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岐阜のお土産ベスト10! 岐阜駅のアンテナショップによるランキング

「岐阜のお土産といえば何?」と聞かれると、おそらく地元のほとんどの人は、何を挙げたらいいものかと悩んでしまうでしょう。岐阜在住の筆者もそうです。岐阜県はとても広く、観光地が東西南北に点在しているため、観光地ごとにお土産の種類が異なることも多いからです。各地で特色豊かな文化や産業が発展し、「定番」のお土産もバラエティに富んでいるのです。
そこで今回は、岐阜県のアンテナショップに、岐阜のお土産の人気ランキングとおすすめのポイントを聞いてみました。ご協力いただいたのは、JR岐阜駅の駅ビル内にある「THE GIFTS SHOP」(ザ・ギフツショップ)。岐阜県産品販売・情報発信拠点として、伝統工芸品などを展示したギャラリーゾーンとお買い物を楽しめるショップゾーンの二つからなるユニークなコンセプトのお店です。
2024年4月のリニューアルオープンから1年分の販売数量データをもとにした「岐阜のお土産ランキング」を発表! お話を伺った取締役の後藤 健次郎さんのおすすめポイントと一緒にご紹介します。
目次
<4. 第3位「岐阜のかりんとう 栗きんとん」(サラダコスモ)>
<11. 第10位「雪たる満(ゆきだるま)・都鳥」(奈良屋本店)>
<13. ご協力いただいたお店:THE GIFTS SHOP>
1. 岐阜のお土産にはどんなものが多い?
まず、岐阜にはどんなお土産が多いのかについて聞いてみました。
栗きんとん、鮎菓子、おせんべいなど、昔ながらの和菓子は、今もなお岐阜のお土産として人気が高く、買い求める方が多いのだそうです。また、このような定番土産を洋菓子風にアレンジしたり、見た目を変えたりした新しいお土産も人気があります。最近では、特産の富有柿やトマト、各地の伝統野菜をつかったアイテムも増えていて、関心を集めているようです。
<県下40蔵以上の酒蔵から集められた地酒のギャラリー>
また、岐阜県には約50蔵の酒蔵があり、THE GIFTS SHOPでは、それらの酒蔵の日本酒を多く取り扱っています。今回は、販売数量をもとにしたランキングで酒類はランク外となりましたが、ベスト10に迫る人気アイテムで「地元にお住まいの方が、日本酒のコーナーをご覧になっていることもあります。なかなか手に入らない酒蔵の銘柄を見つけて、手土産に選ぶ方もいらっしゃいます」(後藤さん)とのことです。
それでは、岐阜のお土産ランキング・ベスト10をご紹介しましょう!
2. 第1位「あゆピー」(山本佐太郎商店)
<写真提供:山本佐太郎商店>
「あゆピー」は、明治9年創業の老舗油問屋「山本佐太郎商店」が手がける、油をつかったお菓子シリーズのひとつ。鮎の形をした細長いあられとピーナッツを組み合わせたお菓子です。
「岐阜といえば?と聞かれて、多くの方は長良川の鵜飼をイメージするのではないでしょうか。その清流長良川の鮎と誰もが知っている柿ピーを組み合わせたアイデア商品ですね」と後藤さん。
<写真提供:THE GIFTS SHOP>
柿ピーから連想しやすい味で手に取りやすく、ボリュームもプライスも手頃な点が第1位にランクインする理由なのでは、ということでした。実は取材に伺ったこの日、「あゆピー」は人気のあまり品切れで、次回の入荷も10日先ということでした。THE GIFTS SHOPだけでなく、他店でも入荷を心待ちにされているほどの大人気商品。お店で見かけたら「即買い」をおすすめします。
3. 第2位「うかい鮎」(亀甲屋本舗)
第2位も鮎をイメージしたお菓子がランクイン。毎年5月11日から10月15日に行われる長良川の鵜飼に合わせて、夏が近づくと岐阜市や近郊の和菓子店には「鮎菓子」が登場します。
「鮎菓子」は、もち粉や水あめで作った求肥(ぎゅうひ)をカステラ生地で包んで焼いたもの。お店によって、頭やしっぽの形、鮎の表情に個性があります。
