公開日： 2025.06.15

最終更新日： 2025.06.15

車がなくても楽しめる旅行先！選び方やおすすめエリア集

旅行先の中には、公共交通機関ではなかなか行きづらかったり、スポット同士が遠くて車がないと不便だったりすることもあります。車を持っていない場合や、なんらかの理由で車を使いたくない場合の旅行では、駅から徒歩で行ける観光スポットが多いエリアや、公共交通機関が充実している地域など、車がなくても楽しめる旅行を選ぶと安心です。

この記事では、車がなくても楽しめる旅行先の選び方やチェックポイント、おすすめのエリアをご紹介します。車以外の移動手段で旅行を楽しみたい方はぜひ参考にしてください。

1.　車がなくても楽しめる旅行先の選び方

まずは、車がなくても楽しめる旅行先を選ぶためのチェックポイントや、車がない場合の移動手段についてみていきましょう。

車なしの旅行先選びにおけるチェックポイント

車なしの旅行先を選ぶ際は、駅やバス停からの徒歩圏内に観光スポットがたくさんあるかどうかが、まずチェックするべきポイントです。徒歩圏内に複数の観光スポットがあれば、車がなくても様々な体験が楽しめます。

また、公共交通機関が充実しているかも重要なポイントです。電車やバスの路線と本数が多い地域なら、車なしでもスムーズに移動できます。

車がないときの選択肢には何がある？

車がないときの移動手段として、公共交通機関のほかにレンタカーやレンタサイクルといった選択肢もあります。自動車の運転免許があれば、旅行先のレンタカーの営業所で車を借りて移動が可能です。レンタサイクルなら、徒歩では時間がかかってしまう距離でも気軽に移動できます。

2.　関東エリアで車がなくても楽しめる旅行先

関東エリアには、歴史的な街並みや自然の風景、温泉を楽しめるスポットがあります。関東エリアで車がなくても楽しめる主な旅行先は以下の通りです。

川越（埼玉県）

川越にはJR川越駅や西武鉄道の本川越駅、東武鉄道の川越市駅からバスでアクセスしやすい場所に観光地が集まっているため、車なしの旅行におすすめです。

川越一番街のバス停から徒歩でアクセスできる「蔵造りの町並み」では、江戸時代のような風景の中で飲食やお買い物が楽しめます。蔵造の町並みにある高さ約16メートルの「時の鐘」は、川越観光の有名スポットです。

川越一番街から少し離れた場所には、縁結びの神社として知られる「川越氷川神社」や、多くの文化財がある「喜多院」などがあります。昔懐かしい雰囲気の「菓子屋横丁」では、たくさんある菓子店で食べ歩きが楽しめます。

箱根（神奈川県）

箱根は、箱根山や芦ノ湖が作る自然の景色や史跡、美術館などが特徴のエリアです。箱根登山電車やケーブルカー、バスなどの移動手段で観光スポットを回れます。

芦ノ湖は火山の噴火によってできたカルデラ湖で、天気が良い時には富士山が眺められます。また、四季によって変わる山々の景色も見どころです。芦ノ湖の東岸に位置する箱根町では、江戸時代の関所を復元した「箱根関所」や「箱根関所資料館」を見学できます。

箱根登山鉄道の終点に位置する強羅（ごうら）は、温泉地として有名です。また、数多くの彫刻作品が展示される「彫刻の森美術館」や、美しい庭園で知られる「箱根美術館」なども楽しめます。強羅駅から無料送迎バスでアクセスできる「ポーラ美術館」も人気です。

鎌倉・江ノ島（神奈川県）

鎌倉・江ノ島では、「江ノ島・鎌倉フリーパス」を使うと小田急線の一部区間と江ノ電で自由に乗り降りができ、車なしの旅をお得に楽しめます。

海鮮料理やお菓子などのご当地グルメなら、様々なお店が並ぶ鎌倉の「小町通り」がおすすめ。鎌倉には多くのお寺や神社があり、国宝の大仏で知られる浄土宗のお寺「高徳院」は特に有名です。また、高徳院から徒歩10分ほどの場所にある「長谷寺」ではあじさい寺としても知られ、初夏には色とりどりの紫陽花が見られます。

江ノ島の人気スポットは、相模湾の様子を再現した大水槽が見どころの「新江ノ島水族館」や、周囲を一望できる展望灯台「江の島シーキャンドル」などです。様々な草花が見られる「サムエル・コッキング苑」にも多くの観光客が訪れます。

日光（栃木県）

日光には、世界遺産となっている「日光東照宮」をはじめ、JR日光駅からバスでアクセスできる観光スポットがたくさんあります。東武バスに乗って40分ほどの「中禅寺温泉」の周辺は宿泊施設も多く、車なしの旅行におすすめです。

中善寺温泉のバス停から徒歩圏内には、日本三名瀑の「華厳滝（けごんのたき）」があります。高さ97メートルの崖を流れ落ちる滝の景色は圧巻です。中禅寺湖の湖畔には、「中善寺」や「イタリア・英国大使館別荘記念公園」などがあります。遊覧船に乗れば、中善寺湖を周遊しながら山の景色を満喫できます。

