スペイン・トレド(スペイン美術の巨匠エル・グレコが愛した街)

スペイン美術の巨匠エル・グレコが愛した街トレド 中世の時が薫る絶景の古都

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写真提供:スペイン政府観光局

トレドは、スペインの中央部、マドリードの南約70kmに位置し、三方をタホ川に囲まれた城塞都市です。この街の繁栄は6世紀に西ゴート王国の都となったことから始まり、千年以上にわたってイベリア半島の中心として繁栄しました。『街全体が一つの博物館』と称されるトレドには、中世期の風格を宿す教会、修道院、モスク、城壁、橋などの建築物が驚くほど多く残されています。対岸の丘から街を見下ろすと、丘の斜面を埋めつくすのはスペインらしいレンガ色の屋根。しばらく眺めていると、まるで中世にタイムスリップしたような錯覚を覚える美しさ。「もしスペインに一日しか滞在しないなら、迷わずトレドへ行け」の格言に納得です。

狭い石畳の小道が迷路のように広がる旧市街の街並み。どこもかしこも古風な趣のある石造りの建物であふれ、中世そのままの世界が広がります。刀剣の産地として名声を博すこの街では、土産物屋の店先に並ぶ様々な剣や鎧が目を引きます。

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写真提供:スペイン政府観光局

街の中心部へさらに歩みを進めると、スペインカトリックの総本山、巨大な「カテドラル」が目の前に現れます。250年以上の年月をかけて完成したスペインゴシック様式の最高傑作といわれる大聖堂で、キリスト教とイスラム教の文化が融合したスペイン独特の「ムデハル様式」も取り入れられています。

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▲カテドラル(写真提供:スペイン政府観光局)

22の礼拝堂がある内部に足を踏み入れると、天井のフレスコ画と数百枚にもおよぶステンドグラスがつくり出す幻想的な空間に包まれるのです。

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▲黄金色に輝く「カテドラル」の大礼拝堂。高さ約30mの主祭壇には、キリストの生涯20場面を描いた彫刻がなされています。(写真提供:スペイン政府観光局)

そして聖具室には17世紀スペイン美術の巨匠エル・グレコの絵画『キリストの聖衣剥奪』をはじめ、キリストと十二使徒を描いた一連の作品が展示されています。

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▲エル・グレコがスペイン移住後の初仕事として製作した『キリストの聖衣剥奪』(1579年)。キリストが十字架に架けられる直前に衣服を剥がれる姿が色鮮やかに描かれています。(写真提供:スペイン政府観光局)

さらに、「カテドラル」とともに訪れたい「サント・トメ教会」には、『オルガス伯の埋葬』が残されています。20年の歳月を費やした大作で、エル・グレコの最高傑作といわれており、絵にはエル・グレコ自身や当時の著名人たちの姿がいきいきと描かれています。

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▲エル・グレコの最高傑作といわれる『オルガス伯の埋葬』(1588年)。サント・トメ教会の所蔵で、縦4m60cm、横3m60cmの大迫力の作品は、地上界と天界をドラマティックに表現しています。(写真提供:スペイン政府観光局)

新しい美術表現に寛大だったトレドの街が、独創性あふれるギリシア人画家エル・グレコの才能を大きく開花させたと言われています。彼が終生滞在し、愛し、描き続けた風景が今も息づくこの街は、芸術家を魅了し、その心を揺さぶる文化の揺籃だったのです。

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▲エル・グレコの家(写真提供:スペイン政府観光局)

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