イギリスで人気の紅茶ブランドは何?毎日飲む紅茶から、新しい紅茶ブランド、高級紅茶までご紹介

イギリスといえば、まず頭に浮かぶのは紅茶ではないでしょうか。紅茶は、まさにイギリスのお土産の定番です。でも最近はイギリスでもコーヒーを飲む習慣が若者を中心に広まり、街にはたくさんのコーヒー店があふれています。

とはいえイギリスでは、依然として紅茶を飲む習慣が色濃く残っていて、今も1日あたり1億6,500万杯の紅茶が消費されているそうです。 1人あたりに換算すると、平均で1日7~9杯飲んでいることになるので、やはりイギリスは「紅茶の国」です。 

よく質問を受けるイギリスで買える紅茶について用途別にご紹介します!

目次

イギリスの紅茶の歴史

ブラックティーの茶葉
<ブラックティーの茶葉>

最初に、豆知識としてイギリスの紅茶の歴史を調べてみました。

お茶は中国で有史以前から不老長寿の霊薬として飲まれていたとそうです。ヨーロッパには、オランダの海上貿易によってもたらされました。

英国人がお茶を飲むようになったのは17世紀半ばといわれます。イギリスでお茶が飲まれていたことを示す最初の記録は、1658年にロンドンのコーヒーハウスでお茶が販売されているという新聞広告です。最初は、紅茶は"万病に効く東洋の秘薬"として販売されたそうです。

イギリスでお茶を飲む習慣を広めたのは、ポルトガルの王女でチャールズ2世の妻であったキャサリン・オブ・ブラガンサと言われています。王女キャサリンは、中国のお茶と当時は貴重であった砂糖を大量に持参し、宮廷にお茶を飲む習慣をもたらし、そこから宮廷や上流階級の間で、紅茶に対する関心が高まりました。 

新たな贅沢品としてお茶の人気が高まるにつれ、東インド会社は1664年にイギリスへお茶の輸入を開始しました。17世紀後半から19世紀初頭までの1世紀余、イギリス東インド会社はお茶の輸入を独占(独占廃止は1813年)し、その取引の利益が大英帝国繁栄の基礎を築いたとさえ言われています。

その後イギリスでは、18世紀後半に産業革命が成功すると、紅茶は中流階級にも愛飲されるようになります。 東インド会社の独占輸入権が失効して紅茶の輸入が自由化し、また19世紀に入ってから植民地であったインドやスリランカ(セイロン)で紅茶の栽培に成功したことで、大量の紅茶が安く手に入るようになり、労働階級の人々も気軽に楽しめる飲み物となり、そしてイギリスで紅茶は欠かせないものとなったそうです。

英国で人気のある紅茶とは?

イギリスではたくさんのメーカーの紅茶が売られていますので、お土産に購入する時には、困ってしまいますよね。もちろん有名ブランドを買えば、間違いありませんが、折角イギリスまで来たならば、違うブランドも試してはいかがでしょうか? 

そこで、用途別にイギリスで売られている紅茶をご紹介します。

スーパーで売っている毎日飲む紅茶

自分用や親しい人へのお土産には、高級な紅茶ではなく、現地の人々に親しまれていて、どのスーパーでも比較的安価に購入できる家庭用紅茶を購入してみてはいかがでしょうか? イギリスで日常的に飲む紅茶です。

1. 毎日家で飲む定番の紅茶3

1-1 ヨークシャーティー(Yorkshire Tea) 

ヨークシャティー
<ヨークシャーティー>

家庭用の中では少し高級系の紅茶です。

ヨークシャーティーは、1856年設立の紅茶商、テイラーズ・オブ・ハロゲイト社を代表する英国王室御用達の北イングランドのブランドです。

インド、スリランカ、ケニアからの30種類以上の茶葉を厳選してブレンドした、バランスの良い味わいと独特な風味、深いコクが特徴でなので、ミルクティーにおすすめです。

少し高めなので、イギリスでは、友達が遊びに来た時のおもてなしにもよく使われます。カフェでも出てくることがあります。

ご自分の旅の思い出に、そしてイギリス好きな方のお土産に喜ばれます。

1-2 テトリー(Tetley)

