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9回目の尾瀬は残雪のゴールデンウィークの直前に(群馬)

こんにちは!たびこふれライターの中尾です。
2025年初の尾瀬はゴールデンウィーク直前の4月22日から24日にかけて行きました。
●今年の冬は雪が多かったのでゴールデンウィーク直前の尾瀬はどれくらい雪があるのかを見てみたい。
●雪が多いゴールデンウィーク直前の尾瀬はどんな危険があるのかを知りたい。
●ゴールデンウィークに尾瀬へ行かれる方のために雪かきをやりたい。
結論を先に申し上げると2025年(雪が多かった年)のゴールデンウィークの尾瀬は危険がいっぱいです。ゴールデンウィークに尾瀬に行かれる方は、ぜひ最後まで読んでいただき準備万端に、そして怪我をしないようにご注意ください。
※例年はゴールデンウィークの後半(5月)にはかなり雪解けが進み、尾瀬ヶ原では木道が出ているのですが、今年はゴールデンウィークを越えて5月中旬頃まで積雪に注意が必要になるかもしれません。
同時に昨年2024年のゴールデンウィークの尾瀬の様子と比較してみてください。
⇒6回目の尾瀬はゴールデンウイーク前半に(群馬・福島)
⇒7回目の尾瀬はゴールデンウイーク後半に(群馬・福島)
なお、龍宮小屋の方のお話しでは、近年のミズバショウ(尾瀬ヶ原)の見頃は5月20日前後ですが、今年は6月の第1週頃が見頃になると言っていました。
目次
- 今回の行程
- (2025年4月22日)鳩待峠から山ノ鼻へ
- (2025年4月23日)山ノ鼻から尾瀬ヶ原へ(龍宮小屋にて折り返し)
- (2025年4月24日)山ノ鼻から鳩待峠へ
- 鳩待峠に星野リゾートが登場します!
- ゴールデンウイークに尾瀬へ行く方へのアドバイス
- 尾瀬情報サイト リンク集
- 【重要】2025年(または雪が多かった年)のゴールデンウィークの危険情報
今回の行程
【1日目】2025年4月22日
●行程:尾瀬第1駐車場に車を停め、乗合バスを利用して鳩待峠へ移動。鳩待峠(標高1,591m)から山ノ鼻(標高1,400m)へ。
●距離:3.0km
●時間:(休憩なしの標準・無冠雪期)1時間
●天候:晴れ
●宿泊:至仏山荘(山ノ鼻)
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【2日目】2025年4月23日
●行程:山ノ鼻(標高1,400m)から尾瀬ヶ原を縦断し、龍宮小屋を往復。
●距離:片道2.0km 往復4.0km
●時間:(休憩なしの標準・無冠雪期)1時間20分
●天候:雨
●宿泊:至仏山荘(山ノ鼻)
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【3日目】2025年4月24日
●行程:山ノ鼻(標高1,400m)から鳩待峠(標高1,591m)へ。乗合バスを利用して尾瀬第1駐車場へ。
●距離:3.0km
●時間:(休憩なしの標準・無冠雪期)1時間30分
●天候:晴れ
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(2025年4月22日)鳩待峠から山ノ鼻へ
車は尾瀬第1駐車場(1日1,000円)に駐車しました。
乗合バスで鳩待峠までやってきました(片道1,300円)。
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鳩待峠(標高1,591m)で乗合バスを降ります。このあたりはまだまだ雪が多いです。
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鳩待峠の乗合バス降車場から鳩待峠までは100m程度歩きます。
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鳩待峠休憩所です。ゴールデンウィークの尾瀬は鳩待峠が玄関口になります。
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『尾瀬』と書かれた案内板はまだビニールシートに覆われていました。
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それではスコップを持って、鳩待峠(標高1,591m)を出発して山ノ鼻(標高1,400m)へ向かいましょう。
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鳩待峠直下に少しだけ木道が出ていました。木と木の間は空洞になっていて、このようなところに足を踏み入れるとズボっと踏み抜きしてしまいます。
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急な坂は階段を作りました。ただ、作っても雪解けが進むとすぐになくなってしまいます。
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雪解けまでは『冬道』と呼ばれる雪道を通ります。雪解けが進み、木道が出てくると『夏道』に変更となります。冬道は川上川の右岸から左岸に渡って右岸に戻って左岸に渡ってと、雪の上を行ったり来たりしますが、雪解けで雪の上が渡れなくなりますので、冬道から夏道への切り替え時期に注意が必要です。
※川上から川下に向かって、右側が右岸、左側が左岸となります。
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急斜面をトラバース(通過)するところがあり、滑り落ちると川上川まで転落しますので、慎重に進みましょう。できるだけ滑り止め(チェーンスパイクや軽アイゼン)を装着しましょう。
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木道が出ているところは雪の厚みが薄くなっているところです。この両側は踏み抜きに注意が必要です。
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冬道の時は木の枝にほとんどリボンが付いていません。なので、前の人が通った足跡を頼りに進みますが、道がハッキリしないので、前の人が間違えて進んでいることもあります。
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川上川の右岸を進みます。この先も左側が川上川に向かって急斜面になっていますので、十分注意して進みましょう。
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川上川の後方に至仏山(標高2,228m)が見えました。今年の至仏山は雪がたっぷり積もっています。
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『真ん中岩・二手木道(勝手に僕が名付けた)』ですが、完全に雪で埋まっていました。
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雪解けが進むと急斜面の雪が塊となって落ちてきます。巻き込まれないように注意してください。なお、テンマ沢はミズバショウの群生地ですが、今年はまだ雪が解けていないので、ミズバショウも姿を現していません。
