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呉線沿いにある古い町並みが残る安芸の小京都・竹原の魅力を紹介|広島県

<TOP画像:竹原の古民家から見下ろした>
瀬戸内海に面した竹原は、山陽本線から離れた呉線沿いにある歴史ある町です。平安時代に京都下鴨神社の荘園として栄え、「安芸の小京都」と呼ばれています。
もともとは安芸の国人領主・竹原小早川氏の拠点でした。毛利元就の三男・隆景が養子入りしてからは、瀬戸内水軍を率いる戦国大名毛利氏の要衝となりました。
江戸時代に入り1650年頃から播州赤穂の塩づくり技術を導入し、「タケハラを買う」と言われるほど大規模な入浜式塩田で栄えた「塩の町」となります。さらに北前船の寄港地だったこともあり、竹原は大いに繁栄しました。
当時の街並みが残されたことから1982年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。今回は竹原を訪問し、竹原の見どころやグルメ、おすすめのお土産などを紹介しましょう。
目次
- 呉線に乗って竹原へ
- 竹原の魅力 その1 竹原の町並み保存地区を歩く
- 竹原の魅力 その2 竹原の伝統的な建物群
- 竹原の魅力 その3 竹原の塩を再現する資料館
- 竹原の魅力 その4 高台に建つ照蓮寺・西方寺・長生寺
- 竹原の魅力 その5 古い町に残る小さな神社・仏閣たち
- 竹原の魅力 その6 駅から町並みエリアまでのまちづくり
- 竹原で食べたグルメは古民家でいただくお好み焼き
- 竹鶴酒造のある竹原、三つの蔵の地酒が美味い。道の駅にもお土産
- 竹原はじっくり回れば1日必要
呉線に乗って竹原へ
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<竹原に向かう車窓>
竹原への行き方は、広島もしくは三原から呉線に乗る必要があります。広島駅からの場合は広駅で乗り換えるパターンがあります。
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<竹原駅>
三原駅からは36分、広島駅からは1時間半ほどで竹原駅に到着します。
竹原の魅力 その1 竹原の町並み保存地区を歩く
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<竹原の町並み保存地区>
竹原といえば町並み保存地区です。駅からは15分ほど歩く必要があります。これはかつて竹原駅のあたりが干拓によってつくられた塩田で、その前は海だった場所だからです。
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<竹原の表通り>
古い町並みが残っているあたりが、かつての陸地だったところです。
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<竹原の路地>
表通りよりも裏道の方が楽しいのはどこも同じ。竹原も表の広い通りより、裏通りやそこへ繋がる路地を歩くとお気に入りの風景が見つかり、フォトジェニックな1枚が撮れるようです。
竹原の魅力 その2 竹原の伝統的な古民家・建築群
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<頼惟清旧宅>
古い伝統的町並みが残る竹原は、歴史ある建物・古民家が並んでおり、一部は観光客に公開されています。頼惟清旧宅(らい これきよ きゅうたく)は、幕末の尊王攘夷運動に大きな影響を与えた『日本外史』を執筆した頼山陽の祖父・頼惟清が染物屋を営んだ場所です。
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<旧松阪家住宅>
こちらは旧松阪家住宅です。代表的な商家の建物です。建築は江戸末期(1820頃)のものを、明治12年(1879)に全面的な改造を行い現在に至ります。
座敷は全体が数寄屋風の意匠で統一されているのが特徴です。唐破風の屋根や庇、出格子など堂々とした構えが印象的です。
松阪家は明治維新後に竹原町長を輩出し、文化活動を行っていた名家で、現在は竹原市の重要文化財に指定されています。
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<旧森川家住宅>
こちらは元竹原町長(大正13年〜昭和11年)だった森川八郎の邸宅です。
大正初期に造成した敷地に石垣および土塀をめぐらせ、主屋のほか離れ座敷・茶室・土蔵など、当時の屋敷構えがそのまま現存しています。
背景には塩田経営で膨大な利益がもたらされたことがあります。大正時代の質の高い住宅建築(大正5年頃移築)として、現在は一般公開されています。
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<胡堂>
こちらは胡堂(えびすどう)と呼ばれています。本町通りの最北にある胡堂は、竹原に数多く存在する小祠の中でも最大・最古のものとされます。
竹原は塩田業で栄えた町ですが、当時上市・下市があり、商業に関わる人たちの守り神として祀られていたと伝わります。
恵比寿・大黒天を祀っています。映画『時をかける少女』のロケ地としても有名です。
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<初代郵便局跡>
近代の遺構として初代郵便局跡(上吉井邸)があります。明治4年に建てられ、明治7年に郵便取扱所として使われました。利用されたのは60年ほどで、昭和9年に移転しました。
胡堂(えびすどう)
- 所在地:広島県竹原市本町3丁目
- 公式サイト:ひろしま竹原観光ナビ|胡堂
竹原の魅力 その3 竹原の塩を再現する資料館
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<旧笠井邸は塩だんなの家>
