アロハとアートが出会う場所 ホノルル美術館【ハワイ】

ワイキキの賑やかなビーチや、アラモアナ、カカアコのショッピングエリアから少し離れた場所に、ゆったりと時が流れるアートの楽園「ホノルル美術館(Honolulu Museum of Art)」があります。

南国の太陽と爽やかな風に包まれたここは、ハワイで最も大きな美術館でありながら、訪れる人にはどこか落ち着いた雰囲気を感じさせてくれる場所です。

ビーチやショッピングの合間に、心を整え、旅の感性を豊かにするひとときを過ごしてみませんか。

目次

ホノルル美術館の歴史

<美術館に入ってすぐ正面の中庭(Central Courtyard)>
<美術館に入ってすぐ正面の中庭(Central Courtyard)>

ホノルル美術館の誕生は1927年で、創設者は、1853年オアフ島の実業家一家に生まれたアンナ・ライス・クック女史。幼い頃から芸術に親しみ、限られた女性の社会的役割の中で7人の子を育てながら、美術品を収集し続けました。

当時のハワイは、アメリカ本土やアジアとの交易で多様な文化が交わる場所でしたが、美術館はまだ存在しませんでした。

「ハワイの人々が世界の美術に触れられる場所をつくりたい」という思いを抱くようになったクック女史は、自身の家を解体して土地を寄贈。その情熱は多くの賛同を集め、ホノルル美術館はオアフ島初の本格的な美術館として開館しました。

美術館の見所 1. 収蔵物

ホノルル美術館の常設コレクションは、1927年に開館した当初の875点から、現在では約5万5千点にまで増え、展示品の時代は5,000年にもわたります。

所蔵品は、アジア美術、アメリカおよびヨーロッパの絵画、豊富な版画コレクション、織物、そしてアフリカ、オセアニア、アメリカ大陸の伝統的な作品など、多岐にわたります。

特にアジア美術の充実ぶりはハワイならではで、日本の浮世絵コレクションは、歌川広重や葛飾北斎といった巨匠の作品が並び、江戸時代の人々の暮らしや四季の移ろいを鮮やかに伝えます。

中国の陶磁器は、色鮮やかな青花や精緻な染付が時代ごとに揃い、インドの細密画や東南アジアの仏教彫刻も必見で、アジア各地を旅するように展示室を巡ることができます。

<印象派絵画の代表とも言えるモネの「睡蓮」>
<印象派絵画の代表とも言えるモネの「睡蓮」>

モネやゴッホ、ピカソといった世界的巨匠の作品や、印象派絵画が並ぶ西洋美術のコレクションも見逃せません。アメリカ美術では、ハワイを描いた風景画や、20世紀初頭のハワイの暮らしを写した写真など、歴史を知る手がかりにもなります。

美術館の見所 2. 建物と中庭

地中海沿岸の邸宅を思わせるような、スペイン風の白い壁と赤瓦屋根が特徴的なこの美術館の建物は、高層ビルが立ち並ぶホノルル市街にありながら、門をくぐると一転して穏やかな空気に包まれるのが魅力です。

中庭を囲む回廊にはやわらかな光が差し込み、吹き抜ける風が心地よく、訪れる人をゆったりとした時間へと誘います。

<小鳥の囀りが聞こえる中国庭園では、時が経つのを忘れてしまいます>

館内にはテーマの異なる複数の中庭があり、中国庭園「チャイニーズ・コートヤード」では、東屋と池、竹林が中国の伝統的な庭園様式を再現。

水面に映る青空と瓦屋根が織りなす風景は、ホノルルにいながら中国の古都を旅しているようです。地中海庭園では幾何学模様のタイルと涼やかな水音が心を落ち着かせてくれます。

歩くたびに景色が変わる館内は、まるで世界中を小さな旅で巡っているような感覚に。

<金曜日は夜9時まで開館していて、こちらの地中海庭園はライトアップされてまた違った雰囲気に>
<金曜日は夜9時まで開館していて、こちらの地中海庭園はライトアップされてまた違った雰囲気に>

美術館の見所 3. カフェとショップ

<カフェの外観>
<カフェの外観>

美術鑑賞のあとは、館内のカフェ(Honolulu Museum of Art Cafe) で一息ついてみてはいかがでしょう。ハワイ産の新鮮な野菜やトロピカルフルーツを使ったサラダやサンドイッチなどの軽食から、パスタやデザートなども楽しめ、ビールやワインなどのアルコール類も提供しています。

中庭を眺めながら落ち着いた空間でのランチは、ちょっとした贅沢気分を味わえます。こちらのカフェのみの利用も可能です。

ミュージアムショップ(Honolulu Museum of Art Shop) では、ハワイのアーティストによるハンドメイド雑貨や、展示作品にちなんだポストカード、アートブックなどが手に入ります。旅の思い出に、ここでしか買えない一点を探すのも楽しみのひとつです。