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『山の川上川橋』を渡ると山ノ鼻はもうすぐです。
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山ノ鼻に到着しました。右の建物は尾瀬山ノ鼻ビジターセンターです。
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今日の宿泊は至仏山荘です。
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至仏山荘はキャンプ場を管理していますので、水場があります。水場に下りるのも一苦労です...。
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至仏山荘の玄関から外を見たらこんな感じでした。まだ2mくらい積雪があります。
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至仏山荘には男女別浴場があります。夕食前にお風呂(利用時間は15:00~19:00)に入りました。そして至仏山荘の夕食(17:00~18:00)です。ご参考まで。
(2025年4月23日)山ノ鼻から尾瀬ヶ原へ(龍宮小屋にて折り返し)
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至仏山荘の朝食(6:00~7:00)です。ご参考まで。
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今日は尾瀬ヶ原の視察および作業です。山ノ鼻を出発したところ。まだまだ木道は出ていません。
原の川上川橋付近
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まず最初に渡るのが『原の川上川橋』です。川のそばや橋は除雪されていますが、雪の厚みによる段差がありますので、階段を作ります。
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川のそばはこのように亀裂ができています。絶対にこの上に乗らないようにしましょう。乗ると崩れることがあります。
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このあたりでまだ1.5m程度の積雪があります。雪解けが進むように木道部分の除雪を行います。
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川沿いに亀裂が走っていましたので、崩していきます。
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こちら側の亀裂も崩していきます。
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少しすっきりしました。
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次は木道上に階段を作ります。
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右側の上に乗ると崩れます。状況を的確に判断しながら進まないととても危険です。
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尾瀬ヶ原を進みます。木道は出ていませんので、木道付近を進みます。
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ところどころ池塘(ちとう)が姿を現していました。この周辺は近づいてはいけません。
上の大堀川橋付近
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正面に見えるのが上の大堀川橋です。手前に大きな穴が開いています。たぶん、これは積雪量を調べるためにわざと掘り起こしたのだと思います。この時は木道まで2mくらいありました。
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橋の手前の木道のところは雪解けが進み穴があいていました。これは自然に開いた穴なので要注意です。
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橋を渡ります。氷が張っていて水量が多いです。
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牛首分岐の標識は頭だけ出ていました。
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晴れていれば正面に燧ヶ岳が見えるのですが...。
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雪解けが進んだ池塘のそばは木道が出ていました。木道と木道の間が危険なので、雪を取り除いていきます。
下の大堀川橋付近
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下の大堀川橋付近です。橋の前後が危険なので、踏み抜きをしないように雪を取り除いていきます。
竜宮現象地点
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このあたりは水が多いところなので、雪解けが進んでいました。雪の壁を取り除いていきます。
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ここも亀裂が走っています。
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龍宮小屋までもうすぐの場所です。
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足の置き場を誤ると水の中へ転落します。
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このあたり、雪が薄くなっていて、全身踏み抜きそうだったので、一気に除雪します。
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至仏山荘で作っていただいたお弁当(1,000円)をいただきます。この時期はベンチはありませんので、雪の壁に座るスペースを掘り、座っていただきます。
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かなり先まで除雪しました。しかし雪解けが進むと危険なので注意して進んでください。
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これを見ていただけるといかに危険かが分かると思います。これだけ雪が薄くなっているのです。この上を歩くと全身が落ちて大怪我します。
