【富良野・風のガーデン】ドラマのロケセット用ではなく、このガーデンからドラマが生まれた

新富良野プリンスホテルの敷地内にある「風のガーデン」。

倉本聰さんのドラマ「風のガーデン」のロケで使用されたガーデンですが、ドラマ撮影用に作られたセットではなく、ガーデンが造られていく過程でドラマの構想がさらに膨らみながら育っていった生きたガーデンなのだそうです。

その風のガーデン、どんなところなのか取材してきましたのでご紹介します。

⇒北海道ガーデン街道の上川エリアのガーデン(上野ファーム、大雪 森のガーデン)を紹介した記事はこちら ↓

>>「北海道ガーデン街道」上川エリアの3つのガーデンを巡る旅

(取材日:2025年7月29日)

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目次

「風のガーデン」とはどんなところ?

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風のガーデンとは、倉本聰さんのドラマ「風のガーデン」のロケ地として使用された場所です。
そう聞くと「ははぁ、ドラマのイメージに合わせて撮影しやすいように作られたロケセットなんだな」と思いますよね。
ところがそうではなかったようです。

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ガーデン内にはロケで使用されたグリーンハウスが今も佇んでいました。

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風のガーデンはなぜ、どのようにできたのか?

富良野にある新富良野プリンスホテルの敷地内にゴルフ場がありました。
そのゴルフ場をクローズし、なにか別の用途で使おうと考えていたところ、脚本家の倉本聰さんが「私の知り合いにいい人がいるからその人にデザインしてもらって花のガーデンを造ってみたら?」とアドバイスされたそうです。
その方こそが旭川の上野ファームの上野 砂由紀さんだったのです。

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<旭川 上野ファームのミラーボーダー>

上野ファームについて詳しく書いた記事はこちらをご覧ください。

>>【上野ファーム】北海道ガーデン街道はここから始まった

倉本聰さんにも元々ドラマの構想はあったそうですが、ガーデンが造られていく過程で構想がどんどん膨らんでいき、あの傑作ドラマが生まれたそうです。
つまり、ドラマの撮影用に表面的に作られたセットではなく、ドラマの構想と生きたガーデンが相乗効果を生みながら育っていったのだと。
ガーデンを造り始めてから2年かけてガーデンを育て、撮影に入ったそうです。

「風のガーデン」への行き方

  • 車:旭川市から約60km(約1時間25分)
  • 列車:JR根室本線富良野駅からタクシーで約10分
  • バス:旭川駅前、旭川空港経由、新富良野プリンスホテル間に1日8便定期路線バス運行

「風のガーデン」では何をする?

450種類以上の花々が季節ごとに移り咲く美しい小路を散策できます。

「単にきれいな花畑を見る」だけでなく「花のある風景を楽しむ」ことができます。

風のガーデンのネーミングの通り、吹きぬける"風"を感じることができます。

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「風のガーデン」の見どころ

風のガーデンは大きく3つのエリア(メインガーデン、薔薇の庭、野の花の散歩道)に分かれています。

風のガーデンの公式情報はこちら


ここでは、風のガーデンを楽しむポイントを8つのポイントでお伝えします。

風のガーデンのヘッドガーデナーの六条 幸乃さんにこのガーデンの楽しみ方を教えていただきました。

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<風のガーデン ヘッドガーデナーの六条 幸乃さん>

六条さんのお話は草花への深い愛情が感じられました。

どうぞ花を触ってください。


普通、一般的なガーデンでは花を触ってはいけません。触れないように柵で囲われたりしています。
しかし風のガーデンは「どうぞ触ってください」というスタンスです。

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こんなガーデン聞いたことがありません。
実際に指で触ったり。こすったりしてみて香りを嗅ぐと、花の華やかで生きた香りがして、より身近に感じました。

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このラムズイヤーはその名のとおり、子羊の耳のようにふわふわ柔らかいんです。触ってみないとわかりませんよね。

宿根草がメインのガーデン

宿根草とは、多年草の一種で一度植えると毎年開花を繰り返す植物。一年草は種をまいたその年のうちに花が咲き、枯れていくのに対して、宿根草は植えっぱなしで毎年同じ時期に花が開花し、季節感を感じさせてくれるのが魅力。

根が一年を通して育ち、休み、そしてまた再生する、というのが宿根草の特徴であり、本州では気温が高いため、宿根草は育ちにくく一年草が中心となる。宿根草は気候が冷涼な北海道ならではの草花といえます。

花は開花前の姿もいい

花は花びらが開いた姿が完成形と思われるかもしれません。

しかし開く前の花もそれはそれでまた良さがあるのです。

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開花前のクルクルッと丸まったつぼみも愛らしいです。

花の一番良い状態だけを楽しむのではなく、花の人生(成長過程)を楽しむのも花の楽しみ方のひとつと言えるでしょう。

「今日のラッキーフラワー」はどうやって選ぶ?

