どこか懐かしい中国雲南省 少数民族の町・麗江の魅力

<TOP画像:麗江古城全景>

麗江(リージャン)は、中国雲南省の奥地にあるナシ(納西)族の古都です。

1997年にユネスコの世界遺産に登録された麗江古城を中心に、麗江には見どころがとても多くあり、最低でも2泊以上して周りたいところ。

今回は、麗江の魅力的なスポットを厳選して紹介しましょう。

目次

日本から中国麗江までの行き方

<麗江行きのフライト>
<麗江行きのフライト>

日本から中国雲南省にある麗江へは直行便はないので、中国国内の別の都市を経由する必要があります。昆明や成都などの都市からは近くフライトも多いですが、上海や北京からの直行便もあります。麗江の空港(麗江三義機場)からは、エアポートバスを利用して麗江古城まで直接アクセスできます。

バスの所要時間は50分程度です。ちなみにバスが到着するのは古城の南を出たところにある忠又市場で、ここから麗江の各観光拠点へのバスが出ています。

<麗江駅>
<麗江駅>

麗江へは、中国高速鉄道を利用してアクセスすることも可能です。昆明からは、高速鉄道で最速4時間弱で行けます。夜行列車もあり、例えば夜21:30に昆明を出発する列車は、翌朝7時50分に麗江に到着するので、朝から観光するのにはとても便利です。また麗江駅からはバスなら25分くらいです。

中国麗江の魅力 その1. どこか懐かしい雰囲気がする巨大な麗江古城

<昼の麗江古城>
<昼の麗江古城>

約800年もの長い歴史を持つ麗江古城は、その古い街並みを保存し、観光地として整備された魅力的な場所です。独自の景観は、どこか懐かしい雰囲気があります。

2019年まで古城内は維持費が必要でしたが、2025年現在は無料で自由に古城内を散策できます。古城内は坂道も多く、とても広いので時間をかけてゆっくり回りましょう。

<夜の麗江古城>
<夜の麗江古城>

古城内には宿泊施設もあり、古い建物をリノベーションしています。夜の麗江は賑やかで、町全体がライトアップされています。そしてショップやレストランも多くあり、さまざまなエンターテーメントが行われており、運が良ければ伝統的なナシ族のダンスも見られます。

麗江古城

  • 所在地:中華人民共和国雲南省麗江市古城区
  • 休館日:無し
  • 入場料:無料

中国麗江の魅力 その2. 麗江古城の政治的拠点「木府」 

<木府の入口>
<木府の入口>

木府は、麗江古城の政治的拠点です。1253年にナシ族を束ねていた木氏は、中国元王朝により麗江の「府知事」に任命されました。これ以降、木氏は麗江の事実上の領主として、世襲で明、清の王朝でも府知事であり続けました。470年もの間、麗江の領主であり続けた事実上の城が木府です。

<木府内に在る建築物>
<木府内に在る建築物>

木府の建物は、元々明朝時代の1382年に建てられましたが、清王朝の終わりごろに多くの建物が破壊されました。さらに1996年の麗江大地震では多数の建物が倒壊しましたが、3年もの歳月をかけて復元したのが現在の姿です。

このため、建物自体は文化財としての指定はありません。ただ当時の様式を見事に再建された建物を順番に奥まで見ていくと、かつての麗江を支配していたであろう威厳が感じられる建物ばかりです。

<木府内の庭園の池>
<木府内の庭園の池>

もっとも奥は坂を上がるようになっており、山の中腹から麗江の街並みが一望できます。また木府の正面から見て右側に見落としがちなスポットがあるので、ぜひ立ち寄ってみましょう。そこには池があり細長い庭園となっていて、鯉が泳いでいました。

木府(麗江市博物館)

  • 所在地:中華人民共和国雲南省麗江市古城区東大街
  • 電話:+868885122572
  • 開園時間:8:30~17:30
  • 休館日:無し
  • 入場料:40元

中国麗江の魅力 その3. 麗江古城を見下ろす万古楼と夜景

<夜の万古楼>
<夜の万古楼>

麗江古城の最も高い所にあるのが、万古楼です。木府の奥、獅子山の山頂にあり、かつて古城を支配していた木氏の屋敷がありました。現在は木府同様に再建された建物ですが、その壮麗な姿は必見です。特に、ここからは麗江古城全体が一望できる場所なので、麗江に来たら最初に訪れることをおすすめします。麗江古城の瓦が波打っているように見え、より位置関係がわかりやすいでしょう。なお、万古楼を含む獅子山頂上は有料(50元)が必要です。

