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野菜や果物から始まる野菜ソムリエ的旅の組み立て方~北海道・札幌の旅

<TOP画像:多くの観光客が訪れる札幌市時計台>
野菜ソムリエの私が旅に出ようと思う時は「気になる農産物の生育を見たい」とか、「それらを育てている生産者にお話を聞きたい」ということから始まります。
地図を広げてアクセスを確認し、周辺の観光情報を収集して旅のプランを固めていきます。
今回は、私が住む"札幌"の旅を紹介します。野菜ソムリエの私がおすすめするファミリーで楽しめる札幌の旅を企画しました。
目次
今回の旅のきっかけ!
札幌は日本最北の政令指定都市。
全国の市の中で、横浜市、大阪市、名古屋市に次ぐ4番目の人口を有しており、北海道の政治、経済、文化の中心地です。
ビルやマンションなどが立ち並ぶ〝都市″としての機能と、郊外に広がる〝自然″という二つの要素を併せ持っています。その魅力を体感したいと四季を問わず、国内外から多くの観光客が訪れています。
今回は、小さなお子さんのいる野菜ソムリエが「子どもも大人も楽しめるおすすめの札幌観光を教えて欲しい」というリクエストがあり、同じく野菜ソムリエで、札幌在住の私がそのリクエストにお応えする札幌満喫の旅をご紹介します。
<札幌市の人口50万人を突破した1960年に「さっぽろの木」に選ばれたライラック>
高くて美しい場所!
"高い"といえば、札幌が誇る「大倉山ジャンプ競技場」があります。札幌市内の街並みと、はるか彼方の地平線まで望むことができます。1972(昭和47)年に開催した「冬季オリンピック札幌大会」でジャンプ競技が行われた場所としても知られています。
現在は、サマージャンプやナイタージャンプが可能な設備も完備され、数多くの国際的なジャンプ競技大会を開催しています。
「大倉山展望台」や「札幌オリンピックミュージアム」が併設。2020年5月にはリニューアされ、「札幌オリンピックミュージアムアネックス」となりました。
<ミュージアムグッズのほかちょっとオシャレな商品が並んでいます。自分土産におすすめです>
リフトを使って大倉山の頂上に上ると「展望ラウンジ」があり、標高307メートルの地から札幌の市街地や石狩平野、石狩湾などが一望できます。
さらにジャンパーたちが使うジャンプ台のスタートラインを目の前に見ることができるのも魅力のひとつ。急斜面のアプローチを真上から見下ろせば、選手たちの気持ちが伝わってきます。
<ジャンパーが飛び立つスタートライン付近。眼下には札幌の街並みが広がっています>
大倉山ジャンプ競技場
- 住所:北海道札幌市中央区宮の森1274
- 電話:011-641-8585
- 公式サイト:大倉山ジャンプ競技場
そして、〝美しい″といえば、「モエレ沼公園」にある「ガラスのピラミッド」です。「ガラスのピラミッド」は公園を象徴するモニュメントで、屋外の環境を直接に反映。
夏には美しい芝生で切り取られた青空を、冬には一面の雪原の美しさを、ガラスの建物が公園の風景と一体になったかのような感覚を味わうことができます。
ガラスで構成されたアトリウムは、一辺が51.2メートルの三角面と四角錐、立方体が組み合わされた複雑な形態となっています。館内にはレストランやギャラリー、ショップなどが入っており、週末には美術の展覧会などさまざまなイベントも開かれます。
<外は雪でも、ピラミッド内は暖かくて半袖で太陽光を楽しんでいる人たちも!>
札幌市の市街地を公園や緑地の帯で包み込もうという「環状グリーンベルト構想」における拠点公園として計画された総合公園で、約188.8ヘクタールという広さがあります。
1982年着工、2005年にグランドオープン。基本設計は世界的に著名な彫刻家イサム・ノグチ氏が手がけ、「全体をひとつの彫刻作品とする」というコンセプトのもとに造成が進められました。
園内には幾何学形態を多用した山や遊具などの施設が整然と配置されており、自然とアートが融合した美しい景観を楽しむことができます。
春には約1600本の桜が咲き、夏には水遊び場や噴水などを楽しむ親子連れの姿も見られます。秋には紅葉、冬は一面の雪景色の中でクロスカントリースキーやソリ遊びが楽しめるなど、四季折々の魅力を持った公園です。
モエレ沼公園
- 住所:北海道札幌市東区モエレ沼公園1-1
- 電話:011-790-1231
- 公式サイト:モエレ沼公園
街なかのビルの中にペンギン!?
