非日常を走る観光列車「リゾートしらかみ」で、ゆったりローカル旅へ【秋田~青森】

青森と秋田を結ぶ五能線 を走る観光列車「リゾートしらかみ」は、日本海と白神山地、五能線を走る憧れの観光列車です。

車窓いっぱいに広がる白神山地のブナ林や、日本海のきらめく水平線を眺めながら、のんびりと時間が流れていきます。今回は実際に乗車し心地よい揺れに身をゆだねながら、絶景と文化にふれてきましたので、その魅力をご紹介します。

目次

リゾートしらかみとは?

秋田と青森を結ぶ五能線を走る観光列車「リゾートしらかみ」

秋田と青森を結ぶ五能線を走る観光列車「リゾートしらかみ」は、日本海の絶景と世界自然遺産 白神山地 の豊かな自然を一度に楽しめる、特別な列車です。

窓いっぱいに広がる海原は、まるで車内に潮風が吹き込むかのよう。波打ち際ぎりぎりを走り抜けるダイナミックな景色は、日常を一瞬で忘れさせてくれます。

反対側にはブナ林の山々が連なり、四季折々の彩りで目を楽しませてくれます。列車や区間によってお楽しみのアトラクションも。

走る美術館のような車両デザインや、ゆったりした座席、大きな窓も魅力です。静かに揺られながら美しい景色と土地の文化に触れる時間は、まさに、旅そのものです。

車両と座席、快適な旅のポイントはここ!

リゾートしらかみ は、車内空間

リゾートしらかみ は、車内空間もこだわりが詰まっています。全席指定席でゆったりとした座席は大きな窓に面して配置され、どこに座っても絶景を満喫できるのが魅力。

シートは柔らかくリクライニング可能で、長時間の乗車でも快適に過ごせます。編成は「青池」「橅(ブナ)」「くまげら」と個性豊かな3タイプがあり、木目を基調とした温もりある内装や、展望スペース・ボックスシート・畳敷きスペースなど、車両ごとに異なる趣向を楽しめるのも特徴です。

車内では津軽三味線の生演奏や観光案内、地域グルメ販売などもあります。今回私は、「橅ブナ」のボックスシートに乗車しました。

「橅ブナ」は白神山地に広がるブナ林をイメージしたデザインが特徴です。外観は鮮やかなグリーンを基調にしたカラーリングで、自然と調和するやさしい雰囲気。

車内は木目調を取り入れた温もりある内装で、広々とした大きな窓からは 五能線 の日本海や山並みをゆったり眺められます。

座席はリクライニング可能な指定席で、ボックスシートや展望スペース、子ども向けの畳敷きスペースなどもあり、グループやファミリーにも人気です。また車内には売店カウンターがあり、沿線グルメや地元のお菓子などを購入できるのも楽しみのひとつです。

橅ブナ号のボックスシート
<橅ブナ号のボックスシート>

ボックスシートは広々としていて椅子になっていますが、ソファーの下部を広げると靴を脱いでのんびりと足をのばすことが出来ます。

五能線の見どころや絶景と観光名所

今回の乗車区間は、「千畳敷駅」~「能代駅」までです。絶好のお天気に恵まれ素晴らしい景色が撮れました。

岩盤が広がるダイナミックな景色
<岩盤が広がるダイナミックな景色>

千畳敷は、宝暦年間の大地震で隆起した岩盤が日本海に広がる景勝地。ごつごつとした岩礁が一面に広がり、干潮時には歩いて散策することもできます。

海岸線ぎりぎりを走る五能線の車窓からは、打ち寄せる波と岩の迫力ある景観が間近に。夕暮れどきには、岩肌と海面が茜色に染まり、思わず息をのむ美しさです。

千畳敷を過ぎると、車窓左手に続く日本海は一段と近づき、波音が聞こえてきそうなほど。深浦〜広戸間は、海岸線のカーブに沿って列車がゆったりと走り、水平線と車両が並走するかのような光景が広がります。車窓いっぱいに広がる青と白の世界は、五能線屈指の絶景ポイントです。

深浦駅では、青池号と遭遇
<深浦駅では、青池号と遭遇>

やがて 岩館付近に近づくと、景色は一転して緑豊かな山あいに。背後には世界自然遺産 白神山地 のブナ林が連なり、四季折々の表情を見せてくれます。新緑や紅葉の時期には特に美しく、海と山のコントラストが楽しめる贅沢な区間です。