テトレー
<テトリー>

イギリスの家庭で毎日飲む定番がテトリーです。味が濃いので、ミルクティーで飲む紅茶です。

テトリーは1837年にジョセフ&エドワード・テトリー兄弟により英北部ヨークシャーで創業されました。英国で初めてティーバッグの紅茶を販売したブランドで、英国で最大の紅茶ブランドです。

イギリスのティーバッグの主流となっている紐の付いていない丸型ティーバッグを発売したのは、このブランドです。日本のティーバッグと違い紐がついていないので、取り出すときはスプーンを使って引き上げます。

2000年にはインドのタタ・グループの子会社となり、タタが所有するインドとスリランカのプランテーションの茶葉を使用し、比較的安く買えるので、まさに普段使いの紅茶として人気があります。

1-3 PGチップス(PG Tips)

PGチップス
<PG チップス>

ストレートでも飲みやすい紅茶がPGチップスです。1930年代に紅茶メーカーのブルック・ボンドがPG Tipsを「Pre-Gestee」という名で発売した紅茶です。 

食後の消化を助ける紅茶のダイジェスティブティー (Digestive Tea)から付けた名前で、食事の前に消化を助けるために飲むことを意味していたそうです。 食料品店やセールスマンがPGと略していたことから、今の名称に定着しました。

カフェインが0.2パーセントに抑えられていて、胃にも優しく苦みやクセも少ないすっきりした味わいなので、ストレートで飲むこともできるが特徴です。

茶葉がバッグの中で動きやすいプラミッド型のティーバッグを最初に導入したのはPGチップスです。

ミルクが苦手で、ストレートで飲みたい人におすすめの紅茶です。 個人的にストレートで飲むのが好きなので、毎日飲む紅茶としては一番好きです。

2. 新しい人気紅茶4選 

定番に加えて、少し高級なスーパーで買うことができる新しい紅茶ブランドを紹介します。 日本ではあまり知られていないので、たくさんの人に配るお土産に最適なのではないでしょうか?

2-1 ブリュー・ティー・カンパニー(Brew Tea Co)

BREWTEACO
<ブリュー・ティー・カンパニー>

シンプルな黄色や青にパッケージ箱にBrew Tea Coと書かれた新しい紅茶ブランドです。

ブリュー・ティー・カンパニーは、2012年に2人の紅茶好きによって英北部リヴァプールで誕生しました。 テイスティング、ブレンド、パッキングそしてティーバッグのバッグ作りまで、全てのプロセスを自分たちで行っているそうです。

社会や環境に配慮した公益性の高い企業の証である「Bコープ」の認証を受けていて、公平で公正な茶葉栽培者とのみ取引している現代の価値観に寄り添った会社です。

最近はオシャレなカフェとかでも使われています。日本の東京青山にもお店がありますが、新しい紅茶ブランドでまだ日本ではレアなので、お土産に最適です。

人気のフレーバーは、English Breakfastです。

2-2 クリッパー(Clipper)

クリッパー
<クリッパー>

クリッパーは、ハーブティーの種類がたくさんあります。日本でも輸入販売店で売られていることも多い人気のブランドです。

クリッパーは、1984年に英南西部ドーセットの夫婦によって始められたオーガニックティーの会社です。

1994年には国内初のフェアトレード(公正貿易)認証を受け、現在では50カ国以上で150種を超えるお茶を展開していますが、今も全商品ドーセットにある工場でブレンドされているそうです。

ブランド名のクリッパーは19世紀に中国からの紅茶を運ぶために使われた、帆船の名称に由来しているそうです。 夜に飲むと落ち着きます。

人気のフレーバーは、ライズ&シャイン、アッサムカフェインレス、アフターディナーミント、レモン&ジンジャーなどです。

2-3 ティーピッグス(teapigs)

