【山と秘湯をめぐる】岐阜県〜ロープウェイから行く西穂丸山と秘湯・奥飛騨温泉郷〜

日本各地の名山と秘湯を紹介するコラム【山と秘湯をめぐる】。登山の後に素晴らしい温泉でリフレッシュできる旅を、多くの方に気軽に楽しんでもらえるような内容をお届けします。

第6回目は、ロープウェイから行く西穂丸山と秘湯・奥飛騨温泉郷をご紹介!初心者でも登頂可能な厳冬期の北アルプス名山と、その山麓に湧く最高の雪見温泉の魅力を存分にお伝えします。

目次

冬でも北アルプスにアクセスできる新穂高ロープウェイ

北アルプス・穂高連峰

岐阜県高山市と長野県松本市の間にそびえる北アルプス・穂高連峰。険しい岩稜帯で形成される登山中級者向けの山域ですが、冬になるといっそう登頂の難易度は上がります。

そんなハードルの高い冬の北アルプス・穂高連峰ですが、実は初心者でも登山可能にしているのが、新穂高ロープウェイの存在です。麓の新穂高温泉駅から標高2,156mの西穂高口駅まで一気にワープすることができます。

槍の回廊

近年は、西穂高口駅から降りてすぐの場所に広がる頂の森に、新名所が次々誕生しています。中でも一番の目玉は「槍の回廊」。ブーメラン状に張り出した回廊からは、標高日本5位の槍ヶ岳(標高3,180m)を眺められます。

他にも、近くには西穂高岳や笠ヶ岳などの北アルプスの名峰から遠くそびえる霊峰・白山まで、圧倒的な雪山の大パノラマを楽しめるのが魅力です。

槍の回廊

  • 住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂
  • 電話番号:0578-89-2252
  • 最寄り駅:西穂高口駅 頂の森
  • 公式サイト:槍の回廊

雪山初心者でも登頂可!西穂丸山のコース概要と魅力

西穂丸山

新穂高ロープウェイを使って、初心者でも挑戦しやすいのが「西穂丸山(標高2,452m)」です。西穂高口駅から往復4.4kmで、途中に西穂山荘を経由します。

多くの区間が樹林帯歩きのため、危険箇所が少ないのが特徴です。また人気の山なので、トレース(踏み跡)により登山道が明瞭で、遭難する心配もほとんどありません。

雪がない時期には何の気なしに通り過ぎてしまう区間も、冬になると霧氷や雪面に作られる明暗のアートが楽しめたり、心奪われる登山体験が待っています。

西穂丸山

西穂山荘を過ぎると、冬の北アルプスの厳しさを物語る稜線へ。強風が吹きすさび、風に舞う雪が作り出す雪煙や、独特な波状の雪紋が広がる世界が広がり、これまでとは一線を画す雪山の絶景が広がります。

登頂すると、目の前には笠ヶ岳(標高2,898m)を中心として展開する白銀の山並みが広がり、横には上級者しか立ち入ることのできない雪の西穂高岳がそびえます。厳しくも果てしなく美しい、冬の北アルプスに感動すること間違いなしです。

西穂丸山

  • 住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂
  • 電話番号:0578-89-2252(新穂高ロープウェイ)
  • 備考:冬は雪山登山の装備(ウェア・靴・アイゼン・ゲイター・手袋等、必須)

登山後に立ち寄りたい深山荘の大露天風呂

奥飛騨温泉郷

北アルプス・穂高連峰の山麓に位置する奥飛騨温泉郷は、雪見温泉を楽しむのに最適です。特に、源泉掛け流しの湯を開放感たっぷりに楽しめる「深山荘」への立ち寄りがおすすめです。

広々とした露天風呂には、たっぷりの湯の花が浮かび、硫黄の香りが心地よい単純泉が湧き出ています。さっぱりとした肌触りでありながら、秘湯ならではの泉質の良さも感じられるはず。

深山荘 露天風呂

さらに、北アルプスの山々に囲まれ、蒲田川の清流を眺めるロケーションも格別です。冬は訪れる人も少なく、タイミングが良ければ広々とした露天風呂を独り占めできるかも!?

深山荘 露天風呂

  • 住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂720-1
  • 時間:8:00〜17:00、18:00〜22:00
  • 料金:大人500円
  • 電話番号:0578-89-2031
  • 公式サイト:深山荘 露天風呂 

麓庵 民宿たきざわの貸切風呂もおすすめ

麓庵 民宿たきざわの貸切風呂

温泉宿の日帰り温泉を利用するのも手です。イチオシは「麓庵 民宿たきざわ」。なんと500円というリーズナブルな料金で、離れの貸切風呂を利用できます。

温泉の外には、奥飛騨の知る人ぞ知る名峰・錫杖岳(しゃくじょうだけ、標高2,168m)の姿も。焼岳から湧き出るお湯で、静かに心ゆくまで雪見温泉を満喫できるのが魅力です。

冬の奥飛騨はいかがでしたでしょうか?雪山での時間に心癒され、その山からもたらされる名湯で身体を癒す。雪山を味わい尽くす最高の冬旅が楽しめますよ。

麓庵 民宿たきざわ

  • 住所:岐阜県高山市 奥飛騨温泉郷新穂高温泉中尾261
  • 時間:8:00〜21:00
  • 料金:大人500円
  • 電話番号:0578-89-2705
  • 公式サイト:麓庵 民宿たきざわ

山と秘湯をめぐるシリーズ

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土庄雄平

1993年生まれ、愛知県豊田市出身。同志社大学文学部文化史学科・英文学科卒。サラリーマンの傍ら、自転車旅&登山スタイルで、日本各地を駆け巡るトラベルライター。春は桜を愛でながらサイクリング、夏は冷涼な北日本へ自転車で大冒険、秋は秘境の紅葉を求めて山登り、冬は輝く樹氷と白銀の世界に魅了される。そんな自然の中へ身を投じる旅がルーティーン。

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