ホノルル・ミュージアム・オブ・アート・カフェ(HoMa Cafe)

<コートヤードにはテーブル席もあるコーヒーバー>
<コートヤードにはテーブル席もあるコーヒーバー>

パームコートヤード(Palm Courtyard) に面したコーヒーバー(The Coffee Bar) では、ドリンクやペストリーのテイクアウトも可能。

ザ・コーヒーバー(Homa Cafe Bar)

  • 営業時間:水・木・土・日曜 10:00〜17:00 金曜 10:00〜20:00
  • 定休日:月・火曜
  • 公式サイト:ザ・コーヒーサーバー

    ホノルル美術館の基本情報とアクセス

    1. 車・レンタカーでのアクセス(約15分)

    ワイキキのアラワイ通り(Ala Wai Blvd.) を西方向(ダウンタウン方面)へ進み、カラカウア通り(Kalakaua Ave.) の角を右折して直進。道なりに左折してサウス・ベレタニア通り(S.beretania St.) に入り、そのままベレタニア通り沿いを進むと、右手に美術館が見えてきます。

    美術館の向かい側にある「ホノルル・ミュージアム・オブ・アート・スクール」の駐車場に、5ドルで5時間まで駐車可能(5時間を超過する場合は、以降30分ごとに2ドル)です。美術館周辺のコインパーキングもたくさんあるので、滞在時間が3時間以下の場合はコインパーキング利用がお得です。

    2. バス(TheBus)でのアクセス(約20〜25分)

    ワイキキのクヒオ通り沿いのバス停(Kuhio Ave + Seaside Ave、Kuhio Ave + Lewers St など)から乗車して西方向(ダウンタウン方面)へ向かいます。Beretania St + Ward Ave または Beretania St + Victoria St の停留所で下車すれば、すぐに美術館正面に到着です。

    運賃は片道大人$3.00(現金またはHOLOカード利用)で、現金の場合はお釣りが出ないのでぴったり用意するようにしてください。HOLOカードはABCストアなどで購入可能です。

    <サウス・ベレタニア通り(S.Beretania St.) と、ヴィクトリア通り(Victoria St.) の角にある印象的なオブジェが目印>
    <サウス・ベレタニア通り(S.Beretania St.) と、ヴィクトリア通り(Victoria St.) の角にある印象的なオブジェが目印>

    ホノルル美術館(Honolulu Museum of Art)

    • 住所:900 South Beretania Street, Honolulu, HI
    • 電話:(808) 532-8700
    • 開館時間:水・木・土・日曜 10:00〜16:30 金曜 10:00〜21:00
    • 休館日:月・火曜
    • 入館料:大人25ドル、18歳以下は無料(要ID)
    • 公式サイト:ホノルル美術館

    まとめ

    ホノルル美術館は、ハワイの強い日差しや賑やかな街からほんの少し距離を置き、ショッピングや、アウトドアのアクティビティが中心になりがちなハワイ旅行に、静かで知的な時間を添えてくれる存在です。

    アートを通じて世界を旅する感覚を味わえると同時に、ハワイの文化にも触れることができます。もしオアフ島滞在中に半日余裕があるなら、アートの世界へ足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。きっと旅の記憶に、新しい色が加わるはずです。

    関連記事

    ハワイ」に興味わいてきた?あなたにおすすめの『ハワイ』旅行はこちら

    ※外部サイトに遷移します

    Related postこの記事に関連する記事

    Rankingハワイ記事ランキング

    ランキングをもっと見る

    この記事に関連するエリア

    この記事に関連するタグ

    プロフィール画像

    Saeko

    短大卒業後、外資系企業での営業職を経験し、2001年ハワイへ留学。マーケティングの学位を取得後、卒業と同時に結婚、出産、そして離婚。紆余曲折ありましたが、すっかり大人になった一人娘と人生をエンジョイ中。セールス、マーケティング関連の仕事をする傍ら、フリーランスのWEBライターとしてハワイの情報を発信する記事を投稿しています。

    趣味は読書と旅行。旅先のゆったりとしたお風呂で半身浴をしながらの読書が至福の時。美味しいものを食べること、スパでリラックス・マッサージ、美術館巡りなど、五感を満たすことが大好き。

    Pick upピックアップ特集

    全国の動物園&水族館 徹底取材レポート特集!デートや家族のおでかけなど是非参考にしてみてください♪

    特集をもっと見る

    たびこふれメールマガジン「たびとどけ」
    たびこふれサロン

    たびこふれ公式アカウント
    旬な情報を更新中!