亀甲屋本舗の「うかい鮎」は、スッとした顔つきで鮎の腹側がなめらかな曲線でシンプルな美しさ。職人の手焼きというカステラ生地のきめ細やかさ、求肥の控えめなやさしい甘さが口の中に広がります。
「うかい鮎」は5個入りと10個入りがあり、お土産にちょうどいいボリュームです。
4. 第3位「岐阜のかりんとう 栗きんとん」(サラダコスモ)
岐阜で「栗きんとん」といえば、蒸した栗の実を、砂糖と一緒に炊きあげて、ふきんで絞って栗の形にした素朴な和菓子のこと。この「栗きんとん」をかりんとうに混ぜ込んでつくったのが「岐阜のかりんとう 栗きんとん」です。
岐阜県でよく知られた農産物の風味をかりんとうで味わえるというのがこの「岐阜のかりんとう」シリーズ。今回、第3位に入った栗きんとんのほかに、店頭には「ゆず」「バラ」「塩トマト」が並んでいました。
「ランクインしたのは栗きんとんですが、実は、どの味もよく売れているんですよ」(後藤さん)とのこと。意外なところでは、バラも岐阜県で盛んに栽培されていて、ミニバラは日本一の生産量を誇るそうです。
5. 第4位「栗きんとん」(恵那寿や)
<写真提供:恵那寿や>
第4位には恵那寿や(えなすや)の「栗きんとん」がランクイン。毎年、9月から翌年の1月ごろまで販売しています。季節限定スイーツにもかかわらず岐阜のお土産ランキングで上位に入っていることからも、岐阜の定番土産としての高い人気と実力を感じますね。取材時はオフシーズンのため、「栗きんとん」の写真を恵那寿やさんからお借りしました。
<写真提供:恵那寿や>
近年は、東京や名古屋などの大都市でも期間限定のポップアップショップが展開され、より多くの人に「栗きんとん」が知られるようになってきました。知名度アップにともない、贈って喜ばれるお土産としてますます人気になりそうです。
6. 第5位「とちの実せんべい」(長瀬久兵衛商肆)
岐阜のお土産ランキング第5位には、長瀬久兵衛商肆(ながせきゅうべいしょうし)の「とちの実せんべい」が入りました。長瀬久兵衛商肆の地元、高山市で採れたトチの実が使われているそうです。
「とちの実せんべいは、岐阜に住んでいると昔から見慣れていますが、遠方からのお客様には珍しいようで、手に取られる方が多いです」(後藤さん)
生地に栗よりも小ぶりなトチの実の粉末を混ぜ、薄焼きで仕上げたサクッと軽い食感に焼きあがったおせんべい。口の中でほのかな甘さが懐かしさを誘います。緑茶はもちろん、コーヒーのお供にも合いますよ。
7. 第6位「松浦軒カステーラ」(松浦軒本店)
老舗和菓子店の松浦軒本店が、江戸時代に長崎から伝えられた製法を220年以上にわたり守り続けて作っています。ポルトガル伝来の方法で、1本1本、丁寧に焼き上げているそうです。
小学生くらいのお嬢さんが、一緒にいたお母さんに「カステーラを買っていこうよ」と話しかけているところに遭遇しました。「きっと、お嬢さんは松浦軒カステーラの味をご存じなんだと思いますよ」と後藤さん。
今回、この「松浦軒カステーラ」を初めて知り、実際に自宅でいただきました。フィルム包装をそっと開けて、カステーラを一口大にカットすると、もっちりした感触が伝わってきました。口へ運んでみると、舌ざわりはふんわりとして、やさしい甘さが広がり、懐かしくあったかい故郷のような味わいでした。
昔ながらの味に懐かしさを感じる世代だけでなく、食べ盛りの世代など幅広い年齢層に喜んでもらえそうです。
8. 第7位「栗ごころ」(御菓子処 松谷園)
岐阜の銘菓「栗きんとん」を羊かんで包んだ、ダブルで美味しい御菓子処 松谷園の「栗ごころ」がお土産ランキングの第7位に入りました。
1本の羊かんの中に、なんと栗きんとんが5つ! 「栗ごころ」は通年販売されているため、「栗きんとん」のオフシーズンにも購入できます。これは「栗きんとん」ファンにとって大きなポイント!
