【道頓堀観光ガイド】巨大な立体看板でコテコテの大阪の文化がテンコ盛りされテーマパークのような道頓堀

大阪・関西万博も盛況にうちに2025年10月13日、閉幕しましたね。

「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとして、世界158の国と地域から多彩な文化が大阪湾に浮かぶ夢洲(ゆめしま)に大集結しました。

世界中、そして日本全国から多くの人々が訪れ、大阪市はどんどん国際色豊かになっています。

歴史をふり返れば、大阪は他の地域の文化を受け入れながら大きな成長を遂げた側面ももっています。

独特の文化を育んできた西日本最大の都市には、国際色を跳ね返すパワーをみなぎらせているのです。

中心部の道頓堀は江戸時代からの文化を育て、コテコテの上方、なにわの文化を凝縮させています。

本記事では国籍、年齢、性別を超えて楽しめる、道頓堀の多彩な魅力をご紹介しましょう。

目次

大阪市の心臓部に江戸時代に開削された道頓堀川

夜の道頓堀川
<夜の道頓堀川>

道頓堀は大阪市の中心部、中央区の南に位置します。道頓堀川を挟んで飲食店や商店がひしめきあう、大阪を代表する繁華街です。

道頓堀川
<道頓堀川>

道頓堀川は1615年に開削されました。

豊臣秀吉の時代に、安井道頓が堀川の開削を命じられて工事を始めたと伝えられています。

完成は大阪夏の陣の後となりましたが、江戸時代に独特の文化を産み出しました。

なかでも戎橋(えびすばし)から東へ伸びる道頓堀通の南側には芝居小屋が、北側には芝居茶屋が次々に建てられ、街は賑わうようになったのです。浪花座、中座、角座、朝日座、弁天座の「道頓堀五座」に通う芝居客を茶屋がもてなす利便性は、現在の都市開発の参考になったに違いありません。

人々の賑わいは長い年月を経て作り上げられたことに驚かされるものです。

中座くいだおれビル
<中座くいだおれビル>

現在でも道頓堀周辺には多くの劇場が建ち並び、かつての中座の跡地には飲食テナントビルの「中座くいだおれビル」が建っています。ビルの玄関前では、名物キャラクター「くいだおれ太郎」が太鼓を叩きながら、訪れる人々に愛嬌をふりまいています。

「美味しいものを倒れるまで食べる」ことができれば、何よりの幸せな人生と言えるに違いありません。

道頓堀川沿いで人気の写真撮影スポット、グリコサイン、ドン・キホーテ

グリコサイン-
<グリコサイン>

道頓堀を訪れた多くの人は、まず道頓堀川に架かる戎橋(えびすばし)からスタートするようです。

最初に向かうのは、橋の南西側に見える「グリコサイン」。

その巨大な看板を背景に、記念写真を撮るのが定番のコースになっています。

旅行ガイドブックに必ず掲載される町のランドマークは、いまや国内外問わず大人気となっているようです。

戎橋にはインバウンドを含め、SNSにアップする写真を撮影するためにポーズをとる人が溢れます。

最高の一枚を撮るにはタイミングがキーとなりそうです。最高の一枚は即座にアップしたくなるでしょう。

グリコサイン
<グリコサイン>

現在のグリコサインは、2014年に6代目としてリニューアルされたものです。

青色の背景からゴールインマークが浮かび上がるようにデザインされ、照明には約14万個のLEDが採用されています。

ドン・キホーテ道頓堀店
<ドン・キホーテ道頓堀店>

戎橋からグリコサインとは逆の北東に視線を変えると黄色のパイプが楕円を描くユニークなタワーが目を引きます。

これは日本最大級のディスカウントストア「ドン・キホーテ道頓堀店」に設置された観覧車です。

この長円形の観覧車は、世界初のデザイン。4人乗りのゴンドラが、約15分かけてゆっくり一周します。

店内では、日用品から、雑貨、電化製品、服飾品、宝飾品など、あらゆるジャンルの商品がそろい、まるでアミューズメントパークのようです。

1階には観光案内所が設けられ、さまざまな国の言語でエリアガイドをしてくれます。インバウンドの増加の波は、ディスカウントストアまで押し寄せ、ここでもグローバル化が進んでいます。

