古代エジプトにおいては男性がファラオ(王)になるのが通例でした。女性が女王として国を統治した例は他にもありますが、後世に名を残した女王としてはハトシェプストは群を抜いていると思います。私がとくに惹かれるのは「戦争ではなく、交易によって国を繁栄させたこと」です。エジプトはナイル川の恵みもあって豊かな国ではありましたが、鉱物や動植物、スパイスなどエジプト国内ですべてが賄えるわけではなく。彼女は周辺諸国と積極的な交易関係を築くことで、エジプトをさらに豊かにしたのです。ハトシェプストは20年以上もの間国を統治しましたが、その間は内戦も発生せず、対外戦争は一度のみ。武力で富を得るのではなく、国の内側を豊かにしようとしたその政治姿勢は、他の男性ファラオたちと比較しても非常に際立っており、素晴らしいと感じています。
◀ハトシェプスト女王像
▲ハトシェプスト女王像
▲ハトシェプスト女王葬祭殿に描かれたプント国(現在のエリトリアル周辺)との交易を表した壁画