草津温泉（群馬県）

群馬県の草津温泉は日本三名泉の1つです。長野原草津口駅などからバスで草津温泉バスターミナルまで行けば、徒歩圏内で観光を楽しめます。

中心に位置する「草津温泉湯畑」は、温泉が湧いている様子が街中で見られるスポットです。湯畑の周りには観光施設やお土産店、飲食店が数多く並んでいます。また、湯畑から続く「西の河原（さいのかわら）通り」に並ぶお店も観光客に人気です。

草津温泉の伝統である湯もみを見るなら、観光施設「熱乃湯（ねつのゆ）」がおすすめ。熱乃湯では、草津節に合わせて大きな木の板で湯をかき回す湯もみのショーが見られます。草津温泉の伝統に触れたい方はぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

3.　関西エリアで車がなくても楽しめる旅行先

関西エリアには見どころのある観光スポットが徒歩圏内に点在していたり、電車やバスですぐ移動できるようなエリアがたくさんあります。ここでは、関西エリアで車がなくても楽しめるおすすめの旅行先をご紹介します。

京都市内（京都府）

京都市内は、バスや地下鉄が充実しているため車なしの観光に便利です。京都市営バスや京都バス、地下鉄の烏丸線（からすません）や東西線で様々なスポットに行けます。

清水の舞台で知られる「音羽山清水寺（おんわさんきよみずでら）」は、世界遺産に登録されている名所です。本堂だけでなく、三重塔や仁王門など多くの見どころがあります。たくさんの鳥居が立ち並ぶ「伏見稲荷大社」も京都観光で人気の場所です。

「東映太秦映画村」では、時代劇の撮影を見学し、タイムスリップしたような気分が味わえます。国内初のマンガ総合文化施設の「京都国際マンガミュージアム」も京都観光におすすめです。

大阪市内（大阪府）

大阪市内も公共交通機関が充実しています。JR大阪駅に直結する商業施設「大阪ステーションシティ」ではレストランやホテル、映画館、ショッピングモールでのお買い物が可能です。また、駅の北側にある「グランフロント大阪」でもレストランやカフェ、ファッション、雑貨店などを利用できます。

高層ビル「梅田スカイビル」の空中庭園展望台からは、173メートルの高さから大阪の街を見渡せます。大阪の歴史と自然を楽しみたい方には、大阪市中央区にある「大阪城公園」がおすすめです。そのほか、たこ焼きやお好み焼き、串カツなどのご当地グルメが食べられる「道頓堀」や、本場のお笑いが楽しめる劇場「なんばグランド花月」なども人気があります。

神戸・北野異人館街（兵庫県）

神戸・北野異人館街は、明治から大正にかけて外国人の住む場所として数多くの洋館が建てられた跡地です。現在でも、レトロな雰囲気の町並みが楽しめます。新神戸駅から徒歩10分ほどでアクセスできるため車なしの旅行におすすめです。

「プラトン装飾美術館」では、18世紀から19世紀ごろの絵画や彫刻、骨董美術品の展示が見られます。また、シャーロック・ホームズの部屋やベーカーストリート駅などを模した様子が見られる「英国館」も人気のスポットです。「香りの家オランダ館」では、オリジナルの香水作りを体験できます。

有馬温泉（兵庫県）　

日本三名泉の1つである有馬温泉は、日本最古の湯としても知られる観光地です。神戸電鉄「有馬温泉駅」から徒歩圏内に数多くの温泉や観光施設があります。

公共浴場「有馬本温泉金の湯」は、その名の通り濃い茶褐色の金泉が特徴です。建物の外には無料の足湯もあります。また、「有馬温泉銀の湯」も人気の公共浴場です。こちらでは、無色透明の炭酸泉、ラジウム泉に入れます。

有馬温泉の守護神や、子宝の神様として信仰を集める「温泉神社（とうせんじんじゃ）」、ヨーロッパなどのおもちゃが数多く見られる「有馬玩具博物館」、これまでに発行された記念が展示される「有馬切手文化博物館」なども人気のスポットです。

奈良市内（奈良県）

奈良市内も、歴史と自然に触れられる人気観光地です。徒歩のほか、人力車での観光スポット巡りも楽しめます。

広大な敷地を持つ「奈良公園」には、奈良の大仏で有名な「東大寺」をはじめ、「興福寺」や古墳など多くの見どころがあります。野生のシカが居ることも奈良公園の特徴です。「奈良国立博物館」では、彫刻や絵画などの仏教美術や貴重な工芸品が展示されています。毎年1月に行われる山焼きで有名な「若草山」も、奈良市内の観光におすすめです。山頂までは徒歩40分ほどで、開山期間にはハイキングも楽しめます。

