チュニジアの古代遺跡をめぐる旅 1.【カイルアン】

チュニジアの都市カイルアンは、北アフリカのイスラム発祥の地で、メッカ、メディナ、エルサレムに次ぐ重要な聖都とされています。

カイルアンへの7回の巡礼がメッカへの巡礼に匹敵すると言われるほど、重要視されている都市です。今回はカイルアンのグランドモスク、シディ・サハブ霊廟、そしてメディナを紹介します。

目次

チュニジア・カイルアンへのアクセス

チュニジア・カイルアン

地中海に面した北アフリカの国、チュニジア。ヨーロッパに最も近いアフリカの国で、海辺のリゾートと観光の両方が楽しめます。

この地域では紀元前、地中海貿易で栄えたカルタゴが存在しましたが、ローマ帝国による攻撃を受け、その遺跡の多くは失われてしまいました。

一方で、ローマの遺跡、そしてその後繁栄したイスラムの遺産が数多く残されています。中でも、メッカ、メディナ、エルサレムに次ぐ重要な聖都とされるカイルアンを紹介します。

日本からチュニジアへのアクセスは、ドバイもしくはドーハを経由する中東ルートか、パリ、イスタンブールもしくはフランクフルトを経由する欧州ルートで首都チュニスへ行くのが一般的です。

もしくは、パリやフランクフルトから、モナスティール国際空港への乗り入れも可能です。カイルアンはチュニスから南へ約160kmの位置にあり、バスもしくはタクシーで2時間から2時間半ほどで到着します。

バスは一日一本しかないため、注意が必要です。地中海に面した地域は温暖な気候ですが、7~9月の日中は非常に高温になるため注意が必要です。チュニジアは黄熱病やマラリア、デング熱などの危険性はありません。

公用語はフランス語およびアラビア語ですが、首都チュニスや、今回紹介するカイルアンに近いリゾート地スース、モナスティールなどは、英国からの観光客も多く、英語も通じます。

チュニジアの通貨はディナールで、1ディナール=約48円です。主要ホテルでは、ユーロ、ドル、ポンドからの両替を取り扱っているため、それらの外貨を持って行ったほうがいいでしょう。

アフリカ最古のモスク、カイルアンのグランドモスク

カイルアンの一番の見どころはアフリカ最古のモスクでUNESCOの世界遺産にも登録されているグランドモスクです。

670年の建設されたモスク

670年に建設されたこのモスクの、728年に建てられたミナレットと呼ばれる尖塔の1階部分は、なんとイスラム世界で最も古いのです。

代ローマのデザインに似た414本の列柱が並ぶ回廊

南側には大理石でできた礼拝堂がそびえ立ちます。残念ながら、礼拝堂の中は信者しか入れませんが、内部を覗くことはできます。また、古代ローマのデザインに似た414本の列柱が並ぶ回廊はとても神秘的です。

代ローマのデザインの回廊

中庭には大理石が一面に敷き詰められている

中庭には大理石が一面に敷き詰められ、中世の時代から残る日時計が今でも残されています。また、中央部分の地下には貯水槽があり、雨水を貯められる構造になっています。

建物の屋上からモスクの全体

グランドモスクの横にある絨毯屋兼カフェには、建物の屋上からモスクの全体が見られるテラスがあります。絨毯の宣伝を受けますが、屋上へのアクセスは無料なので、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

グランドモスク

  • 住所:Rue De La Kasbah, Kairouan, Tunisia
  • 開館時間:8:00~14:00
  • 休館日:無し

マグレブで最も美しいシディ・サハブ霊廟

イスラム教の預言者であるムハンマドの同胞、アブ・ザマ・エル・ベラウィの霊廟です。7世紀に建設されたこの霊廟は、モスク、神学校、巡礼者の宿などの機能を備えていました。

彼はムハンマドの専属の床屋であったとされ、このモスクは床屋のモスク(バーバーモスク)とも呼ばれています。

化粧漆喰の壁とモザイクタイルの貼られた壁

化粧漆喰の壁と、モザイクタイルの貼られた壁がとても美しく、北アフリカ・マグレブ地域で最も美しい霊廟と呼ばれています。

シディ・サハブ霊廟

  • 住所: Mosque of Barber, P12, Kairouan 3100, Tunisia
  • 電話:+21677288258
  • 開館時間:7:00~20:00
  • 閉館: 金曜 午後

※季節により異なるため、事前に要確認

チュニジアで最も有名な絨毯とメディナ

3km以上の城壁に囲まれたメディナと呼ばれる旧市街は、中世の街並みが保存されており、世界遺産にも登録されています。このメディナでぜひ訪れてほしいのが、ビル・バールタと呼ばれるカイルアン最古の井戸です。

ラクダと井戸をのぞき込む男性

外からは一見何の変哲もない建物ですが、階段を上ると、突如大きなラクダと水車が現れます。ラクダが水車を回し、地下水を汲むパフォーマンスを見せてくれますが、この井戸は796年に掘られ、メッカの聖なる井戸とつながっているという伝説が残されています。

モスクの建物とカーペット

カイルアンはウールやラクダの毛でできたカーペットが有名です。モスクの天井を参考にしたモチーフがカイルアンの絨毯の特徴です。

ビル・バルータ

  • 住所: M4G2+C82, Rue Barrouta, Kairouan, Tunisia
  • 入場料:チップ制

まとめ

今回は、イスラムの聖都であるカイルアンのモスク、霊廟、そしてメディナをご紹介しました。数多くの観光名所が集約しているのにもかかわらず、観光客が多くないため、穴場の観光スポットです。

ローマの遺跡とイスラムの遺産の両方が保存されているチュニジア。次回ご紹介するローマ時代の遺跡、エル・ジェムとともに、ぜひ訪れてみてください。

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Saori K. Courtois

西アフリカ在住の国際公務員。アフリカの日常的観光スポットから~旅行に役立つ情報まで幅広くお届けします。

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