レンタカー初心者が旅行で初めてレンタルする方法を専門家が解説!

レンタカー初心者が旅行で初めてレンタルする方法を専門家が解説!

旅行先での移動手段としてレンタカーを借りた方がいいかもしれないと考えている方もいるでしょう。

しかし、初めてレンタカーを借りる方をはじめ、運転免許を取得して間もない運転初心者、久しぶりに運転するペーパードライバーの方などは、どのようにレンタカーを借りたらいいのか、車種を選ぶときのポイントは何なのか、レンタカー会社はどう選ぶのかなどがわからないのではないでしょうか。

この記事では、運転免許を取得する際に通う教習所での指導や初心運転者へのレクチャー経験がある自動車ライターが、初めてレンタカーを借りる人に向けて、レンタカーの基本や利用の流れ、知っておくべきポイントなどを解説します。旅行先でレンタカーを借りるときの参考にしてみてください。

目次

<1. レンタカーを借りる前に確認すべきこと>

<2. ペーパードライバーでも大丈夫?>

<3. レンタカー利用の流れ>

<4. 車種選びのポイントは?>

<5. レンタカー会社の選び方>

<6. レンタカーを使って旅行を快適に楽しもう!>

1. レンタカーを借りる前に確認すべきこと

レンタカーを借りる前に、以下の4点は最低でも確認しておきましょう。

【1】運転免許の有効期限と免許の種類・条件など

免許証

レンタカーを借りるときは、運転免許証の提示が必須となるため、まず運転免許証が手元にあるか確認しておきましょう。

毎日のように運転している人であれば、運転免許証を常に携帯しているかもしれません。しかし、運転することがほとんどない人の場合、運転免許証を携帯していなかったり、どこに収納したのかわからなくなったり、なくしてしまったりすることがあります。

次に、免許の有効期限、運転できる車の種類、免許の条件などを確認します。有効期限が切れている(失効)場合、車を運転することができません。また、普通自動車・準中型自動車・中型自動車・大型自動車など免許の種類を確認し、レンタカーで借りようとしている車が保有している運転免許で運転できるか確認しましょう。あわせて、免許の条件(眼鏡等や「中型車は中型車(8t)に限る」など)も確認し、レンタカーで借りようとしている車を運転したときに条件違反にならないよう準備しておきます。

2025年3月24日から、運転免許とマイナンバーカードを一体化させた「マイナ免許証」の運用が始まりました。マイナ免許証でレンタカーを利用することはできますが、レンタカー会社によってはマイナ免許証への対応に時間がかかっているところがあります。マイナ免許証でレンタカーを借りる場合は、マイナ免許証でレンタカーを利用できるか事前にレンタカー会社に確認しておきましょう。

【2】レンタカーを運転できる人の条件

レンタカーは、基本的に運転免許を保有している人であれば運転することが可能です。ただし、レンタカー会社によっては、運転免許取得から1年以上経過していない初心運転者がレンタカーを利用する際に条件を設けているところがあります。運転免許を取得したばかりの初心運転者がレンタカーを利用する際は、レンタカー会社のホームページや問い合わせ先から車を借りる際の条件について確認しておきましょう。免許取得から1年未満の方がレンタカーを運転する場合、初心者マークも持参するようにします。

また、車を借りるときに、運転する人全員の運転免許証の提示を求めるレンタカー会社や予約した人の運転免許証の提示のみでよいレンタカー会社など、利用する際の運転免許証の提示についてもレンタカー会社によって異なります。

このようなことから、レンタカーを借りるときは、運転できる人の条件や車を借りる際に運転免許証を提示する人を事前に確認しておきましょう。

【3】レンタカーを借りる時間

レンタカーの予約をするときは、あらかじめ利用日時を伝えます。そのため、旅行計画を立てているときに、レンタカーを何時間(場合によっては何日間)借りる必要があるのか確認しておきましょう。また、レンタカーを利用する際は、時間にゆとりを持って借りることをおすすめします。

例えば、8月10日の10:00〜17:00まで車が必要な場合、8月10日9:00〜18:00まで借りるというように、実際に利用する時間の前後に余裕があると、荷物の積み下ろしや渋滞・交通混雑の際に焦りにくくなります。

【4】事故など万が一のときの対応

レンタカーを利用しているときに、交通事故や車両の故障・破損など、トラブルが発生してしまう可能性はゼロではありません。

このようなときのために、免責補償制度やNOC補償制度(NOC:ノンオペレーションチャージは、事故や盗難、車の故障や汚損、禁煙の車内での喫煙を含む臭いなどによって車両の修理等が必要になった場合に利用者が負担する営業補償)に加入しておくことをおすすめします。

旅行を楽しむためにも、車の保険や補償制度の内容を確認し、万が一に備えて必要な保険・補償に加入しておきましょう。

2. ペーパードライバーでも大丈夫?