札幌の中心部には歴史的な建造物も共存しています。「札幌市時計台」も然り。ビルに囲まれた中にある「時計台」を見て、びっくりする方も多いようです。
その正式名称は「旧札幌農学校演武場」といいます。「北海道大学」の前身である「札幌農学校」の施設として、初代教頭であるクラーク博士の構想に基づき、1878(明治11)年に建設されました。
これまでに教育団体の事務所や軍用施設、昭和には市立図書館として活躍してきたこの建物は、1970年に国の重要文化財に指定。
何度かの修復工事を経ながら、現在は札幌市を代表する名物スポットとして人気があります。もちろん、私たち市民には時を告げる時計塔として愛されています。
<明治時代から時を刻んでいる札幌市時計台。現在は、高いビルに囲まれていますが、今も市民に愛されています>
札幌市時計台
- 住所:北海道札幌市中央区北1条西2丁目
- 電話:011-231-0838
- 公式サイト:札幌市時計台
そして、もう一つ、街中にある「北海道庁旧本庁舎」、通称、「赤レンガ庁舎」。現在使われているその奥にある新庁舎ができるまで、約80年に渡って道政を担ってきました。
<当時は、この場所の中心にあったのでしょう。今はビルに囲まれている赤レンガ庁舎>
1888(明治21)年に建てられたアメリカ風ネオ・バロック様式の建築で、明治時代に作られた趣きのあるガラスなど、タイムスリップしたような気分にさせてくれます。
また、前庭もすばらしく、八重咲の桜や池に咲くハスなどを見に来る市民ファンも多いです。館内は一般に無料公開され、北海道の歴史をたどる資料も展示されています。
2025年7月24日までリニューアル工事のため休館。7月25日にリニューアルオープンします。
北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)
- 住所:北海道札幌市中央区北3条西6丁目
- 電話:011-204-5019
- 公式サイト:北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)
同じ札幌中心部に、2023年 7月20日にオープンした都市型水族館「AOAO SAPPORO」。複合商業施設「moyuk SAPPORO」の4階から6階の3フロアで構成されています。
館内は3つのゾーンで構成、ペンギンなどの生物展示に加え、水族館の裏側であるバックヤードの公開や、広大な海の世界にいるような没入感を味わえるデジタルアート、熱帯の緑が豊かに繁茂するエリアなど、水辺の生物たちや大自然の素晴らしさを感じることができます。
<愛らしいペンギンも手の届くような距離で見ることができます>
愛らしい姿を見せる「キタイワトビペンギン」や、道内初展示となる世界一小さいペンギン「フェアリーペンギン」のほか、チンアナゴやクラゲなど、水族館の人気生物に加え、道内最大級のスクリーンで、知床の海をテーマにしたデジタルアートも楽しめます。
クロワッサンやコーヒー、アルコール類も提供するパンバル「シロクマベーカリー&」を併設し、館内全フロア飲食可能です。
22時まで営業しており、17時以降は館内が月明かりの水辺のような幻想的な空間になります。ペンギンたちが寝ている姿を観察できることもあるかも!