「栗ごころ」の良さは、地元の栗をつかった「栗きんとん」の風味はもちろんですが、もうひとつ注目したいのが回りを包む羊かんの滑らかさでしょう。原料の「糸寒天」は、恵那市山岡町の名産品のひとつ。高級和菓子店で重宝されているその品質は、明け方に氷点下まで冷え込み、日中は冬晴れが続く山岡町の気候あってのもの。名産の「栗きんとん」と「糸寒天」のコラボで実現した岐阜のお土産といってもいいかもしれません。
9. 第8位「炭火焼豚」(肉の御嵩屋)
第8位と第9位は、これまでのお土産ランキングに多かったお菓子ではなく、ごはんのお供や酒のおつまみにうれしい「焼豚」の2品が入りました。
この2品を販売している「肉の御嵩屋」は、岐阜県八百津町で昭和元年に創業して以来、地元で100年愛されてきた精肉店。人気ナンバー1の「炭火焼豚」は、精肉店が厳選した国産豚肉を煮豚にして、地元の炭焼き職人が作った炭で焼きあげるというこだわりの一品です。
「炭火焼豚」は、味付けにもこだわっています。伝統のタレは地元の老舗醸造元による肉の御嵩屋のためのオーダーメイド。塩分控えめで仕上がりの色の濃さまで考え抜かれた醤油を使っているそうです。
10. 第9位「炭火焼豚丼の素」(肉の御嵩屋)
続いて、第9位は「炭火焼豚丼の素」。第8位で紹介した「炭火焼豚」の切り落とした部分が使われています。こだわりの製法で仕上げた香り高くコクのゆたかな味はそのままに、お値段リーズナブルな一品です。
「炭火焼豚丼の素」はパウチ袋のまま、熱湯で3分ほど温めて白いご飯に混ぜるだけ。簡単で美味しい炭火焼豚丼があっという間に出来上がります。岐阜のお土産にはレアな「焼豚」の意外性と100年の歴史に裏付けられた確かな風味は、岐阜をよく知っている方へのギフトとしても新たな魅力が伝わりそうです。
11. 第10位「雪たる満(ゆきだるま)・都鳥」(奈良屋本店)
岐阜のお土産ランキング・ベスト10の最後を飾るのは、奈良屋本店の「雪たる満(ゆきだるま)・都鳥」です。ぜひ、実物をご覧になってほしいのですが、この白くて丸っこい姿はとてもかわいらしく、もらった人の心も踊ること間違いなしです。明治19年(1886年)から卵白と砂糖だけを使って、ひとつひとつ手作業で作られています。
包装を開けると愛らしい顔がのぞき、メレンゲ焼き菓子に描きこまれたその表情は、どれ一つ取っても同じものはありません。緑茶・番茶・コーヒーなどのお供にぴったりで、手軽なお土産として選ばれているようです。また、「雪たる満・都鳥」には皇室にゆかりのある誕生秘話があり、奈良屋本店の公式サイトで紹介されています。
12. ランキング外だけどおすすめの岐阜のお土産
<向かって左が後藤 健次郎さん、右はスタッフの青井悠雅さん>
販売数量ランキングには、持ち帰りやすいお菓子や食品がベスト10に連なりました。しかし、岐阜のお土産はこれだけにとどまりません。山と川の恵みを受け、人々が大切に守ってきた食文化や伝統工芸など、非常にバラエティに富んでいます。そこで、ランキング・ベスト10圏外のうち、THE GIFTS SHOPスタッフの皆さんからおすすめいただいたお土産の3品もご紹介しましょう。
「Math Salt」(大垣量器)
枡のなかに入浴剤が入った、その名も「Math Salt(マスソルト)」。「水の都」として知られる大垣市は、昔から枡の生産が盛んで現在も全国シェア80%を誇っています。枡の新しい活用として生まれた大垣量器の「Math Salt」は、ラベルとラッピングを外して枡ごとお風呂に入れる入浴剤。枡のヒノキと入浴剤のハーブの香りがお風呂いっぱいに広がります。
香りはひのき、ゆず、ラベンダー、さくら、カモミール、ローズの全6種類。
<枡のメッセージは、今日も頑張ったね おつかれさま、Good luck、笑う門には福来る、〼〼(ますます)幸せ、いつもありがとう、あなたらしく、など全18種類>