ティーピッグス
<ティーピッグス>

ティーピッグスも最近よく見るようになったブランドです。

イギリスのコーヒー・ブームの真っ只中の2006年にリーフ・ティーの魅力を取り戻そうと集まった同志たちによってロンドンで始まったのがティーピッグスです。

伝統的で堅苦しい紅茶の世界を打ち壊すべく、ポップなイラストのパッケージとナチュラルで力強いブレンドで勝負を懸けたそうです。

現在では英国全土のカフェやデリ、スーパー、食料品店、ホテルやレストランなどで売られ、40カ国以上で販売されています。また、157以上のグレート・テイスト・アウォーズを受賞しています。

新しいイギリスの紅茶を買いたい人におすすめです。

人気フレーバーは、everyday brew, English breakfast, rooibos creme caramel teaです。

2-4 パッカ(Pukka)

パッカ
<パッカ>

パッカも最近よく見かける紅茶ブランドで、オーガニック・ハーブティーが専門です。

2001年創業のパッカは、20カ国以上の生産者から、200以上のハーブやお茶などの原材料を調達し、ハーブが持つ力を知り尽くし最大限に引き出すことのできる「ハーバリスト」がブレンドして作っていることが売りです。

すべて持続可能な方法で調達されたオーガニック原材料を使い、ほとんどのフレーバーがカフェインフリーなので、健康志向が強い人たちの中で人気です。

フェアトレード(公正貿易)、地球温暖化CO2削減にも真摯に取り組んでいる新しいタイプの会社です。

PUKKAとはヒンディー語で、「本物」「正真正銘」「一番の品質」という意味で、アーユルヴェーダの思想を取り入れているそうです。

イギリスからハーブティーのお土産を探している人には最適です。

人気のフレーバーは、ラブ、ピュア、リラックス、オリジナルチャイ、アップル&シナモンなどです。

3. お土産に最適な高級紅茶4選

お土産や少し贅沢なティータイムの主役として人気のブランドをご紹介します。 高級紅茶はティーバッグもありますが、茶葉も売っています。 缶に入った茶葉はおしゃれでお土産には人気です。

3-1 フォートナム&メイソン(Fortnum & Mason)

イギリスの高級紅茶といえば、このブランドです。

フォートナム&メイソンは、イングランドとスコットランドが連合し、グレート・ブリテン王国が誕生した1707年に創業した百貨店で、王室御用達の店として質の高い商品を販売することで知られています。

本店は、ロンドン中心地のピカデリーサーカスにあります。紅茶だけでなく、チョコレートやクッキー、ジャムやお酒などのも販売する高級食料百貨店です。  

季節によって変わる素敵なディスプレイが有名で、また最上階にThe Diamond Jubilee Salonというティールームがあり、アフタヌーンティーを楽しむことができます。(予約制)

人気のフレーバーは、Royal Blend, Afternoon Blend, Breakfast Blendに加えて、個人的にはWild Strawberry Teaが好きです。 

ヒースロー空港 T2,4,5にもお店があるので、お店に行けなかった場合も旅の最後に購入できることも魅力です。

フォートナム&メイソン

3-2 ハロッズ(Harrods)

フォートナム&メーソンと並んで日本でも有名な英国高級紅茶はハロッズです。

ハロッズは、ロンドンのナイツブリッジにある1824年に創業開始された英国王室御用達の老舗高級百貨店です。1832年頃から紅茶に重点を置いた卸売業を始めました。

ハロッズのブレンドティーのベースはアッサムやダージリンのほか、セイロンやケニアなどの茶葉を使用しているので、ミルクティーにもよく合います。

人気フレーバーは、No.14イングリッシュブレックファースト、No.15 ナイツブリッジブレンド、No.16 アフタヌーンセイロンです。 ヒースロー空港の2,3,4,5 免税店で買うこともできます。

