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シンガポール在住18年、日本人男子が明かすシンガポールの特徴

<TOP画像:かつてのマレー鉄道 鉄道橋>
さて、私は2007年にシンガポールで就職をしています。今年が2025年ですので、シンガポール在住18年となりました。この18年の間に、シンガポールで多くの気づきを得てきましたが、特に、意図的に文章として書き残すことはありませんでした。
これまでは単純に、記憶に溜めていただけです。このたびこふれを良い機会として、18年の間に見聞きして、特に印象に残るシンガポールが持つ4つの特徴を書き残したいと思います。
目次
1. メガネ人口
2007年に来た当時も、そして現在も感じることのひとつとして、シンガポールにおける近視によるメガネ人口の多さです。バス、MRT(Mass Rapid Train 日本では地下鉄に相当するもの)といった公共交通機関を使っていると、特にメガネを掛けている人の多さに気づきます。
親子みんなメガネを掛けている家族。パートナーが二人ともメガネを掛けている状況。5,6人などでおしゃべりをしているすべての人がメガネを掛けている状況などが多くみられます。
見かける全ての人がシンガポール人とは限りませんが、地元の小学校、中学校、高校に通う生徒に注目すると、やはりメガネ率の高さには驚きです。朝、出勤するときに、駅から出てくる生徒たちが、立て続けにメガネを掛けているのを見ると、ある意味感心してしまいます。
シンガポール国立大学ヘルスシステムのウェブ記事を参照すると、50%以上の子供が、12歳までに近視の症状にかかる、との記事が書かれています。
近視については、遺伝も大きな要因かと思いますが、同時に小さい頃より学習を優先させられ、学校とは別に塾に費やす時間も多いため、このような状況になるのではと、個人的に推測しています。
2. お持ち帰り文化(Take-away)
昼食時間では、オフィス街で赤、黄色の袋を持って歩くサラリーマン。朝食時間、夕食時間では、同じく赤、黄色の袋を持って家路に向かう人々。彼らは食事のお持ち帰り(Take-away テイクアウェイ)をしている人々で、シンガポールでは頻繁にみられる光景です。
シンガポールでは外食文化が根付いており、お弁当を作りオフィスにもって来る人はあまりいません。昼食時間では、大多数のサラリーマンがオフィス近くのフードコート、ホーカーセンター、コーヒーショップ等で食事をとるか、持ち帰りをします。
自分がこれまで観察してきた体感値でいうならば、その場で食べている人と持ち帰りをしている人、半々くらいでしょうか。持ち帰りをする際、お店で提供される容器を使う場合は、20セントから30セント料金を追加されるため、自分で容器を持ち込む人もいます。
自分の容器を持ち込むことにより、ごみの削減にも繋がるため、政府も推進しています。しかしながら、この政府の推進が実際どれほど効果を出しているのかは分かりかねます(苦笑)。
また、朝、コーヒーやトーストなどを自宅に持ち帰る人を見ると、つい「こんな簡単なものさえ、家で作らず、買うのか。。」と思ってしまうことがあることも否めません。
3. 効率性と柔軟性
18年住んでいて、シンガポールという国家は非常に効率性が良い国だと実感します。デジタル化が進んでいることも理由のひとつかと確信しています。例の一つとしては、税金を払う際、外国人も政府系のウェブサイトにアクセスしなければなりません。
その際、スマートフォンのアプリケーションを使い、自分が持っている外国人用のIDでウェブサイトにアクセスすることが可能です。さらには、アプリケーションを使い、その場で支払いをすることが可能です。
外国人として政府系のウェブサイトにアクセスする機会はあまりありませんが、シンガポール国民はスマートフォンのアプリケーションから国民用のIDを用いログインし、複数の政府系のウェブサイトにアクセスすることが可能です。(例としては、パスポートの新規作成、更新、自動車免許証の新規作成、更新など)
柔軟性という点では、シンガポールが東南アジアに位置しているための気質なのでしょうか。以前フードコートでステーキを注文した際のことです。
メニューに記載されている付け合わせのうち、一つのものを食べたくなかったため、置き換えができるか尋ねたところ、何の問題もなく置き換えてくれました。
日本で住んでいた頃の経験からすると、日本では「セットメニュー」であるため、置き換えをしてくれることはまずなかったと記憶しています。
4. Kiasu(キアス)という国民性
シンガポール人の気質を表す際に、Kiasu(キアス)という言葉をなくしては語れません。これは中国語の方言である福建語に由来し、「怖い」を意味する「kia」と「負ける」を意味する「su」から派生した言葉です。北京語では怕輸と書きます。(怕は怖いを意味し、輸は負けるを意味します。)
一般的には「負けることへの恐怖」と定義され、自分の目標を達成するため、または他人より先を行くために競争的に振る舞う人に向けられます。分かり易く日本語に置き換えれば、「負けず嫌い」ということになるでしょうか。
この気質の由来について色々と諸説があるようですが、シンガポールに在籍する心理学者チームにより設立された団体のブログによる説明には以下の通り記載されています。
「小さな漁村から世界的な経済大国へと発展したシンガポールの道のりは、トラウマとしても残る、数々の出来事によって特徴づけられています。移民を起源としたシンガポール人口、植民地化と戦争の過酷な経験、そしてその後の独立闘争は、国民の精神に消えることのない傷跡を残しました。これらの集団的経験は世代を超えて受け継がれ、脆弱性と自己防衛の必要性を深く刻み込んでいます。」
シンガポールのフードコートで常々空きテーブルにポケットティッシュ等が置かれていることがあります。これは食べ物を注文するよりも先にまずは自分の席を確保するという典型的なKiasu行為と言われています。また、自動車の運転において言うならば、合流時に本線になかなか入れさせたがらないことも典型的なKiasu行為と思われます。
とにかく、自分の利益になる行動を最優先するといったところでしょうか。他人に迷惑がかからないKiasu行為であれば、見過ごすこともできますが、他人に迷惑がかかるKiasu行為については個人的に好みではないのが、本音です。
5. まとめ
さて、今日は個人的に印象に残るシンガポールが持つ4つの特徴を紹介しました。皆様はシンガポールへ旅行に行く際、美食、景観、文化等などに期待をはせることかと思いますが、国の根本となる人に注目をして旅行されることも、これまた一興かと思われます。カフェ、フードコート、レストランなどでのんびり人間観察する日を設けてはいかがでしょうか。
あなたが4つの特徴のうち少なくとも1つでも目撃することを楽しみにしています。
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シンゴポール
- 名古屋生まれ、岐阜育ち。英語を勉強しにシンガポールへ渡星。その後インド系IT企業に勤め、現在シンガポール在住17年目を迎えます。ひょんなことからインド人の利酒師に出会い、それがきっかけで利酒師を取得。今は日本酒の勉強に励んでいます。




