枡の底には、それぞれの香りにつき3種類のお祝いや感謝の気持ちを伝えるメッセージが刻印されています。「どのメッセージが刻印されているか、包装に色のシールをつけて区別していますので、伝えたいメッセージを伝えたい方へ確実にお渡しいただけますよ」(後藤さん)
「初緑(はつみどり) 純米吟醸 無濾過生原酒 720ml」(奥飛騨酒造)
こちらは下呂の老舗、奥飛騨酒造の「初緑(はつみどり)」です。「初緑 純米吟醸 無濾過(むろか)生原酒(なまげんしゅ)」は、日本酒が好きな方はもちろん、
「普段あまり飲まないという方や女性にも口当たりがよく飲みやすいと人気のお酒です」(後藤さん)とのことです。
ろ過をせず、火入れをしない生原酒の「かすかなシュワシュワ感」は洋食との相性もよさそうです。「ワイングラスでおいしい日本酒アワード 2021」で金賞を受賞したことからも、その実力は折り紙付き。
キリっとした後味は、酒米の王様といわれる「山田錦」ならでは。飲む人、合わせる料理を選ばない「緑と山に囲まれた山里の酒」(奥飛騨酒造)は、初めてお会いする方への手土産としてもおすすめです。
「鮎アヒージョ」(十六兆)
3品目は、大垣市で鮎料理専門店を営む十六兆の「鮎アヒージョ」です。「水の都」大垣の地下水で育てた鮎だけを使ったこだわりの一品。
鮎はその香りの良さから「香魚(こうぎょ)」と呼ばれ、スイカやキュウリに似た爽やかな香りとオリーブオイル、香辛料、ハーブが食欲をそそります。
鮎をそのままお酒のおつまみにするもよし、鮎の旨みがしっかり溶け込んだオイルをパスタやピザに使うもよし。「鮎といえば塩焼き、刺身、天ぷら」といった和食のイメージを良い意味で打破する、岐阜の新しい鮎グルメといえるでしょう。
13. ご協力いただいたお店:THE GIFTS SHOP
JR岐阜駅の駅ビル内にあるTHE GIFTS SHOP(ザ・ギフツショップ)は、地元で展開する「岐阜県のアンテナショップ」です。岐阜県らしさが伝わる商品が選定された「ショップゾーン」と、伝統工芸品や文化を紹介する「ギャラリーゾーン」の二つの顔をもっています。
観光で訪れた方はもちろん、岐阜県にお住まいの方が手土産を選びに足を運ぶことも多い有名店。駅売店ではなかなか出合えない、地元の人に長く愛されてきた「うまいもん」や素材や製法にこだわって作られた「逸品」の数々を手にとることができます。店舗スタッフの皆さんによる店頭POPには、それぞれの思いを感じる愛情たっぷりのコメントが書かれていますので、そちらもお見逃しなく。もちろん、聞きたいことがあれば近くのスタッフさんに声をかければ、丁寧に対応してくれます。
- 住所:〒500-8856 岐阜市橋本町1-10-1 アクティブG 2F
- 営業時間:10:00~19:00
- 定休日:アクティブG休館日(奇数月の第3火曜日 ※1月は変則)
- アクセス方法:JR岐阜駅直結「アクティブG」2F東、名鉄岐阜駅から徒歩6分
- 電話番号:058-212-3255
- 公式サイト:THE GIFTS SHOP
岐阜のお土産ランキング・ベスト10を振り返ると、夏の風物詩「鵜飼」や秋から冬にしか食べられない「栗きんとん」にちなんだお土産が上位に入っていました。また、地元で長く愛されてきた老舗の名品を手に取る方が多いようです。このほかにも、岐阜の魅力を伝えるお土産は紹介しきれないほどあります。岐阜観光の際には、素敵なお土産を見つけてみてください。
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高橋尚美
- 愛知県生まれ。大学進学をきっかけに上京し、卒業後はIT系雑誌の広告営業やWebメディアの広告企画の仕事に就く。結婚・出産を経て、2009年に岐阜市へ移住し、2017年からフリーランスライターとして活動を始める。現在、フリーペーパーやWebメディアでインタビュー記事を中心に執筆し、子育て・教育・食・健康・住まいなどの分野を得意とする。