4.　東北・甲信越エリアで車がなくても楽しめる旅行先

東北・甲信越エリアでは、海や山の豊かな自然を満喫できます。東北・甲信越エリアの車なしで楽しめる主な旅行先は以下の通りです。

仙台と松島（宮城県）

電車や地下鉄、バスなど公共交通機関が発達している宮城県の仙台と、その北東沿岸部に位置する松島は車がなくても旅行しやすいエリアです。

仙台市街の中心にある「定禅寺通り（じょうぜんじどおり）」では、美しいケヤキ並木が見られます。秋には紅葉や、冬はイルミネーションなど季節ごとに違った景色が楽しめます。沿道のレストランやカフェもおすすめです。国の史跡に指定された石垣や伊達政宗公騎馬像が見られる「仙台城跡地」にも多くの観光客が訪れます。仙台から松島へは、電車に乗って40分ほどでアクセスが可能です。松島には260余りの島々があり、遊覧船に乗れば美しい景観が一度に楽しめます。

名物の牛タンをはじめ、枝豆やそら豆をペースト状にした「ずんだ」を使ったお菓子や笹かまぼこ、牡蠣などのグルメも仙台・松島の魅力です。

金沢市内（石川県）

金沢市内では、徒歩でアクセスできる範囲に主な観光スポットが集まっています。金沢駅の兼六園口には、能楽の鼓をモチーフに作られた大きな門があり、写真撮影スポットとして人気です。

「ひがし茶屋街」では、町家をリノベーションしたカフェや土産店などが楽しめます。日本三名園の1つとして知られる「兼六園」や、そこから徒歩1分ほどの場所に隣接する「金沢城公園」もおすすめです。菱櫓（ひしやぐら）や五十間長屋（ごじっけんながや）などの見学は有料となっています。「金沢21世紀美術館」では、様々な企画展や常設の現代美術作品が見られます。

北陸のグルメを楽しみたい方は、店頭やイートインスペースで飲食もできる「近江町市場（おうみちょういちば）」に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

軽井沢（長野県）

軽井沢ではバスで移動しながら、豊かな自然や数多くのお店が楽しめます。レストランやカフェ、おしゃれな雑貨店などが並ぶ「旧軽井沢銀座通り」は、散策するだけでも軽井沢の歴史に触れられる場所です。

バス停「旧軽井沢」から徒歩15分ほどの「雲場池（くもばいけ）」は、軽井沢の代表的な観光スポットです。また、幅約70メートル、高さ約3メートルの細い水流がたくさん流れる「白糸の滝」でも、季節ごとに変わる自然の風景が味わえます。「ムーゼの森」には、木工おもちゃを展示する美術館や、ピーターラビットなどの名作絵本の常設展が見られる「絵本の森美術館」などがあります。

ショッピングを楽しみたい方には、約240件の店舗が並ぶ「軽井沢・プリンスショッピングプラザ」がおすすめです。

5.　九州・四国エリアで車がなくても楽しめる旅行先

九州・四国エリアには、歴史を感じられる名所やグルメ、ショッピングを楽しめる場所が数多くあります。ここでは、九州・四国エリアで車がなくても楽しめる主な旅行先をご紹介します。

博多・太宰府（福岡県）

博多・太宰府は福岡の観光地として代表的なエリアです。地下鉄「祇園駅」から徒歩数分の「東長寺」には、重要文化財に指定されている五重塔や、日本最大級の木造座像「福岡大仏」があります。また、「櫛田神社（くしだじんじゃ）」は博多名物のお祭り「祇園山笠」で行われる追い山笠という催しのスタート地点です。博多湾沿いにある「ベイサイドプレイス博多」では、温泉や九州グルメが楽しめます。

「太宰府駅」から徒歩5分にある「太宰府天満宮」は、学問の神様・菅原道真を祭る総本宮です。また、太宰府天満宮の近くには日本で4番目に大きい国立博物館の「九州国立博物館」があり、国宝や貴重な文化財が展示されています。

長崎市内（長崎県）

長崎市内には4系統の路面電車があり本数も多いため、車なしの旅行におすすめです。一日乗車券を購入すればよりスムーズに観光スポットを回れます。

重要文化財に指定されている日本最古の木造洋風建築がある「グラバー園」では、明治期に作られた洋館が見られます。また、美しい庭園や自然に囲まれたオープンカフェなどもグラバー園の魅力です。

戦争を繰り返さないという近いと世界平和への願いを込めて作られた「平和公園」にも、多くの人が足を運びます。長崎出身の彫刻家が作った大きな「平和記念像」や、その前方に設置された「平和の泉」などを見ることが可能です。

「長崎新地中華街」では、本格的な中華料理や食べ歩きが楽しめます。

別府温泉（大分県）

別府温泉は、「別府八湯（べっぷはっとう）」と呼ばれる8つの温泉が集まるエリアです。JR別府駅近くにある「別府温泉」をはじめ、別府湾近くの「浜脇温泉」や湯布院へと続く「堀田温泉」、かやぶき小屋が並ぶ景色が特徴の「明礬温泉（みょうばんおんせん）」などがあります。

「鉄輪温泉（かんなわおんせん）」は温泉街としてだけでなく、「地獄蒸し」という高温の蒸気熱を使った独自の調理法によるご当地グルメも有名です。これらのほか、別府八湯には「柴石温泉（しばせきおんせん）」や海沿いの「亀川温泉」、コバルトブルーの見た目が珍しい「観海寺温泉（かんかいじおんせん）」が含まれます。