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スイスの復活祭菓子「オースターフラーデン」
復活祭(イースター、独語ではオーステルンOstern)は、スイスで最も重要な祭日のひとつ。復活祭は「春分の日の後の最初の満月の日の直後にある日曜」という定義のため、3月22日から4月25日の間で基本的に毎年移動する移動祭日だ。今年の復活祭は3月27日なので、日程的にはかなり早いと言える。
復活祭にはちょっと特別な食べ物やお菓子が欠かせない。有名なものは色付きのゆで卵や、ウサギや卵を模ったチョコレート。国によっても色々な銘菓(!)があり、スイスでは「オースターフラーデンOsterfladen」というケーキ/タルトが特徴的だ。
オースターフラーデンは、直訳すると「復活祭(オースター)の平焼きケーキ(フラーデン)」となる。実はドイツにも同名の焼き菓子が存在するが、ドイツのオースターフラーデンはパン。スイスのオースターフラーデンは、ミュルベタイグMürbeteig(いわゆるタルト生地)の上にミルクライスと挽いたアーモンドのフィリングが乗った甘いお菓子だ。「スイス・食の遺産Kulinarisches Erbe der Schweiz」ウェブサイトによるとその発祥はバーゼルとのことだが、現在ではスイス全土で食べられている。
オースターフラーデンは、復活祭の1か月ほど前から小売店などに出回り始める。スイス国内なら入手するのはとても簡単だが、実は自分で作るのも決して難しいお菓子ではない。
まずリゾット米(大さじ3~4杯)を塩を一つまみ加えた牛乳(4デシリットル)で30分ほど煮て、ミルクライスを作る。好みで擦り下ろしたレモンの皮を加える。
そこにバター(50グラム)と砂糖(大さじ3杯程度)と挽いたアーモンド(大さじ3~4杯)を入れてよく混ぜる。好みによって干しブドウ(大さじ3杯程度)を入れる。
粗熱がとれたら、卵黄(2~3個)を加えてよく混ぜる。
タルト生地を型(直径24センチメートルのスポンジケーキ型)に敷き、底面をフォークで適度に刺して穴を空ける。その上にマーマレードやジャムを薄く塗る(好みによって塗らなくても可)。
別のボウルで卵白(2~3個分)を泡立ててメレンゲを作り、上のミルクライス&アーモンド&卵黄ミックスに混ぜ込む。
これをタルト生地の上に流し込み、220度に予熱したオーブンの下段で20~30分ほど焼く。
表面はかなり焼き色が付くので、焼き上がったケーキには好みで粉砂糖などを振りかける。紙でウサギなど復活祭ならではのモチーフを作って粉砂糖でステンシルするのも楽しい。粉砂糖はもちろんかけなくてもOKだ。
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Asami AMMANN-HONDA
- スイス東部トゥールガウ州の農村在住。元書店員、現在は兼業主婦(介護補助士&日本語教師&日独英通訳)。趣味はスポーツ・園芸・料理、専門は音響映像技術。