私の大好物のひとつに「鍋焼意麺」という食べ物があります。台南に住み始め、初めて食べた時からその味にはまり、今でも無性に食べたくなる時があります。ダシの効いたあっさりとしたスープに、お菓子のような揚げ麺という組み合わせの鍋焼意麺は、いちど食べたら病みつきになるはず。今日はそんな鍋焼意麺をご紹介します。

鍋焼意麺は、台南ではポピュラーな食べ物ですが、台北ではあまり出会えないそうです。「意麺」というと台湾では白い麺のほうがよく知られているかもしれません。野菜や肉そぼろをちょこっとのせて食べる白い意麺は、危険な爆竹のお祭りが行われることで有名な台南の鹽水というところの名物ですが、台南ではもう一種類の意麺があるのです。それが鍋焼意麺の揚げ麺です。

台南の樹林街にある「小豆豆」というお店は、それほど大きくはありませんが、ごはん時になると行列ができる有名店です。ここは、硬めに揚げてあるちょっと香ばしい意麺が特徴で、野菜やエビ、豚肉、卵、かまぼこなどの具が入っています。

お碗で登場するのが一般的な鍋焼意麺ですが、数年前までは鍋焼きうどんのような一人前の鍋やお釜に入って出すお店もありました。ひとつひとつ直火にかけて調理しているお店も見かけましたが、それも今ではほとんど見かけなくなりました。そして、なぜか鍋焼意麺のお店では、かき氷やジュースもメニューにあるお店が多いです。小豆豆もそうで、いったい何種類あるのかと思うほど豊富な品揃え。麺を食べ終わると、かき氷が食べたくなり、いつもついつい両方食べてしまいます。

　この揚げた意麺を使った、台南名物をもうひとつご紹介します。それが「鱔魚意麺」です。鱔魚（タウナギ）という魚は、見ためはウナギのようです。生の状態のタウナギは、赤くてグロテスクですが、一度たべてみるとその独特な歯ごたえにはまる人も多い一品。強火で炒めたタウナギと玉ねぎのソースは、甘酸っぱい味付けで意麺との相性も抜群です。夜市でも食べることができます。

台南では、スーパーでも意麺を買うことができます。自分の好きな味のスープに、意麺を入れてアレンジするのもおいしそうですね。書いていたら、また無性に食べたくなってきました。台南旅行の際は、ぜひお試しください。