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ラオスの古都ルアンパバーンとその郊外

<TOP画像:ワット・シェントーン本堂のモザイク©KanmuriYuki>
今日はちょうど今が旅行のベストシーズンであるラオスの古都ルアンパバーン(ルアンプラバンと表記されることも)をご紹介します。
目次
- 1995年には世界文化遺産に登録
- 旧市街は細長い半島
- 元王宮を用いたルアンパバーン国立博物館
- 見晴らしの良いプーシーの丘
- 町歩きのすすめ
- 美しいクワンシーの滝
- ディープなラオスを求める方には
- ナムハー自然保護区のトレッキング
- 観光客が増えつつあるノーンキャウ
1995年には世界文化遺産に登録
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<恵みの川メコン©KanmuriYuki>
ラオスは、簡単に言えばメコン川に沿う細長い国で、東のベトナムと西のタイに挟まれて、海には面していない国。ルアンパバーンは、そのラオス国土の北方に位置し、14世紀にはラーンサーン王国の首都に定められ、続くルアンパバーン王国の首都でもありました。
そういう背景を持つだけあり、旧市街には元の王宮をはじめ、歴史ある寺院や僧院が少なくなく、1995年には、町全体がユネスコの世界文化遺産に登録されています。
ちなみに、現在のラオスの首都はビエンチャンで、ルアンパバーンからメコン川を南に下ったところにあります。
冒頭にも書きましたが、11月から2月は乾季にあたるため、雨も少なく、気温も高すぎず、旅行には最適な季節です。
旧市街は細長い半島
ルアンパバーンには小さいながらも国際空港があり、中国、タイ、ベトナムとの路線が存在します。ちなみに私は今回ハノイ経由のベトナム航空を利用しました。空港から市内までは車で約15分。予約したホテルに送迎車を頼んでおくと安心です。
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<メコン川とナムカン川の合流点©KanmuriYuki>
見どころが集まっているルアンパバーンの旧市街は、メコン川とナムカン川に挟まれた細長い半島にあり、この半島の先端ではメコン川にナムカン川が合流しているのが見られます。
半島の幅は300m前後で、長さは約1.5kmなので、半島内は十分徒歩で巡ることができます。全体に大小の寺院僧院が建っていますが、特に有名なのは、半島先端近くにあるワット・シェントーン。16世紀建立の本堂のルアンパバーン様式の屋根のほか、美しいモザイクの装飾が印象的です。
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<ワット・シェントーンの小堂©KanmuriYuki>
ワット・シェントーン
- 所在地:V4WV+VFM, Khem Khong, Luang Prabang, ラオス
- 拝観時間:8:00~17:00
- 休館日:なし
- 入場料:3万キープ(外国人)
- 公式サイト:ワット・シェントーン
元王宮を用いたルアンパバーン国立博物館
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<ルアンパバーン国立博物館の黄金堂©KanmuriYuki>
逆に半島の付け根側には、ルアンパバーン国立博物館があります。敷地内には、博物館の見どころである元王宮のほか、貴い仏像を納める黄金堂、劇場などが点在しています。
建物内部の撮影は禁止されていて、荷物はすべて指定のロッカーに預けなければならないのでご注意ください。
ルアンパバーン国立博物館
- 所在地:27 Ounheun Rd., Luang Prabang
- 電話:+856 20 57 895 313
- 開館時間:8:00~11:30、13:00~15:30
- 休館日:毎月最終木曜日
- 入場料:6万キープ(外国人)
- 公式サイト:ルアンパバーン国立博物館
見晴らしの良いプーシーの丘
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<プーシーの丘からの見晴らし©KanmuriYuki>
この王宮博物館のちょうど南側には、プーシーと呼ばれる小高い丘があります。300段あまりの階段を上らなければいけませんが、頂上から一望できるルアンパバーンの町の見晴らしはなかなかのものです。
プーシーへ上る階段は、博物館の向かいからまっすぐに伸びるものが一番メジャーですが、もう少し半島の先端側へ行ったシプタバット寺院の裏からも登ることができ、こちらのほうが人も少なく、階段の傾斜も緩やかです。
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<プーシーの丘への階段一部©KanmuriYuki>
プーシーの丘
- 所在地:Ban Pakham, Sisavangvong Road, Luang Prabang
- 電話:+856 20 98 972 772
- 営業時間:6:00~18:00(季節により変動あり)
- 定休日:なし
- 料金:3万キープ(外国人)
- 公式サイト:プーシーの丘
町歩きのすすめ
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<メコン川沿いのレストランからみた夕陽©KanmuriYuki>
半島の先端と王宮博物館との間にも、寺院や、趣ある町並み、民芸品の店などが並んでいて、ぶらぶら歩くのも楽しいかと思います。レストランも点在しますが、特にメコン川に面している半島北側のウォーターフロントには多くのレストランが並びます。
メコン川の向こう岸や、少し上流にあるパクゥー洞窟への船も、この辺りで交渉して乗ることができます。