レンタカーを借りようとしている人の中には、運転免許を取得して時間が経過しているものの、日常的に運転しないペーパードライバーの人もいるでしょう。

ペーパードライバーの人がレンタカーを借りて車を運転することは可能ですが、運転に自信がないときは、運転に慣れている人に運転してもらうことをおすすめします。ペーパードライバーが免許を保有しているからという理由だけで無理に運転すると、事故を起こしたり他の交通に迷惑をかけてしまったりするおそれがあります。

もし、ペーパードライバーの人が旅行先で運転しなければならない場合は、旅行に行く前に運転の練習をしてから旅行に行くようにするとよいでしょう。

ペーパードライバーの方におすすめな運転の練習は、教習所が実施しているペーパードライバー講習、または、出張型のペーパードライバー講習です。

教習所

教習所が実施しているペーパードライバー講習では、運転の基礎(基本操作や基本走行)から丁寧に教えてもらうことができます。運転免許を取得してから一度も運転していない人や最後に運転した日から時間が空いてしまっている人、車の操作や基礎知識などを改めて学びたい人は、教習所で実施しているペーパードライバー講習を受講するとよいでしょう。

出張型のペーパードライバー講習は、ペーパードライバー講習を主な業務としている会社が運営している講習です。自宅の車を使って練習できたり、苦手とする部分(駐車や路地の走行など)を集中的に練習したりすることができます。基本的な運転はできるものの、苦手な部分がある方は、出張型のペーパードライバー講習を受けるとよいでしょう。

旅行先で運転する前に、短時間でも運転の練習をしておくと、旅行先でレンタカーを借りたときに焦ったり戸惑ったりするのを抑えられます。運転に自信がない人や運転できるか不安な人は、旅行に行く前に運転の練習をしておくとよいでしょう。

3. レンタカー利用の流れ

レンタカーを利用する際のおおよその流れは、次の5ステップとなります。

レンタカー利用の流れ

STEP1.レンタカーを予約する

レンタカーを利用する際は、あらかじめ予約が必要です。予約は、各レンタカー会社のウェブサイト、電話、店頭で受け付けています。

レンタカー会社のホームページなどを見ると、利用当日の数時間前に予約をすればレンタカーを利用できると書かれていることがありますが、長期休暇や連休など、レンタカー利用者が集中しやすい日や期間は当日予約できない可能性が高いため、旅行日程が決まったらレンタカーの予約も忘れずにしておきましょう。

予約を取る際には、名前、連絡先、出発日時・出発店舗、返却日時と返却店舗、車種、乗車人数、オプション(チャイルドシートやスタッドレスタイヤなど)などの情報が必要となります。これらの情報は、予約を取る前に確認したり決めたりしておきましょう。

STEP2.営業所で借り受け手続き

車をレンタルする当日は、予約した時間までに出発店舗に出向き、借り受け手続きをします。

キーを渡すところ

レンタカーを借り受ける際は、「運転免許証(レンタカー会社によってはマイナ免許証も可)」を忘れずに持参してください。また、決済方法によっては、クレジットカードが必要となる場合があるため、予約を取ったときに当日持参する持ち物についても確認しておきましょう。

借り受け手続きでは、借用書の記入や傷・ヘコミの確認などを行います。これらの手続きが終わったら、いよいよ出発です。

STEP3.安全運転でドライブを楽しむ

レンタカーを運転して出かけるときは、安全運転を心がけながらドライブを楽しみましょう。

初めて運転する道では、道に迷ったり、向かう方向がわからなくなったりすることがあります。そのようなときに頼りになるのが、車やスマホのナビゲーションです。

ただし、ナビ画面を注視したり、携帯電話を手に持って操作したりするのは交通違反となります。運転者がナビや携帯電話などを操作する場合は、安全な場所に車を停めてから行うようにしましょう。

STEP4.返却前にガソリンを満タンにする

レンタカーを使って旅行を楽しんだら、返却予定時間までに車を返却店舗に返します。車を返却する際は、燃料を満タンにしてから返却するのが原則です。

もし、燃料を満タンにするのを忘れた場合は、走行距離に応じて燃料代を精算します。

満タン返ししなかった場合の料金は、ガソリンスタンドで給油して返却する場合よりも割高になることが多いです。そのため、返却前にガソリンスタンドに立ち寄り、燃料を満タンにしておくことをおすすめします。