数ある伝統的建築物のうち、ぜひ訪問したいのが旧笠井邸です。明治5年に浜だんな(塩田経営者)の家として建てられました。
本瓦葺の大屋根、袖壁を設けた造りで、2階の梁など見どころが豊富です。3月の雛めぐりなど、さまざまなイベントの会場として基本的に無料開放されています。
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<竹原の塩づくりを紹介、再現している>
かつて盛んだった竹原の塩づくりの伝統を未来に伝えるための活動拠点でもあります。1960年に310年続いた塩田事業が終わりますが、2005年から再現のためにNPO法人ネットワーク竹原が立ち上がり、自然のミネラル豊富な自然海水塩「たけはらの塩」の生産を行っています。
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<昔の塩田の様子を見ながら竹原の歴史を知る>
かつての塩産業で賑わっていた竹原の塩田の様子が紹介されており、写真展示があります。「たけはらの塩」の販売もしていました。
旧笠井邸
- 所在地:広島県竹原市本町1丁目9-11
- 開館日・開園時間:10:00~16:00
- 休館日:不定休(年末年始:12月26日~1月4日)
- 入館料:無料(イベントにより、有料になる場合もあり)
- 公式サイト:ひろしま竹原観光ナビ|旧笠井邸
竹原の魅力 その4 高台に建つ照蓮寺・西方寺・長生寺
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<照蓮寺>
竹原には町家を見下ろすように寺院が並んでいます。代表的な3つの寺を紹介しましょう。照蓮寺は浄土真宗本願寺派の寺ですが、もともとは曹洞宗の定林寺という禅寺でした。
木村城城主だった竹原小早川氏の学問所でした。しかし1603年に宗具という僧が入山し、浄土真宗西本願寺派になりました。
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<国重要文化財の鐘>
こちらは国の重要文化財に指定されている高麗鐘です。唐物貿易で手に入れた小早川家が寄進したと伝わりますが、「峻豊4年(963)」と陽刻されていることから、日本最古の高麗鐘とされます。
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<門から見える町並み>
学問所だったこともあり、多くの人物が学んだため、寺には古文書類が保存されているそうです。境内には本堂、経蔵、鐘楼門、庫裏などがあり、小祇園と呼ばれる名園もありますが、今回は時間の関係で境内のみの見学としました。
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<西方寺>
西方寺は竹原にある寺院の中でも高いところにあります。もともと田中町(現存しない地名)にあった禅寺でした。一説には本町1丁目の地蔵堂の隣にあったと伝わります。
現在の場所にあった妙法寺が慶長7年(1602)に火災で焼失し、翌年妙法寺跡に西方寺が移り、浄土宗に改宗したそうです。
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<西方寺の高台へ>
西方寺本堂横に階段があり、その高台に普明閣があります。普明閣は宝暦8年(1758)の建築で、京都の清水寺の舞台を模してつくられたと伝わります。
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<西方寺の高台から瀬戸内海も一望>
もっとも高いところからの眺めが素晴らしく、竹原の街の向こうに瀬戸内海や湾岸の工場群が見渡せます。かつてはここから塩田が一望できたのでしょう。
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<長生寺>
長生寺も階段を上がった高台にあります。
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<長生寺の鐘楼>
天正15年(1587)、伊予の戦国大名・河野通直が小早川軍に敗れて竹原に逃れるも病没します。それを悼んだ小早川隆景が建立したのが長生寺で、寺領として二百石を寄進しました。
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<長生寺境内にある金比羅>
その後、正保元年(1644)に福山の僧・快辺が寺を再興します。以降は真言宗寺院となり、昭和37年(1962)に現在の本堂が建てられました。境内には金毘羅社、大師堂、庚申堂があります。
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<長生寺から竹原を一望>
長生寺からは竹原の街が一望でき、歴史ある古い街並み全体が見られます。
西方寺
- 所在地: 広島県竹原市本町3丁目10-44
- 開門時間:8:00~18:00
- 休館日:無し
- 入場料:無料
- 公式サイト:ひろしま竹原観光ナビ西方寺
竹原の魅力 その5 古い町に残る小さな神社・仏閣たち
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<出雲神社>
竹原には小さな神社や寺が点在しており、町を歩きながらスポットを探すのも楽しみのひとつです。画像は出雲神社で、塩田の神様として300年ほど前に出雲大社から勧請されたものです。
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<楠神社>
大きな楠を御神体にした楠神社があります。祭神は楠正成命と須佐之男命を祀っていますが、創建については不詳です。大正時代に現在の拝殿が建立されました。
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<地蔵を抱えて幸運を呼ぶ抱え地蔵>