ハロッズ

  • 本店住所:87-135 Brompton Rd, London SW1X 7XL
  • 公式サイト:ハロッズ 

3-3 ウィッタード・オブ・チェルシー(Whittard of Chelsea)

ウイッタード
<ウイッタード>

可愛いパッケージに入ったフレーバーティーが若い人にも人気の紅茶ブランドです。

ウィッタード・オブ・チェルシーは、1886年に紅茶商ウォルター・ウィッタード氏によって、ロンドンのフリート・ストリートで開業しました。 2016年にはコヴェント・ガーデンのマーケットにティー・ルームを開設しています。

ウィッタード・オブ・チェルシーは、イギリスの各地にお店があるので、ロンドン以外でも買えることも魅力です。

人気のフレーバーはEnglish Rose、中国、インド、スリランカ産の紅茶にバラの香りを加えた優雅なブレンドです。リーフティーにはバラの花びら・つぼみも入っていて、見た目にも美しい紅茶です。

他にもPiccadilly blendやフレーバーティーのティーバッグの詰めあわせも人気です。 個人的にはこの紅茶をよくお土産に買います。

3-4 トワイニングス (Twinings

トワイニングのアールグレー
<トワイニングのアールグレー>

イギリスの元祖紅茶ブランドです。

トワイニングスは、トーマス・トワイニング氏によって設立された王室御用達のブランドです。1706年、ロンドンのストランドに英国初の茶葉ショップ併設のティー・ルームを開業しました。現在でも同じ場所で営業は続いていて、トワイニング博物館も併設されています。

また、トワイニングは、アール・グレイを最初に販売したブランドです。1830年代に当時の首相チャールズ・グレイ卿とその使節が中国を訪れた際に、中国の官僚の息子を事故から救ったとされ、その感謝の印として茶葉と、それを再現するレシピが贈られたそうです。それが現在世界中で愛されているアール・グレイの元だそうです。

ティーバッグはスーパーでも売られていますが、茶葉の缶はスーパーにはありません。私は、アールグレイが好きなので、よくこのブランドを買います。 本格的なアールグレイが好きな方はトワイニングを試して下さい。 

トワイニングス

4. スコットランドの紅茶メーカー2選

エディンバラティー&コーヒー
<エディンバラティー&コーヒーの紅茶>

私はスコットランド在住ですので、スコットランドの紅茶メーカーを2社紹介します。

スコットランドの水は、日本と同じ軟水です。(イギリスは硬水です。)そのため軟水にあったブレンドティーがスコットランドで作られています。 日本の水に合った紅茶ですので、試してくださいね。

1. ブロディーズ(Brodies ):1867年に創業したコーヒー・紅茶店で、軟水に合うブレンドとして、スコティッシュ・ブレックファスト、スコティッシュ・アフタヌーンティーを出しています

2. エジンバラ・ティー・アンド・コーヒー(Edinburgh Tea and Coffee) :ウイスキーフレーバーティーやティソルティー(スコットランドの国花のあざみを使ったもの)、ヘザーティー(ヘザーの花を使ったもの)など、スコットランド独特のフレーバーティーがあります。

最後に

イギリスには紅茶といっても、毎日飲むものから、ハーブティー、新しいブランド、そして高級紅茶まで色々あります。 用途に合わせて、違う紅茶を試して、新しい紅茶の魅力を発見してください。

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Sachiko

名古屋市出身、海外滞在歴30年、38カ国490以上の都市を訪れました。多趣味で、アート系のクラッシック鑑賞、バレエ・ダンス鑑賞、美術鑑賞、アンティーク収集から、スポーツ系のテニス・ダイビング、グルメまで色々なことが好きですので、様々な視点で皆様に旅の楽しさがお伝えできればと思っています。猫2匹をインドネシアで拾い、スコットランドまで連れてきました。現在はスコットランドのエジンバラに在住。スコットランドの魅力を皆さんにお届けできればと思っています。

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