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ローマ・コロッセオのそばにある「コンスタンティヌスの凱旋門」とは?
※編集部註:2019年9月、加筆修正をいたしました。
コンスタンティヌスの凱旋門は、ローマ最大の凱旋門。フランス・パリにあるエトワール凱旋門のモデルにもされたと言われています。この凱旋門はコロッセオのすぐそばにあり、どちらも古代ローマ時代を象徴する建造物です。
目次
1. 古代ローマ時代の建造物「コンスタンティヌスの凱旋門」
それは、はるか昔のこと。後にローマ帝国の皇帝となるコンスタンティヌス1世が、312年に「ミルウィウス橋の戦い」と呼ばれる戦争に勝利しました。これを記念して315年に作られたのが、「コンスタンティヌスの凱旋門」です。
当時のローマは分裂状態(分担統治)にあり、この戦いをもってコンスタンティヌス1世は、以降ローマ帝国の再統一を進めることとなります。
<コンスタンティヌスの凱旋門は、コロッセオのすぐそばにあります。>
<左にあるのが、コンスタンティヌスの凱旋門です。
凱旋門の歴史は非常に古く、紀元前に建てられたものもあるそう。しかし、古代に作られた凱旋門が現存していることは少なく、コンスタンティヌスの凱旋門のように当時の面影を残しているのは貴重とされています。
2. 門を彩るレリーフに注目
<細かな彫刻や文字は必見。>
凱旋門を彩るレリーフは、実はこの門が建造される前から存在し、後に移設されたものがあるとされています。たとえば、最上層にある8枚のレリーフは、176年に建設されたマルクス・アウレリウス・アントニヌス帝の凱旋門から移設されたそうです。
このためなのか、レリーフに描かれている内容「ミルウィウス橋の戦い」に統一されているわけではなく、時代がバラバラ。最上部の8枚は162年~180年の「マルコマンニ戦争」を描いており、中央通路側面の4枚は101年~106年の「ダキア戦争」が描かれている、という具合です。
3. 実はとても巨大な建造物
フランスはパリに建つ、かの有名なエトワール凱旋門もこの凱旋門をお手本として建造されたそう。エトワール凱旋門の方がはるかに大きい(高さ50m、幅45m)のですが、コンスタンティヌスの凱旋門も迫力満点です。
<実は、とてつもなく巨大です。>
凱旋門はコロッセオの隣にあるため、その大きさに気づきにくいかもしれません。しかし、なんと高さ21m、幅25.7m、奥行き約7.4mという巨大な建造物なのです。
3つの門を配していますが、中央の門は高さ約11m、幅約6.5m、そして左右の門が高さ約7m、幅約3mとなり、ローマにある凱旋門では最大を誇ります。
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門の下は、残念ながらくぐることができないのですが、現在から1700年以上も昔に、このような美しい建物が存在していたという歴史に感動を覚えるはず。じっくりと、鑑賞してみてください。
※写真:Italyii(イタリィ)編集部
基本情報
- 名前:コンスタンティヌスの凱旋門(Arco di Costantino)
- 住所:Via di San Gregorio, Roma,Italy
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