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<船乗り場から見上げたパクゥー洞窟©KanmuriYuki>
ラオスでの町歩きの際は服装に気をつけましょう。寺院や僧院は、肩やひざが出た服装では入れません。また拝観の際には靴を脱ぎ、帽子をとる必要もあります。プーシーの丘は屋外ですが、山頂にはストゥーパがあるため、同じく服装への注意が必要です。
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<朝市風景©KanmuriYuki>
その他、市内で必ず見てほしいのは、通りに立つマーケットです。モーニングマーケットでは、野菜や果物、魚、肉などの食料品が主に売られており、庶民の力の源を感じます。
夕暮れに立つナイトマーケットは更に大規模で、美味しそうな屋台や、色とりどりの工芸品がずらっと並びます。土産物店より格段に安いことが多いので、何かお目当てがあるときは、まずナイトマーケットで探してみることをおすすめします。
美しいクワンシーの滝
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<クワンシーの滝自然公園©KanmuriYuki>
ルアンパバーンから日帰りで行ける郊外の見どころはいくつがありますが、私の一押しは、クワンシーの滝です。ルアンパバーンからは30kmほど南方にあるため、車でのツアーとなります。宿泊先に聞けば、手配の仕方を教えてもらえるはずです。
団体のツアーに参加すれば安価ですが、ゆっくり時間を気にせず巡りたい場合は、個人で運転手付きの車を手配するのも可能です。
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<美しい水の流れ©KanmuriYuki>
クワンシーの滝とは言いますが、滝だけを見るのではなく、美しい流れに沿って、自然公園の中を散策するような場所です。石灰岩の上を流れるエメラルドグリーンと乳白色を混ぜたような美しい色の川を、遊歩道伝いに堪能することができます。
一部、水遊びが可能な区間もあるので、泳いでみたい方は水着とタオルをお忘れなく。
ディープなラオスを求める方には
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<ルアンパバーンの街角で©KanmuriYuki>
日本人の目から見れば、ルアンパバーンは決して大きな町ではありませんが、ラオスでは重要な都市のひとつです。ホテルやゲストハウスも多く、電気もつけば、お湯も出ます。
けれども、ラオスの田舎では、私たちがあって当然と思っているインフラが必ずしも整ってはいません。
そういうディープなラオスに興味がある方向けに、ルアンパバーンから数日で巡れる観光拠点をご紹介しておきましょう。
ナムハー自然保護区のトレッキング
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<ナムハー自然保護区©J.-B.E.>
ルアンパバーン北西方にはナムハーと呼ばれる原生林の自然保護区が広がっています。トレッキングの拠点となるのは、ルアンナムターという町。ルアンパバーンからは、まず電車で3~4時間のナトゥイまで行き、そこからバスで1時間強です。
ラオスでは時間がゆったりと流れており、バスの発車時間もあってないようなものなので、時間には余裕を見て移動することをおすすめします。
トレッキングは、町中の観光会社で申し込んですることになります。ちなみに、家人が参加した二泊のガイドさん同行のトレッキングは、グループに参加するなら一日30~35USドル。
ひとりで参加の場合は一日約100USドルでした。この値段には、ルアンナムターと自然保護区入り口間の車移動と、宿泊代、食事代が含まれています。トレッキングは平均一日4時間ほどだったそうです。
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<現地調達の食事:お箸やスプーンもガイドさんがその場で削って作ってくれたもの©J.-B.E.>
宿泊所は、現地の人の家となります。家族たちとは別な部屋ですが、グループで参加すると他の参加者と同じ部屋になる可能性もあります。また、トイレやお湯シャワー、電気がない家も珍しくないので、そのあたりも念頭においてお出かけください。
食事は現地で調達します。昼はガイドさんが作ってくれたり、夜は宿泊先の家の人と一緒に食べたりします。
観光客が増えつつあるノーンキャウ
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<のどかな田舎の朝靄©J.-B.E.>
ナムハーよりも観光客が多い拠点は、ルアンパバーン北東のノーンキャウです。上記のルアンナムターからはバスで8時間、ルアンパバーンからならバスで約4時間の距離に位置します。
ノーンキャウからもいくつかのトレッキングコースがあります。舟やカヤックを利用するルートが多いので、変化のある景色が楽しめるでしょう。
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<宿泊した家で出されたご馳走©J.-B.E.>
こちらの泊りがけトレッキングも、宿泊先は現地の方の家なので、電気がなかったり、トイレが家の外の場合があります。
いずれにせよ、泊りがけのトレッキングに出かける時は、拠点の宿に大きな荷物は預け、貴重品と1,2泊分だけの必需品を入れた小さなリュックサックで出かけるのが最善です。
ノーンキャウの町
素顔のラオスをご覧になりたい方は是非参考にしてください。
(冠ゆき)
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冠ゆき
- 山田流箏曲名取。1994年より海外在住。多様な文化に囲まれることで培った視点を生かして、フランスと世界のあれこれを日本に紹介中。




