ガソリンスタンドに立ち寄って燃料を給油するときは、油種の間違いに注意してください。油種を間違えるとエンジンが止まったり故障したりするため、給油するときは使用燃料を確認してから燃料を入れましょう。

STEP5.レンタカーの返却手続き

燃料を満タンにしたら、返却店舗に車を返します。

レンタカーを返却して荷物を降ろしたら、忘れ物や落とし物がないか再度細かくチェックしましょう。

レンタカーによくある忘れ物は、バイザーに挟んだカード類、シートの下・隙間などに落としてしまった小物類です。このような忘れ物がないか隅々まで確認するようにしましょう。

車両の確認や精算が終わったら、返却手続きは完了となります。

4. 車種選びのポイントは?

車が並んでいるところ

レンタカーを予約するときは、車種や乗車人数をあらかじめ決めておく必要があります。では、どのような点に注目しながら車種を絞り込んでいけばよいのでしょうか。

レンタカーの車種を選ぶときは、「人数」「走る場所」「荷物の量」をもとに絞っていくとよいでしょう。

【1】何人で乗るのか?

レンタカーを借りるときは、何人で乗るのか明確にしておくことがポイントです。

例えば、大人4人とそれぞれの手荷物を載せるのであれば乗車定員5人のコンパクトなハッチバックで問題ありません。しかし、大人4人とそれぞれのスーツケースを載せる場合は、乗車定員5人のSUVやステーションワゴンを選ぶことをおすすめします。

【2】どのような場所を運転する予定があるのか?

レンタカーでどのような場所を走るのかというのも車選びのポイントです。

舗装されていない道を走る可能性がある場合はSUV、狭い場所を走ることがある場合はコンパクトカーというように、走行する場所の道路事情にあわせて車を選ぶとよいでしょう。

【3】荷物の量はどのくらいか?

駅や空港から直接レンタカーを借りに行ったり、スーツケースを持っていったりする場合は、荷室の広さが十分にある車を選ぶことをおすすめします。

荷室の広さがわからない場合は、自動車メーカーのホームページで借りようとしている車の荷室を調べたり、レンタカー会社に問い合わせて「40L程度のスーツケースを3つ載せられますか?」などと聞いたりしておきましょう。

5. レンタカー会社の選び方

レンタカー会社は、日本全国に数多くあります。例えば沖縄には1,885もの事業者があり、どの事業者でレンタカーを借りればいいのかわからないと悩んでしまうことがあります。

そのような場合は、次の3つのポイントを参考にレンタカー会社を選ぶとよいでしょう。

【1】駅や空港から近い場所に事業所があるレンタカー会社

レンタカーを借りるときは、駅や空港から近い場所に事業所があるレンタカー会社を選ぶとよいでしょう。

事業所が駅や空港から近いと、駅や空港に降り立ってすぐにレンタカーを借りることができます。また、レンタカーを借り受ける時間を決めやすいのもメリットです。

【2】手厚い補償が選べるレンタカー会社

旅行先でレンタカーを借りるときは、手厚い補償を選べるレンタカー会社を選んでおくとよいでしょう。

旅行先で借りたレンタカーで走る道は、初めて運転する場所となる場合が多いです。そのため、万が一のときの補償をいくつかのプランから選べるレンタカー会社で車を借りると安心して運転できるでしょう。

【3】希望としている車種が選べるレンタカー会社

希望としている車種がラインナップされているレンタカー会社を選びましょう。

レンタカーで旅行先を移動するときの道中は思い出のひとつです。旅行をより充実させるためにも、希望する車種を選べるレンタカー会社で車を借りると、車での移動時間がさらに楽しいものになります。

旅行先でレンタカーを利用するときは、車選びにもこだわってみるとよいでしょう。

6. レンタカーを使って旅行を快適に楽しもう!

レンタカーを利用して旅行先での移動を楽しむためには、レンタカーの予約や運転の練習など事前準備を確実にしておくだけでなく、レンタカー会社選びや車選びにも気を遣うことがポイントです。

安全で楽しい旅行先でのドライブを実現するためにも、駅や空港から近い場所に事業所があり、手厚い補償を選ぶことができ、希望する車種を選択できるレンタカー会社で車を借りるようにしましょう。

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齊藤 優太

フリーランスの自動車ライター/インストラクター/ジャーナリスト。これまで、新車ディーラーの営業職、指定自動車教習所の教習指導員、中古車買取、タクシードライバーなど、自動車に関連する仕事に多く携わってきた。車旅が好き。基本的にどこまでも車で出かける。

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