こちらはお抱え地蔵と呼ばれるもので、1650年に創建されたと伝わります。願い事を祈り、実際に地蔵を持ち上げると幸運を呼ぶと伝えられています。実際に抱えてみましたがとても重く、ほとんど持ち上げることができませんでした。
お抱え地蔵
- 所在地: 広島県竹原市本町3丁目
- 公式サイト:お抱え地蔵
竹原の魅力 その6 駅から町並みエリアまでのまちづくり
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<竹原駅前商店街>
竹原の歴史では、町並みのある場所から海までは塩田のために干拓された場所で、その後駅前に商店ができたため、駅からの間は商店街を歩きます。
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<ももねこ様石像>
商店街も活性化のために頑張っています。商店街の三叉路には、竹原が舞台となったアニメ『たまゆら』に登場するキャラクター「ももねこ様」の石像が鎮座しています。
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<火事で焼けた商店跡>
昨年4月30日に火事があり、多くの建物が全焼しました。その跡地は広場になっていました。再生を目指して寄付を募り、2000万円もの寄付が集まりました。その寄付をもとにさまざまな取り組みが行われるそうです。
ももねこ様石像
- 所在地:広島県竹原市中央2丁目9-24
竹原で食べたグルメは古民家でいただくお好み焼き「ほり川」
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<店の入口>
竹原のグルメを探していると、広島のお好み焼きを出している人気店「お好み焼き ほり川」を見つけました。
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<地元客も来るお好み焼きの名店>
竹原の観光スポットの真ん中にあり、古民家をリノベーションした建物なので観光客向けかと思いましたが、地元のお客さんも多く賑わっていました。
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<お好み焼き>
ということでお好み焼きをいただきました。食べてみて人気の理由がわかる美味しさ。ソースの濃さと程よい焼き加減のお好み焼きが見事に調和していて、とても美味しかったです。
お好み焼 ほり川
- 所在地:広島県竹原市本町3-8-21
- 営業時間:11:00~14:00(L.O 13:30)、17:00~19:00(L.O 18:30)
- 休館日:水曜
- 公式サイト:お好み焼 ほり川
竹鶴酒造のある竹原、三つの蔵の地酒が美味い。道の駅にもお土産
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<ウイスキーを作った竹鶴夫妻>
竹原の町で忘れてはいけないのが竹鶴です。町の中に、ニッカウヰスキーを作り「日本のウイスキーの父」といわれた竹鶴政孝と、妻でスコットランド人のリタ(ジェシー・ロベールタ・カウン)の銅像があります。2014年のNHK連続テレビ小説『マッサン』のモデルとなりました。
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<竹鶴酒造>
竹鶴政孝が生まれた竹鶴は、竹原にある日本酒の酒蔵です。日照時間が長く、降雨量が少ない竹原は塩づくりだけでなく米作りにも適しており、大正時代には酒造りの街として発展し、最も多い時には26もの造り酒屋があったそうです。
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<藤井酒造>
現在残る造り酒屋は、竹鶴のほか、藤井酒造、そして中尾醸造の3軒です。
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<お酒の販売>
藤井酒造は「龍勢」という銘柄の日本酒を造っており、酒蔵の一部を酒蔵交流館として開放し、お酒などを販売しています。
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<酒以外の名物>
もちろん、地酒以外にも竹原のカレーパンなどの名物があります。
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<道の駅たけはら>
そして忘れてはいけないのが道の駅たけはらです。竹原でのお土産は地酒も含めてすべて揃っています。町並みから駅の途中にあるので、できれば帰りに立ち寄りましょう。
道の駅 たけはら
- 所在地:広島県竹原市本町1丁目1-1
- 営業時間:9:00~17:00
- 定休日::第3水曜 ※公式サイト要確認
- 公式サイト:道の駅 たけはら
竹原はじっくり回れば1日必要
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<西方寺普明閣>
竹原は町並みのほか、かつての塩田の歴史や、『日本外史』を著して尊王攘夷思想を広め、幕末の志士たちに多大な影響を与え、明治維新へと繋がった頼山陽とも関わりのある地です。
半日でも回れますが、できれば1日かけてじっくりと回りたいところ。町並みを散策する前に、ある程度歴史などを調べておくと、より楽しい町歩きができるでしょう。
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万代正平
- 旅行が好きな旅人。日本国内は、北海道の網走、道東周辺から沖縄の八重山諸島・与那国島まで47都道府県すべて行ったことがあります。2020年2月までは毎年東南アジアに渡航しており、東南アジア10か国すべて訪問しました。海外では他にヨーロッパ(英国、ベルギー、アイルランド)アメリカ、中国、香港、マカオ、台湾、韓国への渡航経験があります。2020年春以降は、主に国内の旅行を中心に活動しています。




