風のガーデンでは、今日咲いている花が写真一覧で見られます。
その一覧の真ん中にあるのが「今日のラッキーフラワー」

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「このラッキーフラワーはどのようにして選ばれるのですか?」と尋ねてみたところ、六条さんはこう答えました。
「今、旬(見ごろ)の花であることはもちろんですが、「簡単には見つけられない花」というポイントからも選んでいます。
ガーデン内で宝探しのように探してみてください。見つかった時の喜びもひとしおですよ」と。

原種の薔薇

「薔薇の庭」ゾーンは、原種の薔薇やオールドローズという品種の薔薇を見ることができます。

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私が訪れた時は、薔薇の季節は終わりかけでしたが、いわゆる普通の薔薇園でみるよりもワイルドな薔薇が咲いていました。

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<花名:岳の夢>

岳くん(神木隆之介さんの役名)を冠して名づけられた薔薇です。

見晴台から風景

風のガーデンの特徴として「高低差のあるガーデン」があります。

普通、花の庭園は平な場所が多く、起伏のある場所にあることは少ないのではないでしょうか。

風のガーデンの展望台から見下ろす花々は、より空間を感じられて奥深い美しさを見せてくれます。

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<見晴台からの眺め>

見晴台から花を見下ろした風景を動画でもご覧ください。

ガーデン入り口では子ヤギがお出迎え

入り口では、4頭の子ヤギが出迎えてくれます。

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牧場にやって来たような、ハイジやペーターが現れてきそうな物語の始まりを感じさせてくれます。

取材後の感想

「風のガーデンはあのドラマのロケセットに使用されたガーデンです。」と聞いていたので、てっきりドラマ撮影に合わせて作られた撮影用のガーデンかと思っていましたが、その経緯を聞いて驚きました。
ガーデンを造り、それにインスパイアされた倉本聰さんの構想が膨らんで、あのドラマを生まれ育ったのだとか。

そう聞くと風のガーデンが本物であることを感じます。実際、ドラマ終了後もガーデンとして成長し続けていました。

また「風のガーデン」というネーミングが秀逸です。
元々ゴルフ場だった地形ですから、起伏があります。その谷の部分に風が吹き抜けていく。
ガーデナーの六条さん曰く「風が来る来る~」と感じるそうです。

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風のガーデンは、庭園というよりは森の中にいるという感覚です。

森や山が借景としてガーデン全体の雰囲気をより奥深く感じさせてくれます。
花そのものだけでなく、葉や草など緑も楽しめます。
早朝に歩くともっと気持ちいいだろうな、と思いました。
ガーデン内には、蝶々がたくさん飛び交っていました。

蝶々にとってもこのガーデンは楽園なのでしょう。

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ファミリーで、恋人同士で、ひとりで、豊かで気持ちよい時間を過ごすのに良い場所だと感じました。

【風のガーデン基本情報】

  • 期間: 2025年4月26日 (土) 〜 2025年10月13日 (月・祝)
  • 料金:おとな¥1,000 小学生¥600 幼児無料
  • ご利用年齢:制限はございません。
  • TEL:0167-22-1111(新富良野プリンスホテル代表)

取材日:2025年7月29日

北海道ガーデン街道の上川エリアのガーデン(上野ファーム、大雪 森のガーデン)を紹介した記事もぜひご覧ください ↓

「北海道ガーデン街道」上川エリアの3つのガーデンを巡る旅

※この記事は(公社)北海道観光機構道北地域分科会、あさひかわ観光誘致宣伝協議会の協力により、取材&制作しています。

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ローマと北京に駐在歴あり。海外渡航歴は36か国。日本は47都道府県踏破。「お客さんが”笑顔”で買いに来る商品」を扱う仕事がしたいと旅行会社に入って三十余年。今はその経験を基により多くの人に「旅の魅力」を伝えるべく“たびこふれ”にいます。モットーは「その土地の温度が伝わるような血の通った記事を書く。」旅はカタチには残りませんが生涯忘れられぬ宝物を心に残してくれます。たびこふれを通じて、人生を豊かに生きる力を秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきます。

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