マレーシアの多民族国家の由縁はここから!
単なる骨董品をながめるだけではなく、当時のへーっと驚くようなストーリー背景も面白い。
中国の奥様方は料理をしないので 料理人2人を雇い、奥さんは台所に立って監視するだけ。
中国の清からの影響で左右対称のデザインでなければいけなかったので、 すべての場所で家具などの置物も左右対称、同じ物が2つなければいけなかった。2階から子供が下に落ちないため、また泥棒防止のために夜は階段に蓋をするシステムがあるが、本当の用途は夫が夜遅く返ってきた時に2階寝室に入れさせないためだった。などなど。
魅力はニョニャ料理も!
博物館のすぐ隣は、直系のオーナーが経営するゲストハウス、とカフェ「Cafe1511」担っている。
建物自体が博物館であり、美術館のような歴史的価値が高い宿泊施設、マラッカらしい宿泊施設としてオススメしたい。ババニョニャ インテリアに囲まれて取るニョニャ料理の食事もなかなかおいしい。もし、3-4人ほどのグループなら、ライスとニョニャのおかずをオーダーしてみてほしい。おすすめは、カンコンブラチャン(空芯菜のブラチャン炒め)、アサムイカン(魚のニョニャカレー)、海老のサンバルパタイ(海老とパタイ豆のサンバル)。豊富なハーブ風味は、日本ではなかなか味わえない。
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YasminYoko
- マレーシア、クアラルンプールに在住。渡航して32年、ライター、リサーチ、コーディネートをはじめ翻訳通訳、日本語教師、個人輸出業を手がける。