龍宮小屋付近
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龍宮小屋です。2025年は4月19日から営業を開始しました(不定休)。山小屋は必ず事前予約が必要です。
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龍宮小屋を過ぎると群馬県と福島県の県境です。沼尻川が県境になります。
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踏み抜いてしまいました。膝上までズボっといきました。痛かった...。
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橋を渡って1時間程度で見晴へ行けるのですが、今回はタイムアップで、龍宮小屋で折り返します。
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次は至仏山を正面に見ながら山ノ鼻へ戻ります。
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竜宮現象付近はミズバショウが花を咲かせていました。
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はい、2回目の踏み抜き。木道の位置に気を取られ踏み抜いてしまいました。
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この時期、尾瀬ヶ原を歩いている人は10人程度でした。
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原の川上川橋付近ですが、朝と比較するとさらに崩れていました。
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山ノ鼻に戻りました。尾瀬マップの看板もまだ雪の中です。
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至仏山荘に戻りました。お疲れ様でした。
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早速、缶ビールを買って飲み干しました!
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至仏山荘の夕食です。ご参考まで。山小屋はドリンクも充実しています。生ビールもありますよ!この日も夕食後はバタンキューです。
(2025年4月24日)山ノ鼻から鳩待峠へ
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至仏山荘の朝食です。ご参考まで。
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朝もやの中の山ノ鼻地区。
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最終日、山ノ鼻から作業をしながら、鳩待峠を目指します。
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山ノ鼻を出発すると樹林帯の中を進みます。
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『山の川上川橋』を渡ります。
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再び樹林帯を進みます。この先、テンマ沢まで熊の足跡がたくさんありました。僕が尾瀬に入った4月22日も熊に襲われた情報がありましたので、足早に進みます。
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川上川の右岸を進みます。
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ところどころ、沢があり、下に水が流れています。踏み抜くと水の中へ転落しますので、注意が必要です。
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鳩待峠から山ノ鼻まで送電線が伸びています。
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斜面を横断する時は細心の注意を払って進みましょう。
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この日は晴れていたので、至仏山が綺麗に見えていました。
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冬道は右岸と左岸を行き来しますので、ここは左岸から右岸に渡るところです。しかし、雪が薄くなっているので、まもなく冬道は閉鎖されると思います。
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最後の心臓破りの急登。鳩待峠はもうすぐです。
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もうひとふんばり!
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鳩待峠に到着。
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鳩待峠の乗合バス乗り場から至仏山が綺麗に見えていました。
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また反対側に目を向けると日本百名山の武尊山(ほたかやま)標高2,158mを見ることができました。
鳩待峠に星野リゾートが登場します!
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昨年から何か建設しているなと思っていましたが、星野リゾートが鳩待峠に2施設登場します。
こちらは鳩待峠に新しくできる『LUCY尾瀬鳩待 by 星野リゾート(宿泊施設)』です。2025年9月1日オープン予定です。
⇒https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/lucyozehatomachi/
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また同じく鳩待峠に2025年8月1日にオープンする『はとまちベースCafe&Shop by 星野リゾート(カフェと土産店)』です。
⇒https://hoshinoresorts.com/ja/brands/daytrip/sp/hatomachibase/
ゴールデンウイークに尾瀬へ行く方へのアドバイス
尾瀬に関してはこちらの記事で詳しく書きましたのでまずはコチラをご覧ください!
