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本州最東端は最難関!?トドヶ崎を目指せ!(岩手県宮古市魹ヶ崎)

本州最東端の市町村といえば、三陸沿岸にある岩手県宮古市で、本州最東端のスポット「トドヶ崎」があることで知られています。数ある端っこスポットの中でも到達するには難易度が高いとされる本州最東端を攻略してみましょう!
目次
本州の端っこスポットとは?
日本は東西南北に長い弓なりの国土になっており、各地に「最○端スポット」と呼ばれる地が点在しています。今回はそんな中でも本州の端っこにフォーカスを当ててみましょう。
本州最北端 大間崎
本州最北端は青森県の下北半島にある大間崎です。津軽海峡でとれるマグロの一本釣りの町として有名ですね。
青森市中心部から大間崎までは車で3時間はかかります。下道を走る時間も長いので、なかなか難易度は高めといっていいでしょう。
大間崎は多くの飲食店や土産物店が立ち並ぶ観光名所になっていますので、時間をかけて楽しむことができるでしょう。
本州最南端 潮岬
また本州最南端は和歌山県、紀伊半島にある潮岬です。紀伊半島は年々道路状況が改善しており、以前は延々と下道を走らないと辿り着けない秘境といってもいいようなスポットでしたが、現在は和歌山市内から2時間強ほどあれば着いてしまうくらいに近くなりました。
そんな潮岬も旅情感に溢れた観光地になっており、こちらも土産物店や観光タワーなどもあってグルメや観光に楽しむことができます。
本州最西端 毘沙ノ鼻
本州最北端の大間崎、最南端の潮岬は有名といえますが、最西端・最東端はあまり知名度が高くないマイナースポットともいえます。
ちなみに、本州最西端は山口県下関市にある毘沙ノ鼻(びしゃのはな)です。下関市の中心地から車で1時間もかからないところにありますので、下関観光のついでにもおすすめなスポットです。
ただし、ここは公園の一部のようなスポットなので観光地化はされていません。飲食店や土産物店もなく、マイナースポットゆえにちょっと寂しい雰囲気になっています。とりあえず端っこ感を味わったらおしまいという感じですね。
さて、ここまでご紹介した本州最北端、最南端、最西端のスポットに関してはすべて近くまで車で行けるため、手軽に端っこを楽しむことができる場所ばかりです。
しかし、残った本州最東端スポットは車で行けない場所にあるため、辿り着くには難易度が高いとされています。本州四端制覇を目指す人にとっては最後の難関としてどうしても残ってしまうのが最東端なのです。
本州最東端の地、岩手県宮古市
そもそも本州最東端はどこにあるのか?
答えは岩手県の三陸海岸沿いにある宮古市です。いわゆる北三陸のエリアになるため、そもそも宮古に辿り着くまでが結構大変だったりします。
しかし、震災後に開通した三陸道によって仙台から高速道路に乗りっぱなしで行くことができるようになったので、以前よりは宮古へ行くハードルは下がったといえるでしょう。
そんな宮古市は「浄土ヶ浜(じょうどがはま)」という観光スポットが有名です。宮沢賢治も眺めたという景勝地で、国の名勝にも指定されている浄土ヶ浜は三陸を代表する観光スポットといえます。
その浄土ヶ浜から車で約1時間ほど、山道をくねりながら走った先に本州最東端の地があるのです。が、浄土ヶ浜を訪れる人のほとんどはそこへ向かうことはないでしょう。
それほどまでに本州最東端の地はマイナーであり、かつ容易に辿り着けないというようなスポットなのです。
本州最東端スポット「トドヶ崎」を目指せ
宮古市の市街地から本州最東端トドヶ崎へは、車以外では現実的にアクセスできません。次々と襲い掛かってくるカーブに神経を使いながら、目指していくのは姉吉キャンプ場です。
姉吉キャンプ場は小さな漁港、姉吉漁港に面した所にあります。なぜここを目指すのかというと、ここが本州最東端のトドヶ崎への出発地点だからです。
本州最東端の地、トドヶ崎にはここから3.7kmの山道を行くことになります。
そうなのです、本州最東端が最難関ポイントとされるのは、ここまで辿り着くのが遠いだけでなく、さらにここから徒歩によるアタックが必要になるという点なのです!
