タイタニック号が最後に立ち寄ったアイルランドの小さな港町「コーヴ(Cobh)」

コーク(Cork)から車で約30分のところにコーヴ(Cobh)という小さい港町があります。

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コーヴ(Cobh)と昔から呼ばれていたこの町ですが、1849年、ビクトリア女王が初めてアイルランドを訪れた際、初めてアイルランドの地に足を下ろしたのが実はこのコーヴでした。それ以来クイーンズタウン(Queenstown)という名前に改名されました。

しかし、1920年アイルランドのイギリスからの独立の際、名前を元の名前コーヴ(Cobh)に戻したという歴史があります。イギリスに支配されていた時に呼ばれていた名前が独立後変えられることはよくあったことで、コーヴも例外ではありませんでした。ちなみにCobhとはアイルランド語でCove(英語、日本語では入江)のこと。発音は同じです。

人口約1万500人ほどの小さい港町コーヴは昔から寄港町として有名でした。飢饉のときにはこの港からアメリカへ向けて旅立ちました。この町で最も有名なのは皆さんもご存じのタイタニック号です。

1912年、タイタニック号がコーヴに立ち寄り、123人の乗客を乗せて出発しました。タイタニック号が最後に立ち寄ったのがコーヴでした。そのためコーヴにもベルファスト同様タイタニック・ミュージアムやタイタニック・ウォーキングツアーがあります。今回はミュージアムをご紹介します。

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Titanic Experience (タイタニック・エクスペリエンス)と言います。ベルファストのタイタニック・ミュージアムとは違い、かなり小さなこのミュージアム。展示品もありますが、このコーヴからタイタニック号に乗って旅立った123人にもフォーカスを当てているところがベルファストのミュージアムとの大きな違いです。

このミュージアムは好きな時間に入場して好きに見ることができません。全員ツアーに参加しなくてはなりません。ツアーの時間を告げられます。そして入り口でチケットを購入します。するとこのようなチケットが貰えます。

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タイタニック号のボーディング・カードのレプリカになっています。よく見ると乗客のクラスが、そして左下には名前が書かれてあります。ボーディング・カードは一人ずつ書かれているクラスと名前が違います。この日私はサードクラスの乗客、マーガレット・マディガン、21歳。1912年4月11日にコーヴから乗ります。

ツアーに参加しなくてはいけないというのは実は私たち自身がコーヴから乗客した123人のうちの一人になり、他の乗客(来場者)たちと一緒にタイタニック号に乗る気分を味わうためでした。まさに「エクスペリエンス」。これはなかなか面白いです。

ボーディング・パスの一番上にWhite Star Line(ホワイト・スター・ライン)と書かれていますね。実はこのタイタニック・エクスペリエンスの建物は昔ホワイト・スター・ラインのオフィスでした。実際この建物から123人の乗客がタイタニック号に乗るために利用したのです。建物の裏の海岸沿いのデッキは当時このようになっていました。

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窓も当時のままです。

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ここからタイタニック号に乗るために搭乗したわけですが、実際タイタニック号は大きかったのでここに直接停泊せず、ここから少し離れてところに停泊していました。ここはHeartbreak Pier(ハートブレイク・ピアー)と呼ばれています。ここから家族と離れ遠く離れたアメリカへ行く。家族や友人、恋人と別れる寂しさ。。。そんなところからこんな名前が付きました。ここに小さな船が泊まり、それに乗り、タイタニック号に乗り継いだのです。

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ビデオを見てからガイドさんが案内と説明をしてくれました。こちらはサードクラスの乗客の部屋です。私、マーガレット・マディガンもここに泊まったわけですね。

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こちらはファーストクラスの部屋です。今見ても素敵ですね。

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余談ですが、ファーストクラスが片道870ポンドまたは4350ドル、現在のお金に換算すると約69,600ドル。サードクラスは8ポンドまたは40ドル。現在のお金に換算すると約640ドル。サードクラスと言えども安くはありません。ファーストクラスはやはり真のお金持ちが搭乗していたのですね。

4月14日、タイタニック号が沈没する前日のメニューが展示されていました。ファーストクラスのものです。

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当時のパスタ-や写真、手紙などももちろん展示されております。

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ガイドさんの説明が約35分ほど。その後はエキシビジョンルームを自由に見学することができます。ここでタイタニック号や沈没したときのことなどが詳しく学べます。

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そしてもう一つ学べることがあります。それはボーディング・カードに書かれていた名前の人物のことです。私はマーガレット・マディガン21歳でしたね。彼女がどんな人だったのか、そして生き残ったのかどうかがタッチトーンスクリーンを使って調べることができるのです。マーガレットはライフボートNo.15により救助されていました。

コーブから搭乗した123人のうち44人しか助かりませんでした。マーガレットは運が強い女性であったと言えます。

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小さいながらも見どころがあり、タイタニック号のことも学べ、コーヴから旅立った123人の乗客のことも知ることができる、タイタニック・エクスペリエンス。コーヴに訪れた際にはぜひお立ち寄りください。

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Titanic Experience

20 Casement Square, Cobh, Co. Cork

http://www.titanicexperiencecobh.ie/

【開館時間】

5月から9月‐午前9時から午後6時まで

1月から4月、10月から12月‐午前10時から午後5時30分まで

【ツアー最終時間】

5月から9月‐午後5時15分

1月から4月、10月から12月‐午後4時45分

※ツアーは15分おきに行われます

【入場料】

大人9ユーロ50セント、子供5ユーロ50セント、学生7ユーロ50セント、

シニア7ユーロ50セント、ファミリー24ユーロ

日本語のツアーはありません

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1999年よりダブリン在住の独身・アラフォー・会社員。

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