<魚たちの愛らしいぬいぐるみ、使いやすいステーショナリーやスイーツもあります>
ミュージアムショップには、水族館にまつわるものがいろいろ。ちょっと個性的なお土産もゲットできますよ。
AOAO SAPPORO
- 住所:北海道札幌市中央区南2条西3丁目20 moyukSAPPORO4~6階
- 電話:011-212-1316
- 公式サイト:AOAO SAPPORO
子ども連れにやさしいホテル
札幌市内の中心部は、ビジネスユースや定員2名までの宿泊施設が多いのですが、「ホテルWBF札幌中央」では、家族旅行に最適な客室がいろいろあります。
<2段ベッドが2つ、ベッドも2つ。3世代利用や友達家族との利用も多い客室>
靴を脱いでくつろげる和室や2段ベッドが設置された洋室もあります。まるで自宅にいるかのようにファミリーでリラックスできます。
ホテル内は、ご自分のタイミングで、家族で気軽に立ち寄れるラウンジがあります。ドリンクや軽食をセルフで楽しめるスタイルで、ゆったりしたソファに座って、旅のプランを相談したり、おしゃべりを楽しんだりと思い思いの時間を過ごせる空間です。
お子さん連れの宿泊に役立つ備品(おむつ用ゴミ箱や踏み台、子ども用スリッパ、パジャマ、おもちゃなど)も多数用意してくれているのがいいですね。
朝食ブッフェでは、子どもに人気のミニパンケーキやお茶漬けコーナー、更にはラーメンサラダなどの北海道らしいメニューも登場します。ご家族でゆっくり、元気に1日をスタートできます。
ホテルWBF札幌中央
- 住所:北海道札幌市中央区南2条西1丁目2-2
- 電話:011-290-3000
- 公式サイト:ホテルWBF札幌中央
歴史的建物といえば「北海道大学」も忘れてはいけません。地下鉄南北線「札幌駅」から2つ北側にある「北18条駅」までの駅2つ分の広大な敷地があります。その中に長い歴史を感じさせるレトロな校舎が立ち並びます。
1876(明治9)年に「札幌農学校」として開学。イチョウやポプラ、開校時からの古い木々が立ち並び、歴史と自然が織りなす佇まいに多くの観光客を惹きつけます。もちろん、札幌市民も散歩を楽しむ場所のひとつとなっています。
<北大牛乳を使用したミニソフト。ミニですが、意外にボリューミーです>
広いキャンパス内には、入館料無料で入れる「総合博物館」や、北大正門近くにモーニングからディナータイムまで楽しめる「カフェdeごはん」があります。おすすめは北大牛乳を使用したソフトクリームです。
北海道大学オリジナルショップも併設しています。お菓子などのフードや衣料品や文具などお土産にも最適な品ぞろえです。
北海道大学
住所:北海道札幌市北区北8条西5丁目
電話:011-716-2111(代表)
公式サイト:北海道大学
観光農園でフルーツ三昧はいかが?
最後に、野菜ソムリエらしいご提案です!札幌の魅力は〝都市″としての機能と、郊外に広がる〝自然″という二つの要素を併せ持っていることです。
札幌の中心部から車で約30分の南区には果樹園が広がっています。そのひとつ「SAPPORO FRUIT GARDEN(札幌果実庭園)」をご紹介します。
園主の戸田さんが2019年に新規就農して始めた観光果樹園です。八剣山の南側、豊平川によって運ばれた肥沃な土に、たっぷりの日差しを浴びて育った果物や野菜の収穫体験などが楽しめます。
<サクランボ狩り>
年間スケジュールは、イチゴ狩り(6月中旬~)、サクランボ狩り(7月上旬~)、ブルーベリー狩り(8月上旬~)、リンゴ狩り(9月下旬~)、プルーン狩り(9月下旬~)、サツマイモ掘り(10月上旬~)、ラッカセイ掘り(10月上旬~)。
タイミングが合えば、一般には流通しないため"幻のイチゴ"と呼ばれる札幌生まれの「サトホロ」を味わうこともできますよ!
SAPPORO FRUIT GARDEN(札幌果実庭園)
- 住所:札幌市南区砥山70
- 電話:090-2209-9750
- 公式サイト:SAPPORO FRUIT GARDEN(札幌果実庭園)
最後に、札幌の野菜ソムリエ仲間が経営しているお店のご紹介です。「フーズバラエティすぎはら」という1941年創業のこだわりの食料品店です。
野菜や果物のラインナップもすごいですが、全国から取り寄せたバラエティ豊かな食品がところ狭しと陳列されています。
旅行中のおやつやデザートの買い物にも、お土産にしてもいいものがたくさんありますよ!
フーズバラエティすぎはら
- 住所:北海道札幌市中央区宮の森1条9丁目3-13
- 電話:0120-202447(フリーダイヤル)
- 公式サイト:フーズバラエティすぎはら
自分が住む札幌なので、盛りだくさんな観光情報になってしまいました。地元の人にも人気がある、大人も子供も楽しめる観光スポットをいろいろご紹介させていただきました。参考にしてみてください。
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吉川雅子
- 札幌生まれ、札幌在住。2003年に北海道で最初の野菜ソムリエとなる。現在は野菜ソムリエ上級プロ、青果物ブランディングマイスター、フードツーリズムマイスターなどの資格がある。
野菜や果物が好き。形や色、におい、育って行く過程、美味しさ、そして健康に良いこと。だから興味のある農産物のところに出かけ、その魅力を見聞きし、さらにお楽しみはお取り寄せ。それらを使って料理するのも好きです。