ギリシャでは幼稚園1年と、小・中学校が義務教育となっています。

年度が始まるのは9月の10日ごろからで、毎年、夏休みの終わりは学校から送られてきた長～い教材リストを手に書店や文房具店へ走ることに......。私立の学校の場合は教科書も自分たちで買わなければいけないので、これがまた大変。品切れがあったり、新学期に間に合わない場合もあります。

そんなこんなで9月中はかなりのドタバタ......ようやくひと息ついたところです。

学校によって違うかもしれませんが、教材には鉛筆の1本1本に至るまで全て名前を書いたりと結構な大仕事。そして、教科書はボロボロにならないよう保護シートを貼ることが指定されています。

上の写真は保護シートを切って貼っているところですが、歪んだり空気が入ったりしやすいのでなかなか難しいんですよ。子供ひとり分でもかなりの量なのに、複数いると大変です。お金を出せば教科書を売っているお店で貼ってもらえますが、ただでさえ出費が多いので、頑張って黙々と貼ります......。

教科は、宗教の授業があるのが独特でしょうか。国教がギリシャ正教であるこの国では、教育も宗教との結びつきが強く、小学校3年生から宗教の授業が始まります。ただし宗教の授業は強制ではなく、異教徒だったり受けたくない理由のある生徒はとらなくてもいいようです。

次女は今年小学3年生なのですが、他には歴史や第二外国語も始まりちょっと大変になりそう。

第二外国語は長女の時は4年生からだったのですが、今年から3年生に繰り上げられました。選択制で、フランス語、ドイツ語、スペイン語から選ぶことができ、一番人気なのはフランス語。ドイツ語やスペイン語の方が将来役立つ気がしますが、たぶん親世代が知っていて子供に教えられる率の一番高いのがフランス語なのでしょう。

歴史は、日本の学校では世界史もよく学んだ気がしますが、ギリシャではほとんどギリシャの歴史だそう。しかも、神話にも結構な重点を置いているのが独特だなぁと思います。

中学になると、古代ギリシャ語も始まります。教科書をちょっと見せてもらいましたが、ホメロスのオデュッセイア、ヘロドトスの歴史などをじっくり学ぶよう。

また、うちの学校は独自の教材も作っているようで、これは学校から支給されたもの。

パラパラめくってみたけれど、まさにIt's all Greek to me!（それは私にとってギリシャ語だ＝ちんぷんかんぷんだ。の意味）ギリシャ語ネイティブの子供にもさすがに古典は大変そうです。

ちなみにうちはずっと私立校に通わせているので公立校のことは詳しく知りませんが、それぞれよさがあると思います。

私たちが私立の学校を選んだ理由は、外国語などの授業がしっかりしてそうというのと、ストの影響をあまり受けないというのが大きいです。ストの多いギリシャでは、学校の先生もストで授業を休んでしまうことが多く、ちゃんとカリキュラムをこなせるのかという不安があります。そのこともあり、学校の授業だけでは追いつかないので補習校に通う子供も多いです。

なるべく塾などに通わせる必要なしに学校でしっかり学んでほしいと思っているのですが、それにしても私立はお金がかかる......このご時勢ですから学費を出すのも本当に大変です。

放課後の部活動のようなものも有料で、学費とは別料金です。運動は、男子にはバスケットボール、女子にはバレーボールが人気。

ギリシャでは体育に水泳の授業がないのですが、ちゃんと泳ぎを習ってもらいたかったので、子供たちが低学年のうちは放課後活動に水泳をさせていました。学校にプールがないので、2004年のアテネオリンピック競技場の屋内プールを使っていました（写真は年度末のイベントの時のもの）。

子供たちの学校の話を聞いていると、自分が通っていた日本の学校と比べていろいろ考えてしまいます。

日本の学校でよかったなと思うのは、家庭科の実習や掃除を通して身の回りのことを自分でできるよう学べること、水泳の授業など。ギリシャ（アテネ）の学校で羨ましいのは、遺跡や博物館へ見学に行ったり観劇をする機会が多いことなど。

もうひとつ、休みの間は宿題がないのが羨ましい！3ヶ月もの長い夏休みも全く宿題がないんですよ。親の立場からすれば、ちょっと心配になりますが（笑）普段は宿題が多く、夜遅くまでかかることもあるので、休みの間は思いっきり遊んだ方がオン・オフはっきりしていいかもしれませんね。