ドン・キホーテ道頓堀店 大観覧車

道頓堀川の歴史に触れるとんぼりリバークルーズ、とんぼりリバーウォーク

「とんぼりリバークルーズ」の太左衛門橋船着場
<「とんぼりリバークルーズ」の太左衛門橋船着場>

ドン・キホーテ道頓堀店の目の前には、「とんぼりリバークルーズ」の太左衛門橋(たざえもんばし)船着場があります。ここから船に乗りこみ、日本橋と湊町リバープレイス前を折り返すコースで、道頓堀川をゆったりと遊覧をすることができます。

大都市の中心部にある決して広くはない川を、観光スポットとしてしまうアイデアに感服するかもしれません。

とんぼりリバークルーズ
<とんぼりリバークルーズ>

クルーズ船は太左衛門を中心に、東側の相合橋(あいあうばし)、日本橋から、西側の戎橋、道頓堀橋、新戎橋、大黒橋、深里橋、浮庭橋まで、合計の9つの橋の下をくぐって進みます。

この水上のアトラクションに参加すると、開削者の安井道頓の息遣いが聞こえてくるかもしれません。観光プランに組み入れられるばかりではなく、大阪市民もデートコースとして利用しているようです。身近なアトラクションも、利用の仕方で、ロマンチックな思い出を作ることができるのでしょう。

とんぼりリバーウォーク
<とんぼりリバーウォーク>

道頓堀川の両側には遊歩道の「とんぼりリバーウォーク」と呼ばれる遊歩道が整備されており、水辺を吹き抜ける爽やかな風を感じながら、ゆっくりと散歩を楽しめます。川沿いの道を歩いていると、長い年月の中でこの場所を行き交った人々の息遣いを感じることができるでしょう。

とんぼりリバークルーズ

  • 住所:大阪府大阪市中央区宗右衛門町7-13(太左衛門橋船着場)
  • 電話:050-1807-4118
  • 営業時間:11:00~21:00(毎時00分、30分に出航)
  • 乗船料金:おとな2,000円、学生1,000円、こども500円
  • 公式サイト:とんぼりリバークルーズ

巨大な立体オブジェが個性を競うテーマパークのような道頓堀商店街のメインストリート

道頓堀商店街
<道頓堀商店街>

「とんぼりリバーウォーク」に面して飲食店や商店が軒を連ねていますが、道頓堀商店街のメインストリートは、グルメファンにとっては見逃せない通りでしょう。魅力的な店舗がひしめき合うばかりでなく、店頭には巨大な立体看板が個性を競い合っています。繁華街の通りというよりまるでテーマパークのようです。

かに道楽 道頓堀店

かに道楽道頓堀本店
<かに道楽道頓堀本店>

戎橋の南袂では、巨大なカニの看板が脚を前後に動かしながら訪れた人々を出迎えてくれます。かに道楽は道頓堀本店をはじめ、現在では近畿、関東、中国、四国の各地域に約40の店舗展開を行っています。

道頓堀本店開店の1962年にはカニの看板が設置されました。白地に赤色のカニが浮かび上がるデザインは、日の丸をイメージし戦後まもなく日本の復興を願ったとも言われています。

また、浪花のモーツァルトと称される作曲家・キダ・タローが手がけたCMソング「とーれとれ、ぴーちぴち、カニ料理~♪」で、広く知られるようになりました。横約8メートル、縦約3.6メートルに及ぶ現在の看板は3代目で、道頓堀の風物詩としてすっかり定着しています。飲食店の看板が、大阪を代表する観光スポットになっていることに驚かされます。

かに道楽道頓堀本店

  • 住所:大阪府大阪市中央区道頓堀1-6-18
  • 電話:06-6211-8975
  • 営業時間:11:00~23:00
  • 定休日:大晦日(12月31日)
  • 公式サイト:かに道楽道頓堀本店

