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皇妃エリザベートとハプスブルク家の皇帝達が住んだ王宮博物館
ホーフブルク(王宮)と言えば、ウィーンを訪れたら必見の観光地。今日はこのホーフブルクの一番人気の王宮博物館をご紹介します。
<ホーフブルク新王宮>
ウィーンのホーフブルクは、13世紀から20世紀初めまで実に7世紀の間、ハプスブルク家の宮殿として中央ヨーロッパの政治の中心となった、歴史的に非常に重要な建造物です。
時代と共に増築され、現在では旧王宮、新王宮、スイス宮など、宮殿の場所や用途によって区切られ、その内部のほとんどに様々な博物館や図書館、国際機関や政府機関が入っています。
<旧王宮側のミヒャエラ門>
今日はその中でも、ウィーンを訪れる人たちに人気の「皇帝の住居・シシィ博物館・銀器博物館」をご紹介します。ハプスブルク家の美貌の皇妃エリザベート(愛称はシシィ)は日本でもミュージカルなどで有名ですが、この王宮内には「シシィ博物館」という、彼女をテーマにした博物館があります。
<皇妃エリザベートを模った様々な土産物が売られています>
ミヒャエル門から王宮に入ったところに、「皇帝の住居・シシィ博物館・銀器博物館」の入り口があります。この三つの展示は一つの入場券で見学することができますが、なんといっても目玉は、国民から愛された皇帝フランツ・ヨーゼフとその美貌の皇妃エリザベートについての展示「皇帝の住居・シシィ博物館」です。
皇妃エリザベートは、自由な子供時代を過ごしたバイエルン地方からウィーンの皇室に嫁ぎ、その美しさとプロポーションを保つため努力を怠らず、その上乗馬はオリンピックレベル。宮廷の堅苦しさを避けるため旅を愛し、旅先のジュネーブで無政府主義者に暗殺されてその生涯を閉じました。
<シシィ博物館の入り口(最近改装されました)>
シシィ博物館に足を踏み入れると、彼女の美貌と後世に伝えられる華やかなイメージとは打って変わって、暗い展示室が続きます。
ホーフブルク内の中庭。背景のアマリエン宮内部に「皇帝の住居」と「シシィ博物館」の展示があります。
<王宮内部、展示へ至る階段>
ここでは、彼女が好んで身に着けた「シシィの星」と呼ばれる星形の髪飾りや、彼女が暗殺されたときに暗殺者が使用した「ヤスリ」、旅を愛した彼女が乗っていた専用列車の客室、旅行鞄、直筆の手紙や詩などが展示されていて、エリザベートの歴史を知っている人には興味深いものばかりです。
また、それに続く「皇帝の部屋」の展示では、有名なエリザベートとフランツ・ヨーゼフの肖像画や皇帝の執務室、皇后のサロン、寝室、ディナーテーブルなどを間近に見ることができます。
特に皇后がその美貌を保つために使用した美容体操器具や、肌の艶をよくするためにミルク風呂に入浴した時に使った浴槽、足元まで届く美しい黒髪を毎日何時間もかけて梳かせていた居室などは、エリザベートの美へのこだわりを知っていて見ると、感慨深いものがあります。
<王宮内展示の入り口(博物館内は撮影不可)>
また、皇帝の居室は、パリのヴェルサイユ宮殿などと比べ、意外に等身大というか、手の届かないような豪華な生活と言うわけではないのが好感が持てます。皇帝フランツ・ヨーゼフは、華美な装飾を好まず、勤勉に国民に尽くした皇帝として知られています。そのため、住居も実用的で、あの広大なハプスブルク大帝国の皇帝の住居とは思えない身近な感じがします。
王宮内のショップでは、「シシィの星」をはじめとした皇后エリザベートに因むアクセサリや、肖像画をあしらったお土産が購入できます。
この「皇帝の住居・シシィ博物館」は、シェーンブルン宮殿と並んで、ハプスブルク家の歴史を実感できる博物館です。教科書に出て来る歴史上の人物を、とっても身近に感じることができますので、歴史ファン、エリザベートファンの方はぜひ訪れてみてください。
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ひょろ
- オーストリア、ウィーン在住。10年以上暮らしてもまだ新しい発見の連続のウィーンの魅力を、記事執筆、現地調査、ネットショップなどを通じてお届けしています。国際機関勤務を経て、バイリンガル育児の傍ら、ミュージカル観劇が趣味。