岩舘駅付近の絶景  
<岩舘駅付近の絶景>

八森駅周辺では、車内アナウンスで紹介される「ハタハタ館」や「道の駅はちもり」も立ち寄りスポットとして人気。秋田名物のしょっつるラーメンや海産物を味わうことができます。列車旅と合わせて途中下車するのもおすすめです。

いよいよ下車駅、能代に近づくと、列車は再び海沿いへ。白砂青松の風の松原は、約700万本のクロマツがつくる日本最大級の松林で、能代の風景を象徴する存在です。

能代市内ではバスケットボールの街らしく、能代バスケミュージアムなどスポーツ文化に触れられる施設もあります。

能代駅でくまげら号と出会う  
<能代駅でくまげら号と出会う>

千畳敷から能代までの道のりは、変化に富んだ車窓と地域文化が凝縮された、まさに五能線の魅力を一度に味わえる区間。海・山・人の温もりを感じるローカル線の旅は、心に残る特別な時間となりました。

おすすめのお土産やグルメ情報

千畳敷駅前、千畳敷センターの人気のイカ焼き
<千畳敷駅前、千畳敷センターの人気のイカ焼き>

千畳敷駅から能代駅までの区間には、個性豊かで旅の思い出にぴったりなお土産が点在しています。まず千畳敷周辺で立ち寄りたいのが、深浦町の特産「いか焼き」や「深浦マグロ」関連品。

海風を浴びながら、香ばしく焼かれたイカの風味を楽しめる真空パック入りのいか焼きは、日持ちもするためお土産に最適です。また、深浦産の本マグロを使ったツナ缶やマグロジャーキーなども人気で、地元道の駅や観光案内所で購入できます。

秋田犬のマスコットとりんごジュース、イカ焼きは千畳敷駅前のセンターにて   
<秋田犬のマスコットとりんごジュース、イカ焼きは千畳敷駅前のセンターにて>

列車が岩館駅や八森駅方面へ進むと、秋田県に入ります。ここでぜひ手に入れたいのが、八峰町名物の「はたはた寿司」。秋田の伝統的な発酵食で、冬に水揚げされたはたはたを麹や米とともに漬け込んだもので、酸味と旨味が絶妙に調和しています。

真空パック入りの少量サイズも販売されているので、気軽に持ち帰れます。また、八森港近くでは「しょっつる」もおすすめ。ハタハタを原料にした魚醤で、和食の隠し味やパスタなどに使うと旨味がぐっと深まります。

終着の能代駅周辺では、能代ならではのお菓子や工芸品をチェックしましょう。能代市は「バター餅」発祥の地として知られ、ふんわりやわらかい餅にバターや砂糖を練り込んだ素朴な味わいが人気。

個包装タイプも多く、職場や友人へのお配り土産にもぴったりです。また、能代は秋田杉の産地でもあり、美しい木目を活かした「曲げわっぱ」や箸、コースターなどの木工品も豊富。使うほどに風合いが増す秋田杉製品は、長く旅の思い出として手元に残せる逸品です。

このように、千畳敷から能代にかけての沿線には、海の恵みから伝統工芸まで、土地ならではの魅力が詰まったお土産が揃っています。車内のお土産や下車駅でのお土産でも楽しみの一つです。

まとめ|リゾートしらかみで五能線を満喫しよう

リゾートしらかみは、五能線沿線の絶景と観光スポットを快適に楽しめる予約の取りづらい人気の列車です。路線、時期、車両により、地元の方が乗り込みその土地の特産品を販売したり、津軽弁の「語りべ」、津軽三味線ライブなど、さまざまなイベントが行われます。
次の旅行では、リゾートしらかみに乗って五能線の魅力を堪能してみませんか?

リゾートしらかみ

※主な予約方法:ご利用日の1ヶ月前の午前10時よりJRの主な駅のみどりの窓口および指定席券売機で発売いたします。

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みちたび

福岡県在住、旅行会社勤務歴約30年です。現在は、東北地方と九州地方のツアーをコーディネート、ツアーコンダクターとして現地を案内しています。地元の人と一緒に情報発信しています。

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