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●尾瀬は雨(雪)の多い地域です。雨具は必ず持参してください。尾瀬は標高が高いため、雪が降ることもあります。
●靴は防水のハイカットが必要。靴の中に染み込むと凍傷の危険性があります。
●滑り止め(チェーンスパイク、アイゼン、スノーシューなど)が必要。
●トレッキングポールも必要です。先は保護ゴムを着脱できるようにしておきましょう。
●山小屋のオープン状況を必ず確認してください。
●山小屋には浴場がありますが、タオルはありませんので、バスタオルなどを持参してください。
●山小屋内はパブリックスペース以外、暖房が入っていませんので、防寒着を持参してください。
●日差しや雪焼け防止のため、帽子、サングラス、日焼け止めを必ず準備してください。
●踏み抜いた時の処置に痛み止め、湿布を持参してください。
●スマートフォンの充電器、カメラの予備バッテリーを忘れずに準備してください。山小屋でのコンセントは共用なので混雑していると充電できないこともあります。
●ゴミ箱はありません。ゴミはすべて持ち帰りです。山小屋で購入したもののみ山小屋で引き取ってくれます。
●登山計画書を必ず提出しましょう。
●登山保険に必ず加入しましょう。
尾瀬情報サイト リンク集
尾瀬歩荷のYouTubeチャンネル
尾瀬の最新情報は『Japanese Porter -尾瀬 歩荷-』チャンネルをご覧ください。定期的に最新情報をアップしています。
>>Japanese Porter -尾瀬 歩荷-チャンネルはこちら
【重要】2025年(または雪が多かった年)のゴールデンウィークの危険情報
危険①雪が多い年は単独行動を避けた方がいいです
尾瀬が初めての方は経験者に同行する、または登山ガイドを雇いましょう。単独で行動すると深みに踏み抜くと上がってこれなくなったり、熊に出会うと襲われることもあります。
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危険②鳩待峠から山ノ鼻までの登山道は冬道と夏道があります
冬道は川上川の右岸左岸を行き来します。雪解けが進むと川の上に積もった雪が薄くなり、最後は川に落ちます。そうなると対岸に渡れなくなったり、最悪は川に転落する恐れがあります。また、冬道には目印となるリボンがありませんので、道迷いに注意が必要です。冬道から夏道になる時の判断が難しいです。
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危険⓷滑り止めを必ず持参してください
慣れている方は滑り止め(チェーンスパイク、アイゼン、スノーシューなど)なしの登山靴で歩いていますが、急斜面を斜めにトラバースすることもありますので、滑り止めが必ず必要です。特に鳩待峠から山ノ鼻までは滑り止めがないと、滑落や川上川へ転落などの危険が伴います。
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危険④踏み抜くと大怪我することがあります
雪が多い年は木道が出ていないことがあります。しかし、春になり気温が上がると急激に雪解けが進みます。そうなると雪の下に空洞ができ、雪が薄くなっていきます。そこへ足を踏み入れるとズボっと踏み抜いてしまいます。場所により、体全体を踏み抜いてしまったりします。そうなると骨折することもあります。踏み抜きで注意が必要な場所は、木道と木道の間や木道の外側の空間、川のそば、橋の前後、木のそばです。また亀裂が入っているところには絶対に近づかないようにしましょう。
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危険⑤熊に注意が必要です
4月は熊が活発に動いています。僕が尾瀬入りした2025年4月22日も熊に襲われて怪我をされた方がいます。鳩待峠から下ったところにあるテンマ沢から山ノ鼻にかけては熊の生息地です。雪深いからまだ熊はいないと思うのは大間違い。僕が行った時も熊の足跡がたくさん残っていました。熊鈴を使いましょう。
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※当記事は2025年4月22日から24日にかけて訪問した時のものです。常に最新情報を確認した上で計画してください。
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中尾勝
- 旅が大好き!国内海外を問わず飛び回っていますが、海外へは2011年に渡航して以来、出国していません。今は原点に戻り国内を旅しながら日本の良さを体感中。




























