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フォトジェニックなヴェネチア旅。絵になる風景案内-ゴンドラから街角まで-
※註:2018年3月、加筆修正をいたしました。
歩くたびに心奪われる、ヴェネチアの景観
誰もが一度は憧れる水の都、ヴェネチア。かつてピサやジェノヴァと並び一大海洋王国として栄華を極めたこの街は、歴史、文化、芸術のみならず、その独特の景観からも世界遺産として確固たる地位を確立してきました。
ヴェネチアの主要駅ことサンタ・ルチア駅に降り立ち、サン・マルコ広場行きのヴァポレット(水上バス)に乗り込んだその瞬間から、カメラを構えずにはいられません。
今回は、そんな憧れのヴェネチアで絵になる風景を探して見つけた、フォトジェニックなヴェネツィアの素顔をご紹介しましょう。
目次:クリックで各項目に移動します
- 絵になる風景1.サン・マルコ広場の回廊
- 絵になる風景2.ゴンドラ
- 絵になる風景3.地元民
- 絵になる風景4.路地裏
- 絵になる風景5.リストランテ
- 絵になる風景6.リアルト橋のたもと
- 絵になる風景7.夕暮れ時のシルエット
絵になる風景1.サン・マルコ広場の回廊
ヴェネチアを訪れたツーリストが必ず足を踏み入れるのが、サン・マルコ広場。かつてヴェネチア共和国の政治、経済の中心であったこの美しい広場は、壮麗な建物に囲まれてかつての栄華を今に伝えます。ドゥカーレ宮殿やサン・マルコ寺院はもちろん欠かせませんが、フォトジェニックな風景はまだあります。
広場を囲む回廊は、"大理石のサロン"とも称される優雅な空間。華麗なカフェが軒を連ね、宝石やグラスのショップもここのは心なしかエレガント。心地よい音楽が流れ、そこはさながらサロンのよう。 歴史の重みを感じさせる古びた壁や重厚な天井、大理石のフロア、広場からは明るい日差しが差し込んで......まさに絵になる風景の一つです。
絵になる風景2.ゴンドラ
ヴェネチアの代名詞と言えば、街中に張り巡らされた大小の水路に揺蕩うゴンドラでしょう。エメラルドグリーンの水上にゴンドラが浮かぶ様子はいかにも水の都の情緒があります。ストライプのシャツを着たゴンドリエーレ(船頭)がゴンドラを漕ぐ姿を写真に撮れば、どれも絵になること間違いありませんが、こんな様子もフォトジェニックです。
ヴェネチアには、水路と同じくらい入り組んだ路地が存在します。路地裏に迷い込んでふと顔を上げると、目の前のトンネルの先に、ゆっくりと音も無くゴンドラが横切っていきました。 なんだか異世界に迷い込んだようで素敵な風景の一つです。
気だるい昼下がりはゴンドリエーレも休憩したくなる時間帯。観光客で溢れかえるカナル・グランデから少し奥まったところで、一息つくゴンドリエーレを見つけました。
"観光客相手も楽じゃないよ。"
そう呟いているように思えて、なんだか微笑ましい風景です。
絵になる風景3.地元民
世界中からこの街に憧れるツーリストが集まってくるヴェネチア。いつだって観光客に溢れるこの街にも、ちゃんと地元民が生活しています。街を丹念に歩き、時折人気の無い路地に迷い込んでみると、思いもかけず彼らの姿を見つけることがあります。
アルセナール造船所(※)近くの水路沿いを歩いていた時、ふと顔を上げると水路にかかる橋の上に老紳士が立ち止まっていました。ここで生活する住民の素顔を垣間見たようで、なんだか嬉しくなりました。
※註:アルセナーレ・ディ・ヴェネツィア(Arsenale di Venezia)は、12世紀に建てられた国立造船所。2018年現在もイタリア海軍の所有施設となっています。
参考:Arsenale di Venezia案内サイト(イタリア語、外部サイトに移動します)
細いT字路には、有名な古書店アックア・アルタ(※)があります。ここのオーナーは大の日本びいき。彼の下で働く店員さんたちも皆親切です。彼らが店の奥にある秘密のスペースに案内してくれました。
ほんの小さなスペースには塀の高さまで古本が積み上げられ、それをよじ登ってみると誰もいない水路の風景を独り占めできます。景色も素敵ですが、店員さんたちのハートフルな笑顔が印象的で写真に収めました。
※註:アックア・アルタはヴェネチアで「高潮や、それによって街が冠水する気象」を指す言葉。その名前を冠した古書店「Libreria Acqua Alta」は、ユニークで美しい書店として観光客にも知られています。
撮影:ItalyiiライターMami.F.
絵になる風景4.路地裏
ヴェネチアは"水の都"と同時に"迷宮都市"としても知られています。無数の路地を気の赴くままに彷徨ってみるのも楽しみの一つです。立て込んだ古い建物の隙間には、ヴェネチアの居酒屋「バーカロ」の看板があちこちに吊り下がっています。
絵になる路地裏の看板に誘われて、ワインを一杯いかがでしょうか。
絵になる風景5.リストランテ
気ままな下町風バーカロ巡りも楽しいけれど、はっとするほど美しい色合いのリストランテに遭遇することも。パステルカラーが明るい色調のリストランテには、カメリエーレ(男性ウェイター)の笑顔がよく似合います。
絵になる風景6.リアルト橋のたもと
街を大きく蛇行して流れるカナル・グランデには、大小様々な船が行き交います。そして、カナル・グランデにかかるリアルト橋のたもとは、とりわけ活気に溢れています。思い思いに桟橋に座る人々はヴァポレットを待っているのでしょうか、それともただお喋りに興じているだけなのでしょうか。
運河沿いに出たテーブルでは運河を眺めながら一杯やる人々も。国も文化も違う人々が、この一瞬同じところで同じ時を過ごしている、そう思うとなんだか不思議な感覚になるのです。
リアルト橋のたもとには、そんな出逢いの風景がありました。
絵になる風景7.夕暮れ時のシルエット
最も旅情を掻き立てる風景を一つ挙げるとしたら、それは夕暮れの運河に浮かぶゴンドラのシルエットではないでしょうか。夕陽の最後の輝きを受けて、ほんのりピンクに染まった空とカナル・グランデ。ゆっくりと揺蕩うゴンドラのシルエットを眺めていると、ふと夢と現実の境界線が曖昧に。
この風景を目にした者は、必ずまたヴェネチアに戻りたい、と思うのです。
絵になる風景を探して歩いたヴェネチアの旅はいかがだったでしょうか。旅人を惹きつけてやまないこの街は、訪れる人の数だけ魅力的な風景があるのです。
自分だけのヴェネチアを見つけに、水の都へ訪れてみては。
※執筆:ItalyiiライターMami.F.
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