【コラム】意外な穴場?マッターホルンをイタリア側から眺められるアオスタ渓谷

モンブランやマッターホルンと言えばフランスやスイスの登山スポットのイメージが強いのですが、実は北イタリアも隣接しています。

これらの山岳に最も近いヴァッレ・ダオスタ州は、バカンスを過ごすのにぴったりの爽やかな場所と言われています。

※写真はイメージです。クリエイティブコモンズライセンスに基づき掲載しています。

参考:クリエイティブコモンズ公式サイト(外部サイトに遷移します)

北イタリアで、爽やかなバカンスを過ごしてみませんか?

夏はイタリア各地も観光客で賑わうシーズンです。けれど地中海に伸びるイタリアは、やはり夏は暑いというのが定番です。一番人気のローマなどでは40度近い猛暑になることも。

そこで今回は、イタリアの中でもとびきり爽やかで過ごしやすく、素晴らしい絶景が広がる夏旅にピッタリな場所をご紹介しましょう。

ヴァッレ・ダオスタ州

Photo by raffaele sergi

Photo by raffaele sergi「Courmayeur」(CC BY 2.0)

お目当てのエリアは、南北に長いイタリアの北西端ヴァッレ・ダオスタ州(Valle d' Aosta)にあります。Valle d' Aosta という名前の通り、この州には「アオスタ渓谷」という渓谷があり、そこには谷に開けた小さく素朴な街が点在しています。

またスイス、フランスとも国境を接しているため、イタリアにありながらもスイス、フランス文化も感じられる非常に魅力的なエリアとなっているのです。お隣ピエモンテ州のトリノなどからもアクセス可能です。

アオスタ渓谷

Photo by raffaele sergi

Photo by raffaele sergi「Monte Bianco」(CC BY 2.0)

イタリアで清々しい夏を過ごしたいと思うなら、迷わずアオスタ渓谷を訪れるべきでしょう。

その理由は、北部山岳地帯特有の爽やかな気候に恵まれているというだけでなく、ここでは世界に名立たるアルプスの名峰モンブラン、マッターホルン、モンテローザなどの雄姿をイタリア側から眺めることができる穴場だからです。

これらの美しく気高い山々に囲まれるようにしてあるアオスタ渓谷、そこに点在する美しい街々、手つかずの自然、独特の文化と素朴な人々は、今までとはまたひと味違ったイタリアの夏を体験させてくれるでしょう。

州都アオスタ

Aosta
Photo by M.Maselli「Aosta」(CC BY-SA 2.0)

ヴァッレ・ダオスタ州の州都はアオスタ。一時間もあれば一周できてしまうほど小さな街ながらその歴史は意外なほどに古く、古代ローマ時代にはアルプスを越えてフランスに至る交通の要所として栄えました。

その頃の古代ローマ遺跡も見応えがあります。スイス、フランスと国境を接することから看板や標識にもイタリア語とともにフランス語が書かれ、街もどことなく洗練されたフランス的雰囲気が漂っています。

クールマイヨール×モンブラン(イタリア語でモンテビアンコ)

Photo by raffaele sergi

Photo by raffaele sergi「Courmayeur」(CC BY 2.0)

クールマイヨールは、17世紀からサヴォイア家の貴族がこぞって別荘を建てた美しい山間の街。

今でもイタリアの高級避暑地として人気です。小さいながらも洗練されたショップやカフェが並び、人々で賑わっています。

Photo by Pixabay

Photo by Pixabay

そしてこの街最大の魅力は、何といってもあのモンブランの麓町だということ。

モンブランにアクセスするには、フランス側シャモニーからロープウェイでエギーユ・デュ・ミディ展望台へ至るのが日本人にはメジャーかもしれませんが、このイタリア側クールマイヨールからもエルブロンネルという展望台までロープウェイが出ているのです。

Photo by Pixabay

Photo by Pixabay

実は、このイタリア側ロープウェイからの方が、より雄大な氷河の眺めを楽しむことができます。展望台に至るまでの景色はこちらの方が断然迫力満点。目の前に広がる氷河の大パノラマ。そして時には雪面に転々とアルピニストたちの姿が見えることも。

まるで手が届きそうなところに聳えるモンブランのピークには、誰もが感動せざるを得ないでしょう。

チェルヴィニア×マッターホルン(イタリア語でチェルヴィーノ)

Cervinia
Photo by Erik「Cervinia」(CC BY-SA 2.0)

アオスタ渓谷の中ほどに位置する小さな街がチェルヴィニア。冬はスキーヤー、夏はハイカーたちに絶大な人気を誇るその秘密は、街からでもまるで手に届きそうなほど間近にマッタ―ホルンの姿を眺めることができることでしょう。

なんと街からピークまで直線距離で約5km。小さな街を抜けるとすぐに現れるマッターホルンの姿は「魔の白いピラミッド」と恐れられるに相応しい迫力です。

Photo by Guillaume Baviere

Photo by Guillaume Baviere「2011-07-29」(CC BY 2.0)

そして、スキー場になる坂を上るとますます間近に迫るマッターホルン。

リフトやロープウェイに乗れば、スキーヤーでなくともプランメゾン(2561m)やプラトーローザ(3480m)に行くことができるというのも大きな魅力のひとつです。

ラーゴ・ブルー×マッターホルン

Photo by Pixabay

Photo by Pixabay

そして、チェルヴィニア近郊にはラーゴ・ブルーという湖があります。標高1980mにあるこの湖は、知られざるもうひとつの絶景スポットとして訪れる人々を魅了します。

不思議に輝く青みを帯びたエメラルドグリーンの湖面に、マッターホルンの雄姿が写って絵葉書のような美しい大自然の姿を目にすることができるのです。スイス側から見るマッターホルンとはまた少し違って力強さも感じさせる姿。イタリア側からのマッターホルンも見る価値大でしょう。

手つかずの大自然に、誰もが知るアルプスの名峰を望むアオスタ渓谷、いかがだったでしょうか。夏でもアルプスの山々を縫って涼やかな風が吹き、簡単なハイキングやロープウェイを使えば世界中のアルピニストを拒み続ける険しい山々へ簡単にアクセスすることができます。

スイスやフランスのテイストも混ざった文化は洗練されていて、北部ならではの美食も揃っています。この夏はアルプスの懐に抱かれる異色のイタリア、アオスタ渓谷へ出かけてみてはいかがでしょう。

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