<麗江古城の夜景>
<麗江古城の夜景>

今回は夜の万古楼に行きました。夜は訪れる人も少なくゆっくり見られます。五層の楼閣がライトアップされており、麗江の町から見上げるとその姿がとても幻想的です。そして夜に万古楼に上ると麗江の夜景が一望できます。

中国麗江の魅力 その4. 麗江の穴場・ナシ族を知る東巴博物館

<トンパ文字>
<トンパ文字>

麗江古城から見て北側に玉泉公園があります。玉泉公園は有料ですが、公園に隣接していて2025年の時点で無料開放されている東巴博物館(麗江市博物院)にはぜひ足を運びましょう。ここは麗江に住んでいるナシ族を知る事ができるミュージアムです。

<東巴博物館の様子>
<東巴博物館の様子>

館内はナシ族に関する資料が展示していますが、特に注目したいのはトンパ(東巴)文字です。これはナシ族が使っていた文字で、ナシ族の中でも祭祀を行う司祭が代々受けついで来たとされる文字です。

中国大陸と言えば漢字(簡体字)ですが、少数民族の独自の文字の存在がみられる場所です。世界遺産に登録され観光地化した麗江ではトンパ文字が漢字と併用しています。

東巴博物館(麗江市博物院)

  • 所在地:中華人民共和国雲南省麗江市古城区教育路
  • 電話:+868885180270
  • 開館日:9:00~16:00
  • 休館日:第1・3月曜
  • 入場料:無料

中国麗江の魅力 その5. 一期一会の世界遺産!玉龍雪山・藍月谷 

<麗江古城から見える玉龍雪山>
<麗江古城から見える玉龍雪山>

麗江古城から北にあるのが玉龍雪山です。ナシ族が「神の山」としてあがめていた麗江の聖地は、画像にもあるように天気が良ければ麗江の中心部からでもその様子が見られます。現在はロープウェイがあり、標高4,506メートル地点まで一気に上がれます。

<バスの車窓から見えた藍月谷>
<バスの車窓から見えた藍月谷>

そしてもう一つの見どころは玉龍雪山を間近で見られ、川底まで見渡せるほどとても透明度の高い藍月谷(らんげつこく)です。玉龍雪山の高さ4,506メートル地点まで一気に上がると高山病のリスクもありますが、藍月谷であればその心配は比較的少ないでしょう。

といっても標高約3,000メートル近くあるので油断は禁物。どちらも麗江市内からはシャトルバスが出ており、1時間ほどで、世界遺産にも登録されている麗江玉龍雪山風景名勝区のベースキャンプ施設の前に行けます。

<藍月谷からみえた玉龍雪山>
<藍月谷からみえた玉龍雪山>

べースキャンプ施設からは、それぞれの行き先に応じたバスが出ています。20元で藍月谷行きのバスに乗れます。藍月谷は白水川が流れてできた複数の湖の総称で「藍月湖」「聴濤湖」「玉液湖」「鏡潭湖」という名前がついています。

訪問時は運良く天気が良かったので、湖の隙間から玉龍雪山の雄大な姿をとらえることができました。

<藍月谷にいる観光用のヤク>
<藍月谷にいる観光用のヤク>

藍月谷はフォトジェニックなスポットということで、人工的に作ったという石灰棚もあります。そして撮影スポットにや大きなヤク(牛の仲間)がいて、有料でヤクに乗って川に入ることもできます。

一期一会ともいえる玉龍雪山・藍月谷で、なかなかお目に架かれないヤクの騎乗体験も素敵です。

玉龍雪山・藍月谷

  • 所在地:中華人民共和国雲南省麗江市玉龍ナシ族自治県

中国麗江の魅力 その6. もうひとつ麗江・束河古鎮で普段のナシ族の姿を

<束河古鎮の入口>
<束河古鎮の入口>

麗江古城はとても素晴らしい観光地ですが、観光地化しすぎたために敬遠したいという旅行者もいます。そんな旅行者におすすめなのが、もうひとつの麗江と言える束河古鎮(そくかこちん)です。麗江古城からは北西4キロメートルほどの場所にありバスで20分ほどで行けます。