順調に歩けば、スタート地点からトドヶ崎灯台までは片道約1時間といったところ。行って帰るだけでも往復最低2時間以上、通常ならば3時間程度は確保しておかなくてはいけないことになります。
そして、最東端の地まではトレイルコースを行きますので、観光気分ではちょっと行けないというハードルの高さもあり、足元の装備などはしっかりと準備をしておく必要があることも忘れてはいけません。
さらには、ルート上で熊が出る可能性もあるので熊よけの鈴などの準備も必要です。またルート上や現地には店舗などもないので水分や軽食などの準備もしてから向かいましょう。
ということで気合を入れてトドヶ崎へのアタック開始です。スタート地点の姉吉キャンプ場から歩きやすい山道を行くのですが、スタート早々に急激に標高を稼ぐようなルートになります。出発から15分程度が一番の難所、辛い時間帯といってもいいでしょう。
その証拠に、出発地点から5分も歩けば、先ほどまで浜辺にいたのにこんなにも海を見下ろすような高さに辿り着きます。歩きながら見える海の美しさ、透明度の高さには驚くことでしょう。
景勝地である浄土ヶ浜に引けを取らないような海だなぁと思っていたら、なんと足元にある小さな木札には「東日本大震災津波遡上浸水地点28.05m」と記されています。こんな高さにまで津波が迫ったのかと思うと、震災は風化させてはいけないなと痛感させられます。
そこから数分も歩けば、トドヶ崎灯台までの道で最高地点に辿り着けます。
ここまで来ることができれば、後はなだらかに上り下りを繰り返しながら稜線を歩いていくようなルートになります。
基本的に歩きやすいルートが続きますが、途中何か所かは足元注意の場面もあります。ルートにはしっかりとした案内標識もあり、目立った分岐もないので迷うことはないと思います。
そして大きな枯れ沢を3つ通過すると道は緩やかに下りモードになっていきます。そしてついに分岐点に「本州最東端の碑」の案内が登場するのです!
達成感を味わおう!本州最東端
はやる気持ちを抑えながら林を抜ければ、一気に太平洋が視界に入ってきます。そしてすぐに目の前には大きな岩と一体化した「本州最東端の碑」が姿をあらわします。
ここまで来るのは簡単ではなく、そもそも岩手県宮古市という場所自体が何かのついでに立ち寄れるような立地ではないため、目的意識を持っていないと来られる場所ではありません。
さらに、この本州最東端の碑までは徒歩によるアタックを必要とするため、国内を隅々まで旅行経験がある方でもここまで来たことがあるという人はそう多くはないはずです。
まさに端っこスポットのボスキャラ的な存在でもある本州最東端。ここまで来られたことの達成感はこの場に立った人にしか味わえない、何物にも代え難いものだといえます。私が訪れた時はちょうど濃い海霧が発生していて、なんとも幻想的な雰囲気に満ちていました。
そんな本州最東端の碑、この文字は映画『喜びも悲しみも幾年月』の元になった手記の作者である田中キヨさんのものだそう。この映画は灯台守とその家族の物語を描いており、田中キヨさんもこの最東端トドヶ崎灯台で7年もの歳月を過ごしたそうです。
この最東端の碑周辺はゴツゴツした岩場で、断崖絶壁な箇所もあるので危険も伴いますので十分に注意しながら散策してください。そして最東端のトドヶ崎灯台へも行ってみましょう。なんとなく岩場を縫うように灯台へ向かう道があると思います。
トドヶ崎灯台は現在無人になっていて、内部に入って見学等はできませんが敷地内へ入ることはできます。敷地内にはトイレもありますので復路に備える方はこちらで用を足しましょう。
なおトドヶ崎灯台の根元には太平洋に面した東家があります。ここを訪れた人はこの東家で休憩してから帰っていくようです。この東家には「思い出ノート」と書かれた箱があり、中には全国各地からここへ辿り着いた猛者達の足跡が記されたノートがあります。
ひと昔前ですと有名な観光スポットにはこうした旅人向けのノートがよく置かれていましたが、最近ではあまり見なくなったように思えます。SNS全盛のこのご時世に、こうしたアナログな記録ができることは逆に新鮮味があっていいですね。ぜひ自分の足跡も残してみては?
トドヶ崎灯台
- 住所:岩手県宮古市重茂
- アクセス:宮古駅から車で約45分
本州最東端グルメも堪能!
本州最東端、トドヶ崎への出発点である姉吉キャンプ場から車で15分ほど宮古市内に戻った場所にある「宮古市重茂水産体験交流館 えんやぁどっと」もぜひ立ち寄ってみてください。
地元の漁協の加工施設の一角にお土産店とレストランが併設されています。おそらくここが本州最東端のレストランでしょう!
えんやぁどっとでは地元産のわかめなどをふんだんに使った天然わかめラーメンがおすすめ。激しい潮流に揉まれて育ったわかめは肉厚で食べ応え抜群。そして海そのものとも思えるスープはまさに潮ラーメンと形容したくなる旨さ!ぜひ最東端グルメもご堪能ください。
宮古市重茂水産体験交流館えんやぁどっと
- 住所:岩手県宮古市重茂第7地割31
- 電話番号: 0193-68-2301
- アクセス:宮古駅から車で約30分
- 公式サイト:宮古市重茂水産体験交流館えんやぁどっと
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bow
- 最北端、最南端などの端っこスポットや、日本一〇〇なスポットなど、どちらかというとニッチな観光スポットやB級スポットが好きです。