夜のアドリア海を航く!イタリア~ギリシャ間フェリー乗船記

2025年6月、南イタリア・ギリシャをめぐるツアーの途中、イタリアのブリンディジからギリシャのイグメニッツァへと国境をわたるフェリーに乗船しました。船でひと晩を過ごすのは初めての体験で「船酔いは大丈夫かな」など色々と不安を抱えていましたが、乗船を終えた一番の感想は「乗ってしまえばあっという間!」でした。

豪華なクルーズ船ではありませんが、「すごく揺れたらどうしよう」「もしかして2段ベッド?」など不安が募りハードルが高く感じている方に、これなら楽しいかも!と前向きに感じていただけたら嬉しいです。

目次

アッピア街道の終点、ブリンディジ


イタリアの"かかと"に位置するプーリア州の港町ブリンディジ。ローマ帝国時代よりイタリアの代表的な港のひとつとして栄えてきた歴史ある街並みと、洗練されていながらも落ち着いた雰囲気が魅力です。現在でも東地中海航路へと通じる拠点であり、多くの観光客が訪れることから、メインストリート沿いにはレストランや食料品店が並びます。

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ブリンディジは2024年に世界遺産に登録されたアッピア街道の、終点の街。海を見下ろす階段の上には、今も終点を示すローマ時代の柱が残されています。高さは19m。オリジナルは2世紀に建てられたものですが、16世紀の地震で倒壊したため現在は下の方だけが残り、すぐ隣に並ぶレプリカが往時の様子をしのばせます。

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広々としたターミナル


海沿いのレストランで夕食を済ませたら、スーパーマーケットを探し当てお水と明日の朝食を調達(※オフシーズンの冬季にはほとんどのお店が閉まるため、ブリンディジ市街より、郊外のショッピングモールなどで夕食も買ってくる方が良い場合もあります)。その後、バスでフェリーのターミナルへ移動します。建物は想像していたより近代的!この日は渋滞もなく順調で、観光客で混雑し始める前に到着できたため、ベンチに座ってサンセットを眺めながら待つことが出来ました。抜けるように青かった空と海がだんだんと茜色に染まり、旅の趣も深まります。

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すっかり暗くなったころ、フェリーが着岸。待ち時間中に配られたチケットを見せて、いよいよ乗船です。運送業の方々のトラックがゴウンゴウンと吸い込まれていくのを横目に、歩行者用の通路から船内へと向かいます。

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フェリーの内部は?

エントランス・ロビーには円柱が何本も並び、ギリシャらしい雰囲気の絵や装飾もあり結構お洒落。クルーの方がエレベーターの場所など簡単な船内案内をしてくれました。ソファでくつろげるラウンジの横には売店もあり、ギリシャのジュースやワイン、スナックなどが置いてありました(この日は開いていましたが、ハイシーズン以外はたいてい閉まっているそうです)。

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展望デッキにも出てみました。日中はかなり暑かったこともあり、ぼんやりと遠ざかる街灯りを眺めながら涼しい夜風に当たるのは気持ち良かったです。

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いよいよ船室へ

ツインルームの中はこんな感じです!壁付けのテーブルとイスを挟むようにベッドが2台並んだ、シンプルな造り。決して広いお部屋ではないですが、クローゼットなどの家具調度がどれもコンパクトで機能的なしつらえになっているので、圧迫感は感じませんでした。洋上ではインターネットが繋がらなかったのですが、心配していた揺れや振動はほぼ気にならず、PC作業やガイドブックの文字を読んでいても全く船酔いはしなかったです。

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お手洗いとシャワーは各部屋に付いています。

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最後に

~これから乗られる方へのワンポイントアドバイス~

◆アメニティ類はイタリア/ギリシャの3つ星ホテル相当。日本のホテルのように充実していませんので、ひと晩の滞在に必要なもの(洗面用品、歯ブラシ、髭剃り、スリッパ、パジャマ、ドライヤー、ポットなど)はご自身でお持ちください。
◆船内には基本的に朝食を食べられるレストランがありません。イタリアのスーパーで買えるような冷蔵ドリンク類は、甘いカフェラテばかりでブラックコーヒーが無いことが多いです。ギリシャに着いてからサービスエリアなどに立ち寄れば多くの場合カフェが併設されていますのでコーヒーも飲めると思いますが、お手洗いが気になるから移動中は控えたいという方も多いのではないでしょうか。というわけで、朝はどうしてもブラックを飲みたい!というコーヒー党の方がもしいらっしゃったら、缶コーヒーやポット+ドリップバッグなど持参されると良いです。
◆船内は英語・イタリア語・ギリシャ語が飛び交うグローバル空間!英語の「ハイ」や「ハロー」にあたる2つの単語、イタリア語で「チャオ」・ギリシャ語で「ヤーサス」をぜひ覚えておいて船員さんに言ってみてください。きっとニコッとしてくれますよ。

旅というのは、その多くが移動でもありますよね。イタリアを夜に出発し、早朝にギリシャに到着できるフェリーなら、旅行中の限られたお時間を有効に使えます!この機会にぜひ、夜のアドリア海を渡って2つの国をめぐってみてはいかがでしょうか。

※注※イタリア~ギリシャ間を結ぶ航路・船会社、船の機材は複数あります。あくまでこの日の体験記であり、実際にツアーで利用する船会社や機材は予告なく変更される場合があります。

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