束河古鎮の水郷
<束河古鎮の水郷>

束河古鎮は、ナシ族にとって最も古い集落の一つともいわれています。また麗江を支配した木氏の発祥の地です。古鎮内は水郷の町となっており、玉龍雪山の雪解け湧水を集めたせせらぎが流れています。観光地化してはいますが、麗江古城と比べるとずいぶんのんびりしていて半日かけて散策したいところです。

<束河古鎮内に在ったローカル市場>
<束河古鎮内に在ったローカル市場>

訪問時は改装中で入ることができなかったのですが、束河古鎮には茶馬古道博物館があります。茶葉古道とは、チベットと雲南を結ぶルートでチベット方面から麗江・束河古鎮を経由して、雲南省の大理方面に茶葉を運搬していました。

束河古鎮は観光地化はされていますが、生活としての側面も残っており、観光スポットのすぐ横にローカルな市場がありました。普段のナシ族の姿を見る事が出来た市場では本当のローカルフードがいただけ、ショップより格安で名産品が手に入ります。そしてどんなローカルな市場でも微信や支付宝のモバイル決済が使えるのが今の中国です。

束河古鎮

  • 所在地:中華人民共和国雲南省麗江市古城区
  • 電話:+868885174636
  • 休館日:無し
  • 入場料:無料
  • 公式サイト:束河古鎮

麗江に来たらぜひ食べておきたい石鍋の野生菌(きのこ)火鍋

<野生菌火鍋とヤクの焼肉>
<野生菌火鍋とヤクの焼肉>

麗江に来たら是非食べておきたいのが雲南の野生菌火鍋です。野生菌とはキノコで雲南の名物なのですが、野生菌火鍋には定義があり、乾燥しているものではなくその時に採れるキノコを多く入れ、かつ動物性のスープで煮る必要があるそうです。麗江古城内の野生菌火鍋が食べられる店でいただきました。

<いろんな雲南の野生菌(キノコ)>
<いろんな雲南の野生菌(キノコ)>

さまざまな種類のキノコが石鍋に入っています。石鍋と鉄板が一体化していたため、鉄板の焼き物も楽しむことが出来ました。そこで、藍月谷で見たヤクが食べられると知り、ヤクとイカの鉄板焼きをいただくことにしました。

薔薇茶など麗江土産も楽しい麗江古城のショッピング

薇(バラ)の花のお茶が名物<雲南名物薔薇茶> 
<雲南名物薔薇茶>

麗江や雲南の名産品は麗江古城で気軽に購入できます。夜遅くまで営業しているのも安心です。例えば薔薇(バラ)の花のお茶が名物ですが、薔薇の花のお茶の専門店があります。薔薇の花の茶はローカルな市場でも販売していますが、麗江古城ならきれいにラッピングしているので贈答用にも最適です。

<麗江の醸造地酒>
<麗江の醸造地酒>

また、麗江の地酒屋さんもあります。中国は白酒というアルコール度数の高い蒸留酒が多いのですが、雲南地域はアルコール度数の低い醸造酒を販売しています。試飲しましたがフルーティな味わいで珍しいため、お土産に最適です。

中国麗江は意外なほど気軽に行ける魅力の観光地

<夜の麗江古城で見たナシ族のダンス>
<夜の麗江古城で見たナシ族のダンス>

中国麗江はかつては雲南の山の奥のほうにあり、日本からは遠い印象がありました。しかし実際には空港や高速鉄道の駅があるため、乗り継ぎは必要ですが驚くほど近いです。そして麗江古城や玉龍雪山といった世界遺産がある魅力の観光地。興味があれば遊びに行ってはいかがでしょう。

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万代正平

旅行が好きな旅人。日本国内は、北海道の網走、道東周辺から沖縄の八重山諸島・与那国島まで47都道府県すべて行ったことがあります。2020年2月までは毎年東南アジアに渡航しており、東南アジア10か国すべて訪問しました。海外では他にヨーロッパ(英国、ベルギー、アイルランド)アメリカ、中国、香港、マカオ、台湾、韓国への渡航経験があります。2020年春以降は、主に国内の旅行を中心に活動しています。

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