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ローマにあるのにスペイン階段?その由来とは。映画のロケ地にもなった名所です。
ローマにあるスペイン階段は、スペイン広場にある大きな階段。有名な映画「ローマの休日」のロケ地にもなったドラマチックなロケーションです。なぜ「スペイン階段」と呼ばれているのかは、近くの建物に理由があります。
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130段以上の長さが続く大階段「スペイン階段」とは
ローマで最もにぎわう場所のひとつ「スペイン広場」の中にあるこの階段は、1725年に完成して以来、観光スポットとしてとてもにぎわっています。
<昼間のスペイン広場とスペイン階段は大賑わい!>
階段を上った先にある教会は「トリニタ・ディ・モンティ教会(Chiesa della Trinita dei Monti)」と言います。実は、スペイン階段という名称は通称で、本来の名前は教会と同じくトリニタ・ディ・モンティ階段(Scalinata di Trinita dei Monti)が正式名称です。
この教会はフランス人の教徒向けにミサが行われる教会で、ここと地上を繋いで行き来しやすくなるよう、フランス外交官の寄付によって階段が建設されました。
ところが、「スペイン大使館が近くにある」ことから、スペイン階段の通称が広まったそう。つまり、この階段の建設自体にはスペインは全く繋がりがないにも関わらず、立地条件からこのような通称が生まれたというわけです。
スペイン広場自体もスペイン大使館の近くであることから名づけられたため、もしかしたら人々の間では「スペイン広場にある階段に行こう!」、「スペイン広場近くの階段の名前......なんだっけ?とりあえずスペイン階段に集合しよう。」と言った会話が繰り広げられていたのかもしれませんね。
スペイン階段手前の噴水も有名スポット
<「バルカッチャの噴水」も、有名スポットです/Photo by Pixabay(CC 0)>
噴水は「バルカッチャの噴水(Fontana della Barcaccia)」という名前で、ジャン・ロレンツォ・ベルニーニという彫刻家によるもの。はるか昔、1598年にテヴェレ川が氾らんしたとき、一艘の舟が広場に流れ着いたという説から、この噴水がつくられたそうです。
夕方から夜にかけては、さらにドラマチックなロケーションに!
昼間は観光客でごった返すスペイン階段ですが、夕方から夜にかけてはロマンチックな表情を見せてくれます。
<映画のワンシーンに出てきそう!>
また、スペイン階段の大きな特徴は、波のように有機的な段差のデザインで、これはバロック建築によるものとされています。正面からではわかりにくいため、横から段差を見た写真もご紹介しましょう。
<スペイン階段は段差がさざ波のように広がっています>
<夜のスペイン階段は、ドレスやスーツを着て佇みたくなる美しさ>
この美しさは、映画のロケに使われるのも納得ですよね。映画「ローマの休日」に登場したことで、一躍世界中で有名となったスペイン階段ですが、2014年以降は建築保全のため飲食禁止。
ここでジェラートを食べて、憧れのワンシーンを再現......というわけにはいきませんが、それでも階段から眺める景色は感動的です。
なお、毎年4月中旬からゴールデンウィークにはかけては「スペイン広場のツツジ祭り(azalee a piazza di spagna)」と呼ばれる行事が開催されます。この時期になると、階段の周りは鮮やかな西洋ツツジで囲まれるそう。
その様子をとらえたニュース動画を見ると、確かにスペイン階段がより華やかになっていることが伺えます。
引用:Fanpage(イタリアのインディーズ情報メディア)公式Youtubeチャンネルより
春にローマを訪れるときは、ぜひ、スペイン階段と共にツツジ祭りもチェックしてみてください!
基本情報
名前:スペイン階段 / Piazza di Spagna(通称、スペイン広場と同義)、トリニタ・デイ・モンティ階段 / Scalinata di Trinita dei Monti(正式名称)
住所:Piazza di Spagna, 00187 Rome, Italy (Campo Marzio)
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