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東国三社めぐり3(息栖神社)
式神の乗り物を祭る息栖神社 より身近な「土地の守り神」
<写真提供:神栖市観光協会>
江戸時代から続く聖地巡礼
江戸時代、「お伊勢のみそぎの三社参り」として篤い信仰を集めていた東国三社。利根川、常陸利根川、霞ケ浦、北浦など水の豊かなこの辺りでは、舟運も盛んで、物資の輸送のほか旅行者の移動手段としても用いられていました。たとえば、江戸中期頃、利根川を上下していた「木下茶船」の乗合船・遊覧船は、1日平均12艘運行しており、年間1万7,000人あまりの人が利用していたといわれています。また、息栖海岸には、東国三社参拝や下利根川地方遊覧のために各地から人が訪れ賑わいを見せていました。
東国三社最後の神社は、息栖神社をご紹介します!
<写真提供:神栖市観光協会>
息栖神社は、茨城県神栖市にあり、東国三社のうち他の2社に比べると、より素朴で落ち着いた雰囲気を持っています。応神天皇年間に創建されたと伝わっている、歴史のある古社です。御祭神は、アメノトリフネ。神話では、鹿島神宮のタケミカヅチの先導を行った式神の乗り物です。また、息栖神社の御神体は、2つの井戸で、海上守護の神様とも言われています。
日本三霊泉「忍潮井」
<写真提供:神栖市観光協会>
息栖神社で隠れたスポットなのが、常陸利根川沿いの大きい鳥居の両脇に設けられた2つの井戸です。それぞれの井戸の中に小さな鳥居が建てられ、水底を覗くとうっすらと瓶が見えます。この瓶は、男瓶(おがめ)、女瓶(めがめ)」と呼ばれ1000年以上もの間、清水を湧き出し続けてきたとされています。湧き出る清水は、忍潮井(おしおい)と呼ばれ伊勢の明星井(三重・あけぼのい)、山城の直井(京都)と並び、日本三霊泉のひとつに数えられています。また、瓶は水の澄んだ日にしか姿をみることがで きないため、見ることができると幸運が舞い込んでくるといわれています。
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