がんこ寿司道頓堀店

がんこ寿司
<がんこ寿司>

カニの脚の動きに従って道頓堀商店街のメインストリートを東に進むと、巨大な立体看板がオンパレードしています。

最初にカニに挑戦状をつきつけるのは、がんこ寿司の店頭で正座する「がんこ親父」です。

がんこ寿司は関西地方を中心に50店舗以上を展開する和食店です。2023年8月に初お目見えした高さ約190センチの人物像は、創業者をモデルにしたものと言われています。店内にも1階のカウンター席にマグロが泳ぐ大型のビジョンも設置されています。和食の味にこだわる「がんこ親父は」には、ユニークなサービス精神を持ち合わせているようです。

がんこ寿司道頓堀店

  • 住所:大阪府大阪市中央区道頓堀1-8-24
  • 電話:050-1720-2721
  • 営業時間:11:30~22:00
  • 公式サイト:がんこ寿司道頓堀店

昭和大衆ホルモン・牛魔

昭和大衆ホルモン・牛魔
<昭和大衆ホルモン・牛魔>

がんこ親父が通りを歩く人々の肩越しに見つめるのは、2頭の牛です。昭和レトロな雰囲気を漂わせる昭和大衆ホルモンの店頭には、1頭の牛が宙に浮いています。

このシュールな光景は、まるでサーカスの舞台のように見えるかもしれません。空中を歩く牛の数メートル東には、焼肉店の「牛魔(ぎゅうま)」の看板があり、牛の頭だけ飛び出しています。その頭には、緩やかなカーブを描きながら角を立てています。

同じ牛肉を食材としながらも、異なるメニューを準備する肉料理店が隣接しているのです。ボケとツッコミが基本の関西の笑いの基本を2つの店舗の看板が暗示しているのでしょうか。

昭和大衆ホルモン

  • 住所:大阪府大阪市中央区道頓堀1-5-9
  • 電話:06-6211-0291
  • 営業時間:11:30~23:30
  • 公式サイト:昭和大衆ホルモン

牛魔

  • 住所:大阪府大阪市中央区道頓堀1-5-9
  • 電話:06-4708-3378
  • 営業時間:11:00~15:00、17:00~23:00
  • 定休日:年中無休
  • 公式サイト:牛魔

たこ家道頓堀くくるコナモンミュージアム店・十八番

たこ家道頓堀くくるコナモンミュージアム店・十八番
<たこ家道頓堀くくるコナモンミュージアム店・十八番>

2頭の牛が横に並んでコラボする空間の東へ数メートル進むと、向かい合うのはタコです。たこ家道頓堀くくるコナモンミュージアム店の外壁には、タコが8本の足で吸いついています。

「コナモン」は、たこ焼き、お好み焼き、ネギ焼き、イカ焼き、モダン焼きなど、小麦粉を使った大阪の食文化を代表するソウルフードの総称です。コナモンミュージアムの1階では、たこ焼き作りの匠の技を間近で見ることができます。

2階はコナモン歴史ミュージアムで、たこ焼きをはじめとするコナモンやソースの歴史資料が公開されています。

「外はふわっと、中はとろっと」が大阪のたこ焼きの特徴です。焼かれて赤くなったタコの正面に店舗を構える「十八番」の外壁からは、球状のたこ焼きが飛び出しています。

拡大された小麦粉の粒の上に、マヨネーズや青のり、かつお節などがふられ、ジャンボサイズのたこ焼きにも繊細な表現がなされています。タコをギャグにして、喜劇のストーリーが表現されているようです。

たこ家道頓堀くくるコナモンミュージアム店

十八番

  • 住所:大阪府大阪市中央区道頓堀1-8-26
  • 電話:06-4256-2818
  • 営業時間:11:00~22:00
  • 定休日:無休
  • 公式サイト:十八番

いっとく道頓堀本店

いっとく道頓堀本店
<いっとく道頓堀本店>

コナモンと並び、大阪ならではの名物グルメといえば串カツでしょう。コナモンミュージアムの東隣には串カツ専門店の「いっとく」が店舗を構えています。いっとくは道頓堀本店の他、市内に14の店舗を構える人気店です。

本店の正面では、ビリケンさんが、串カツのメニューを紹介しています。ビリケンさんは、大阪市のシンボルタワーの通天閣に祀られる幸運の神様です。足に触れるとご利益があると信じられています。体に触れることなく見上げているだけでも、有難さが感じられるものです。

いっとく道頓堀本店

  • 住所:大阪府大阪市中央区道頓堀1-6-4
  • 電話:06-6213-9499
  • 営業時間:11:00~25:00
  • 公式サイト:いっとく道頓堀本店

串かつだるま・元禄寿司

串かつだるま・元禄寿司
<串かつだるま・元禄寿司>

いっとくから数メートル東にも、老舗の串かつ店が伝統の味を誇っています。串かつだるまは、1929年に浪速区の新世界にあったルナパーク跡地で創業しました。

現在では大阪を中心に十数店舗を展開しており、高価な牛肉が手軽に食べられるよう、一口大に切って串に刺して揚げたことが始まりと伝わっています。

串かつを味わうときの厳格な掟「ソースの二度づけ禁止」。串かつだるま道頓堀店の店頭では、店主が眉を吊り上げています。どんなに睨まれても、種類豊富な串かつを味わいたいものです。

串かつだるまに隣り合うのは、回転寿司店の元禄寿司です。これだけのインパクトがあれば、店を間違えることはないでしょう。店内に入る前に、「へい、お待ち」のかけ声が聞こえてきそうです。元禄寿司には情熱的な接客姿勢があふれ出てくるのでしょう。

串かつだるま道頓堀店

  • 住所:大阪府大阪市中央区道頓堀1-6-8
  • 電話:06-6213-8101
  • 営業時間:11:00~22:30、土・日曜・祝日 10:30~22:30
  • 定休日:年中無休
  • 公式サイト:串かつだるま道頓堀店 

元禄寿司道頓堀店

  • 住所:大阪府大阪市中央区道頓堀1-6-9
  • 電話:06-6211-8414
  • 営業時間:11:15~22:30、土・日曜・祝日 10:45~22:45
  • 公式サイト:元禄寿司道頓堀店  

金龍ラーメン道頓堀店

金龍ラーメン
<金龍ラーメン>

さらに東に数メートル進めば、ラーメンでシメとなるのでしょうか。金龍ラーメンは道頓堀川に架かる相合橋の南に本店を構えています。1982年にオープンし、ラーメンとチャーシューメンの2種類のみのメニューで営業を続けています。店の外壁を突き破るように、龍が体をくねらせています。長い口を開いているのは、どちらのラーメンを欲しがっているのでしょうか。

金龍ラーメン道頓堀店

  • 住所:大阪府大阪市中央区道頓堀1-7-26
  • 電話:06-6211-6202
  • 営業時間:24時間営業
  • 公式サイト:金龍ラーメン道頓堀店

江戸時代に開削された道頓堀川の周辺にテンコ盛りされるコテコテの大阪の文化

戎橋
<戎橋(えびすばし)>

大阪湾に浮かぶ夢洲で2025年4月13日に関西万博が開幕し、大阪市には国際性があふれています。それとは逆に、大阪市は西日本最大の都市として、独自の文化を発信しています。

中心部の道頓堀ではコテコテの上方、なにわの文化がテンコ盛りです。江戸時代に開削された道頓堀川をはさむエリアには飲食店や商店が軒を連ねています。

店先には巨大でユニークな看板が設置され、テーマパークのようです。大阪のソウルフードばかりでなく、爆笑がお腹を満たすことでしょう。

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2009年より数々のWebサイト、雑誌、書籍のメディアにおいてトラベルライターとして活動しております。2025年7月現在で、国内47都道府県、海外67カ国の地域を訪ね歩きました。この経験をもとに、日本全国、世界各国にあふれるユニークな文化や特徴、魅力をご紹介して参ります。

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